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地銀の話1

今回から地銀の話を少しだけします。
地銀とは地方銀行のこと。

前置き

滅多斬りする前に予め述べておきます。

私が今まで生きてきた中で、最も頭が良く、最も性格が良く、一番素晴らしい、と思った人間は、信用組合に勤務している小中学校の同級生です。
もう長い間会ってもいない、話してもいない人間なのですが、彼こそ本当に評価されるべき、一番優秀な、最高の人間だと思っています。

はい、前置き終わり。

地銀のイベント1

ここから滅多斬りにします。
彼の勤務する金融機関とは、全く別の地銀の話をしていきます。
バレないように、具体名は差し控えます。

県主催イベントに伺った時のことです。
正確に言うと、県の委託事業費で地銀が実施したイベントに伺った時のことです。

基調講演、論点提供、参加者ディスカッションというものだったと思います。

最近は伺わなくなっている無料ディスカッションに、当時はそこそこ伺っていました。
新しい働き方とは、みたいなテーマでした。

率直に言ってしまいますね。
まず、新しくなかった。
まず、働き方じゃなかった。

基調講演の内容は、昭和後期からずっと言われているはずの「育児と仕事の両立」でした。
そこから行員の自慢話がさらに延々と続く。
ディスカッションの参加者には、普通の県民に、地方大学の学者(なんたら担当)も混ざっていて、「とにかく育児と仕事」と念仏を唱える。

何故、行員は、そして学者さえも、統計の話より自慢を優先するのか。
何故、人の論拠を軽視するのか。
何故、統計の話の途中で口を挟むのか。
何故、人の話の腰を折り続けて平気なのか。
何故、改善策の話に移ろうとするたびに、自慢や念仏を挟み込んで妨害するのか。
それの何が多様な人材の活躍推進なのか。
疑問符のみが次から次へ浮かんでいました。

本当にこんな感じ

私はもう本当に限界でした。
その日は夕方から寝込む羽目になったのを未だに覚えています。

労働局、県、地銀は、ダイバーシティ推進の取組で包括協定を結んでいますが、だからと言って、官製自慢や官製念仏の官製披露に、次から次へと税金が浪費されるのに耐えるべきでしょうか。
画一的な自慢の何が多様性なのでしょうか。

何故、「とにかく」育児と仕事の両立、という「とにかく」を議論するのでしょうか。
「とにかく」であれば、それは大前提なことで、議論するまでもないことです。
大前提の上に、改善策を模索し、三人寄れば文殊の知恵に辿り着くことこそが、前進であり、実りある議論というものです。
それはわかっているから、次へ行こう、というのが、あるべき姿のはずです。

何がネックになっているか。
なんとなく出勤させたい老害がネックなのか。
印刷物を手元に置きたい老害がネックなのか。
メールでなく電話がいい老害がネックなのか。

そこで、機運がネックだ、と言い出してしまうのが地銀です。次年度以降も似たようなイベントを受託できるからです。
地銀が県からカネを貰うためなのです。

地銀のイベント2

このイベントとは別のイベントの話に移ります。
以前、夕方から寝込んだ経験をもとに、その時はオンライン参加にしました。
現地参加のデメリットを踏まえた結果です。
今から考えると完全不参加が正しかった。
勉強にはなりました。悪い意味で。
※情報の仕入れだと思うしかありません。

当時のプログラムは確か、基調講演、実践発表、ネットワーキング(現地のみ)、でした。

基調講演は、イベント1とほぼ同じ、「育児と仕事の両立」の話。昭和後期の延長線です。

そこからの実践発表が凄かった。悪い意味で。

若手女性行員の思い、みたいなもんが始まったのです。
良く言えば決意表明。悪く言えば選手宣誓。
実践発表とは一体何かね。

県と地銀の忖度の極みのようなものを見せられる身にもなってくれと思いました。

これにはカラクリがあって、県は若者の15歳から29歳、特に女性、を最重要視しています。
おそらくは、地銀の23歳から29歳の女性行員が、登壇させられていたのだと思います。
早婚の人の自慢が始まるのか、と思いきや、行員の決意表明が始まってしまったのは、忖度と忖度のせめぎ合いによるものだったと推察します。

「私は今、未婚なんですけど、将来は、これから彼氏ができて、結婚することになったら、家庭と両立をしていけるように、出産とかも理解のある上司に相談とかをして、育児も仕事も頑張りたいと思っています。」(会場大拍手)

会場大拍手

これ、文言としては百点満点ですよ。
けどね、これを入行数年の女性行員に言わさせている現実に悲しくなりました。

さらに、登壇させられている女性行員が複数名、まあ似たような決意表明。
(似たような入行数年の女性行員だけでした。)
私は何度も悲しくなりました。
重ね重ね悲しくなりました。

よくもここまでプロダクトアウトを出せたな。
そう思いました。

取引先に離婚休暇を出す先進的な企業があるにもかかわらず、中高生の総合学習の延長線みたいなもんを出してきて、何が多様性か。

婚活休暇、離婚休暇、再婚活休暇、令和の多様なあり方を示す絶好の機会がこれで良かったか。
不妊休暇、発熱休暇、PTA休暇、なんでも示せるはずの機会がこれなのか。
県はボランティア休暇もリフレッシュ休暇もあるのに、口を挟まず「大変参考になりました。」と一言だけで良かったのか。

地銀はカネを貰うまでが本番で残りはオマケか。
県はカネを渡すまでが本番で残りはオマケか。
そんなイベントでした。

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