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舞台【エッセイ】六〇〇字

早大エクステンション「エッセイ教室」夏講座(全6課題)の最初のお題、「舞台」。人生そのものが、舞台。そこでいろんな役者がドラマを演じている。あなたは、何を演じているのだろうか。
この話は、(noteを通じて)ワタクシの半生を知りすぎているフォローワーさんにとっては、「またかよー」ってもの。ですが、「舞台」というエッセイに仕上がっているかどうかという視点でご判断いただければ幸いであります…。ハイ。💦
               ※
 新宿御苑が斜め下に見える、十畳ほどの改装された部屋。壁に背をつけ足を投げ出し、見まわしていた。窓の前にオレの机、スタッフは壁近くに。会議テーブルは中央。コピー機とファックスは、あそこ。ここに、本棚とオーディオ。と、「書割」や小道具を、描く。
 演劇を志すも、病欠留年で現役受験に、失敗。札幌で浪人するが、また失敗。上京し、やっとの思いで演劇専攻がある大学に。が、川口君虐殺に象徴される大学紛争。キャンパスから逃げるように、四年続けることになる、『学生街の喫茶店』風の店で、バイトする。
 実質三浪では、「寄らば大樹の陰」も、ムリ。バイト先のオーナーに誘われ、始まったばかりの、レストランのチェーン化の夢を追うが、失敗。捨てきれずに、二十代は、まさにモラトリアムだった。息切れし、安定した職を求めたつもりで、三十路を機に、翻訳家養成の会社に。
 安定と言っても、業界としては珍しく、かつ通信教育というマイナーな世界。これがターニングポイントとなり、運も幸いし役員まで突っ走った。が、十五年たち、社長と衝突。WEB事業部なる得体の知れない、部下二人の閑職に。ところが二年後、このWEBが独立に繋がるとは…。人生とは、面白いものだ。
 御苑からの薫風に撫ぜられながら、壁にもたれかかり、眠っていた。これから始まる大活劇のシナリオを、思い描きながら・・・。

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