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等(など)の一文字で誤魔化す行政2

前回は、等(など)の一文字で誤魔化す行政の理由や目的を述べてみました。
今回も続きを述べていきます。

「等」による形骸化

何のための「等」だったか

「等」は、行政に都合が良いため、極めて頻繁に用いられている現状があります。

計画策定時に有識者からの指摘を受けにくくなるようにしておけるからです。
実際に有識者からの指摘を受け、計画を修正して「等」を追加することもあります。

計画実行時には策定時に考えつかなかった対象を含めることができるということもあって、極めて行政に都合の良い文言が「等」なのです。

しかしながら、です。
「等」を入れることによって、実務上の形骸化を生じさせる現状は何でしょうか。
何のための「等」だったのでしょうか。
「等」は、計画を実行するためではなく、計画を策定するための文言だった、そこまで言わざるを得ないことがいくらでもあるのです。

若者等の「等」には何が入るか

典型的な事例は「若者等」です。
行政は「若者等への啓発」という文言を好んで、頻繁に用いています。
「等」には何が入りますか。

策定時には、啓発するべきは若者だけではない、ということで「等」をつけておくというのは悪いことではありません。
では、計画実行にあたり、等への啓発を実行したことがどれだけありますか。

「若者等への啓発」という文言は、計画実行段階においては、学校への出前授業という形態をとることが多いです。
そして、出前授業以外の啓発を何も行わなくても「若者等への啓発」を行なったとされています。

形骸化以外の何でしょうか。
「等」には何が入りますか。
出前授業以外の啓発が何も無いならば、形骸化が指摘されて然るべきです。

けれども、行政は形骸化しているとはしません。
保護者等、地域等で子どもの話を聞いた大人等の理解が深まることも考えられる、とでも言えば、指摘を回避できるからです。
「等」には何も啓発しなくても、「等」を含めた啓発をした感じの体裁、テイにはなるのです。

もう一度述べます。
形骸化以外の何でしょうか。

策定と実行の乖離

策定時に「等」をつける時と、実行時に「等」をつける時で、その理屈に大きな乖離があります。

何々が大変重要である。けれども、その重要性がそもそも知られていない。若いうちからの啓発が必要である。
計画に記載された通りだと思いますが、若者等に限定しなければならない理由は何ですか。
限定しているわけではない。「若者等」に幅広い年代を含めている。
幅広い年代を含めているなら、出前授業以外には何も無い現状は何ですか。
保護者等、地域等が幅広い年代である。

こういうことがいくらでもあるから「若者等」は形骸化するのです。
策定時には、「若いうち」とされていたものが、いつの間にか「児童生徒及びその周辺」となる。形骸化としか言いようがありません。

何々が大変重要である、その重要性を知らせる、という本来の目的を達成するための啓発なのに、本来の目的からは外れていくのです。

策定と実行の乖離を指摘せざるを得ないです。

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