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スタート【エッセイ】六〇〇字

 早大エクステンション「エッセイ教室」春講座が4月6日から始まった。年末からの1か月あまりの入院で、1月からの冬講座は全休。春講座の初日6日も欠席したので、先週13日が、久しぶりの授業になる。
 6日に出た1回目の課題は、「スタート」。死に損なったワタクシには格好のお題と思いきや、「男と女」を絡めろ、と師匠がおっしゃっているとのこと。まだ「再」がつくなら、しっぽり感のある内容にできるかもしれないけど…。いや、それでも思い浮かばない…💦^^ はたと困り申した。そして、考えあぐねた結果、こんな内容になり申した。(いちおう)男と女を絡めて。愛憎の念が入り混じるような話にはなりません。(笑
             ※
 「この先に、東京があるんだ…」
 小学生の頃、そう思いながら線路を見つめていた(青函トンネルができる三十年以上も前だけど…)。そして、母親には、「東京の大学に入って、東京の子と付き合うんだ」と、宣言したそうな…。デートにさえ誘えないような『カントリーボーイ』のくせに、である。
 が、曲りなりにも『大学デビュー』だけは果たすも、大学紛争の真只中。バリケードやロックアウトで、バラ色の『キャンパスライフ』とはいかず。ノンポリを決め込み、学生街の喫茶店でバイトすることに。ところが、そこで運命のひと・Nと出会うことになる。
 Nは、リタ・モレノとナタリー・ウッドを足して二で割った感じ。学部は違ったが教育だったので、教職科目で一緒になることもあり、バイト以外でも話すことが増えていった。それでも、誘えない…。自宅が、目黒の高級住宅街。高校は、国立付属。田舎者とは違い過ぎる…と。しかし、何と、大学祭前のある日、Nが救いの手を伸ばしてくれたのだ。
 バイト仲間のTを挟み、店で昼食をとっていたとき。「Nちゃん、最近元気ないね。どうしたの? 大学祭のときデートしようよ」と、Tが話かけると、Nがつぶやいた。「Mちゃん(私の事)に振られちゃったの…」と。
 線路を見ていたあの少年が、『シティボーイ』になる、決定的な一言であった。

(おまけ)

刻印プレート
『旅支度』で紹介した樹木葬『瑠璃の光』。正式に契約しました。 TOPだったようです。^^

「エレガンスみゆき」という桜が咲いていました。


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