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予算が捻じ曲げられる理屈1

前回、幼保の予算が学者に捻じ曲げられたことに踏み込んだので、各種予算が捻じ曲げられる理屈について少し述べていこうと思います。

観光振興

現在、旅行需要の平準化が掲げられて、予算消化のために、平日旅行商品の官製値引きが行われています。観光振興の名目ですが、論外です。

旅行需要の平準化というのは、旅行が土日に集中するので、ならば平日に増やそうという試みで、国の予算を都道府県が消化するものです。

元々はコロナ対策だったのです。
三密を避けろ、でも観光は大事だ、という理屈。
何故コロナが五類になっても続けているのか、については意味がわかりません。
※官製値引きは元々意味がわかりませんが。

とにかく感染症対策は引き続きである。
とにかく観光は大変だから予算をつける。
とにかく観光は裾野の広い産業である。
とにかく経済効果がある。

これが官製値引きに至る理屈になってしまう。
行うべきは、官製値引きでは無いのに。

官製値引きは安い観光地をつくりあげ、値上げに踏み切りにくい状態を固定します。
裾野の広い産業こそ小売価格を値上げしないと、上流から廃業せざるを得なくなる。
にもかかわらず、官製値引きに踏み込んでしまうことになってしまった。
何故か。理由は3つあります。

旅行業者の旅行商品を売るため

1つ目の理由は、観光業界の上層部が、旅行業者であるから。
旅行業者の旅行商品を売るためなのです。
コロナで旅行商品を捌けなくなった旅行業者が、ここぞとばかりに旅行商品を売るための予算で、そのための官製値引きだからです。
官製値引きのアピールを行政にやらせることで、広告宣伝費をゼロに出来る。さらに言えば、委託事業費でプラスにさえ出来る状態にする。
一石何鳥もあるわけです。旅行業者には。
しかしながら、旅行商品の官製値引きであるため五類移行以降には何らかの理屈が要ります。
それが旅行需要の平準化。
前期高齢者のカネを狙うためです。

前期高齢者のカネを狙うため

2つ目の理由は前期高齢者のカネを狙うため。
旅行需要の平準化を名目として、平日の旅行商品の売り捌きに官製値引きがあるのは、定年退職後の前期高齢者のカネを狙うためです。
前期高齢者が、土日に旅行してしまうぐらいなら平日に旅行させようというもの。
行政は前期高齢者向けとは言いませんが、実質的にはそういう話なのです。
平日ぶらり旅のようなものには、予算がつかないようになっています。旅行会社の旅行商品のみ。
パッケージツアーの官製値引きでしかない。
団塊が若い頃にやっていたバスツアーの延長線を企画し、行政の経路で広告宣伝し、官製値引きで売る。
団塊は数が多いから、売れるわけです。
売れなかったら、大変だ大変だと審議会で騒げば良い。こういう理屈なんです。

観光振興まで前期高齢者のため

3つ目の理由は、観光振興まで前期高齢者のためにしているから。
前期高齢者が最も求めているのは、値引きです。
値引きとかお得とか、そういうものを求める。
官製値引き制度は、前期高齢者の需要に合致した結果、五類移行以降も続いてしまったのです。

インバウンドでカネを稼ぐ。
富裕層向けでカネを稼ぐ。

こういう(視察時のみに掲げられる)目標への逆行であろうと、前期高齢者の需要に合致した場合には強行されてしまうのです。
富裕層向けでカネを稼ぐというのは、基礎基本であるため、官製値引きで捻じ曲げてはいけないのにもかかわらず。
高齢政治家たちの官製視察のためだけに持ち出すものでは無いのです。
けれども、高齢政治家からすれば、大票田の前期高齢者への官製バラマキに等しいものであるために、逆行であろうと官製値引きを否定できない。
高齢政治家と高齢消費者の利害一致がここまでのザマを晒してしまった。
こういう理屈なんです。

インバウンドを狙うのならば、富裕層向けを狙うのならば、FIT(外国人個別旅行)を狙うものです。
にもかかわらずパッケージツアーの官製値引きがあるのは、マイナスでしかありません。
予算をつけてマイナスを生む、これが現状です。

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