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雨あがり【エッセイ】六〇〇字

早大エクステンション「エッセイ教室」冬講座。四回目のお題は、「雨あがり」。
「雨あがり」となれば、どんな想い出がありますか? 野球部にいた頃は、猛練習が続くと、「雨々 ふれふれ もっとふれ」と、八代亜紀の『雨の慕情』を、振りをつけて、涙目で歌う(その頃、この楽曲はなかったけど・・・)。が、試合の日は、雨よ上がってくれと藁にもすがる思いになる。そして、上がったときには、清々しい気分になり、ガッツポーズ。
                ※
 「明日、稲荷と、おかかのお握りね。アジウリとイチゴ、バナナもだよ!」と、事前交渉。
 旭川の北にある愛別町の、小学校四年のとき。雪が徐々に融け、暖かな日が続き、楽しい日々が、待っている。ゴールデンウィークがあり、その時期に桜が満開。そして、梅雨がない北海道は、五月下旬から六月にかけて、運動会がある。
 父が野球をやっていたので、小学に入る前から特訓され、野球が上手。長嶋が入団して活躍していた頃で、背番号を「3」にするくらいに。しかし、他校との試合があるわけではなく、運動が得意な子の楽しみは、運動会で歓声を浴びることだった。短距離で一番になるのは勿論だが、応援に熱が入り、最も注目されるのが、リレー。学年一学級の小さな学校。男女二人ずつの四人一チームで、四組。その年は、野球仲間の親友と一緒の組。その子も脚が速く二番手で、最終は私。絶対に勝てる。前年は負けたので、楽しみにしていた。
 ところが、雨の少ない時期でありながら、土曜日が大雨で、日曜日に。再延期なら平日になる。観戦者が減る。農業地帯で、田植えの繁忙期だから。大雨で延期した分、平日が忙しくなるのだ。親友の家も農家。親が来られないかもと、心配していた。どうか、ヤツのためにも、「晴れてくれ」と祈って、寝た。
 願いが叶い、晴れ。六時に花火が鳴り、勇んで出かけた。テルテル坊主に最敬礼して。

(おまけ) クイズです!(笑

※回想エッセイが性に合わない御仁のために、頭? 目の体操です。

朝日新聞朝刊(1/28)のコラム、<「be on Saturday」街のB級言葉図鑑>にあったクイズです。小さいコラムだったので、見落とした方もいらっしゃると思うので、ここに掲載!

■おなじみさんには分かる?
たまにはクイズもいいでしょう。都内の青果店の値札。〈100〉という値段は分かるけど、左上の品物を示す文字が、走り書きで読めません。何と書いてあるのでしょう。
本欄の担当編集者に尋ねてみました。しばらくじっと考えて「見当もつきませんね」。かなり難易度が高いようです。あなたも、答えを読む前に考えてみてください。
私自身も最初は分かりませんでした。いくつか候補を思い浮かべ、現物を見たら当たっていました。推理するのは面白いものです。
ヒントになるかどうか、右側の文字は縦書きで〈千葉〉です。農林水産省の2021年の統計によると、千葉県はこの作物の収穫量が埼玉県に次いで2位なんだそうです。
(街のB級言葉図鑑)謎の値札 飯間浩明(国語辞典編纂者)

(答え)は、
前回アップした『沁みる夜汽車(3の1)「上京篇」』の最下部に入れてあります。


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