スクールバスを買ってみた その１
ことの発端は、2023年まだ夏が暑くなる前、アルバム「Tokyo Emotional Gakuen」のレコーディングがまだ始まったばかりの時でした。現場マネージャーがふと「新しい車欲しいなあ」と、メンバーのグループLINEに画像を送ってきたことに始まります。
それは確かハイエースをワーゲンバス風におしゃれに加工した車でした。
デザイナー兼マネージャーとして長年連れ添い、事務所を移籍する時にも一緒に着いてきてくれた最早、大事な６人目のメンバーなのです。
おそらく半分本気、半分冗談で送ってきたと思うのですが、彼の望む事はできる限り叶えたいと、常日頃からそう思っています。
僕の人生の中で車を買うという選択肢が、突如湧き出てきた瞬間でした。
そして、のちに「Tokyo Emotional Gakuen」と名前がつくこの作品、この時点ではまだ、学校や教科をテーマに作詞をすると言うことだけを、情報としてチームに共有していた、という段階でした。
自分以外の人間にどんなイメージかを完全に理解してもらうのには時間がかかると思っていましたし、受け手側もとても難しかったと思います。
ただ、バケツくんが加わり、新しいメンバー、新しい環境、新体制での制作は喜びや発見に溢れていて、改めてデビューアルバムを作っているような、もう一度やってきた青春のように思えて、自分にとって掛け替えのない宝物がまた一つ増えることを、かなり初期の段階から予感、確信していました。
そこに、何か特別なギフトというか、プレゼントのようなものが出来ないか、ということも、同時に考えていました。
で、レコーディングの空き時間、僕はどうせ買うなら、とネット上であらゆる車を探し始めたのですが、そこで巡り合ってしまったわけです。
当時日本で売りに出されていたのはわずか３台。
発売日に街中を走らせたり、
ツアーに帯同させてファンの方にフォトスポットにしてもらったり、
最終的には何かそこで物販をしたりキッチンカーとして利用するなり、
マネージャーの車が欲しいという気持ちと、新しいアルバムに何かプレゼントしたいという自分の願望を、一気に両立させてしまう、悪魔的なアイデアのように思えました。
「ちょっとこういうのがあるけど見に行ってみない？」
これもまた半分本気、半分冗談でマネージャーに送ってみると、
「マジっすか、行ってみましょう」
と、二つ返事で話にのってきてくれたので、レコーディングの空き日に、販売店のある関東近郊まで、遠路はるばる実際にその車を見にくことにしました。
数年来アーティストとして、輸送される方、貨物を専門職としていたのですが、この機会にと、ペーパードライバー講習を受けなおして、おおよそ10年以上ぶりに自分の運転にて、その販売店に向かったところも今では良き思い出です。
ちなみにこの時点では他のメンバーには内緒です。
いつか集合場所に僕がスクールバスを運転して迎えに行く、というもはや壮大なボケなのかドッキリなのか、よくわかりませんが、その方が面白いかなと思っていたので。
現地で実物を見て、さざ波タイプのリアクションの薄いタイプの成人男性２名ですが、わりとわかりやすくワクワクしていたのを覚えています（それでもさざ波ですが）。
帰り道に運転をしながら、僕は慎重に言葉を選んでいました。
心の中でこの車があった方が、次の作品が、次のZeppツアーが楽しくなるイメージが湧いていました。ただ、実際に手に入れたとて、その用途からして管理してもらうスタッフやマネージャーの協力は不可欠です。
なので彼がこの一連の出来事を楽しめなければ、ネガティブなことを思えば、辞めようと思っていました。
「実際見てどう？」
「やっぱいいすね」
と答えが返ってきたので、
「じゃあ買うわ」と、即答していました。
その時も「マジっすか」と、言われたような、そうでもないような。なんとなく笑ってくれていたような気がしたので、僕はその瞬間に心の中で契約書に判子を押したのでした。
子供の頃のおつかいで、頼まれたものと違うものを買ってくる、なんてあると思う。大人になってもやってることは、ほとんどそれと変わらない。新しい車を買うつもりが、なぜか急にアメリカンなスクールバスになってしまうこともある。
そこから先このスクールバスが、なかなか波乱を巻き起こすことになるなど、この時は知る由もなく。（その２に続く。）
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BIGMAMA👩🎓SCHOOL WARS TOUR👨🎓
10/28(土) KT Zepp Yokohama
11/10(金) Zepp Osaka Bayside
11/11(土) Zepp Fukuoka
11/19(日) Zepp Sapporo
11/22(水) Zepp Nagoya
11/23(祝木) Zepp DiverCity(TOKYO)
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