仏教を志していると、「今このときを大切にしましょう」とお伝えすることが多くなります。

　でも今このときを大切にするとはどのような「状態」でしょうか？

　例えば何もせずにぼっとするときは、今を大切にしていないのでしょうか？

　もしそうなら、私の毎日はかなり「いい加減」な日々になります。

　では逆に仕事や家事を忙しくし続ける事は今を大切にしているのでしょうか？

　確かに充実感はあると思いますが、忙しく動きながらも今が「虚しいとき」もあるものです。

　そんなことを考えていると、やはり「今ここに生かされていることの有り難さを感じ、感謝を申し上げる」ことが大切なのでは？と思い至っております。

　「ご先祖様」に感謝を申し上げる。

　「お世話になった人」のことを心に思い浮かべる。

　物事への「ご縁」のお陰で今こうしていられることを実感する。

　これらは「今このときを大切にする」ことにつながるのではないかと思っております。

　ご法要ではそのような心持ちでお参りしただき、今ここに「ほとけさま」を思い浮かべていただければ嬉しいのです。

☆今日の一句☆

　今ここに
　　　　ほとけおられる
　　　　　　　　　　ありがたき