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TikTokの使用と時間感覚の歪み:新しい研究が明らかにする影響

短編動画プラットフォーム、特にTikTokの使用が日常生活に与える影響についての新しい研究が注目を集めています。
論文「Time distortion for short-form video users」では、TikTokなどの短編動画の使用がユーザーの時間感覚にどのような影響を与えるかが詳細に調査されています。

この研究は、TikTokのような短編動画プラットフォームの使用が時間知覚に及ぼす影響に焦点を当てています。特に、使用者が実際に費やした時間とは異なる時間を感じる「時間感覚の歪み」が生じるかどうかを探求しています。

研究では、111人の大学生を対象に、短編動画の使用頻度と時間歪みの関連を調査しました。結果は、短編動画の頻繁な使用が時間の過大評価と関連していることを示しました。また、62人の学生をTikTok使用と読書の2つのグループに分け、15分間の活動後の時間知覚を比較しました。TikTokグループは活動の期間を過大評価しましたが、読書グループはそうではありませんでした。

この研究から、TikTokの使用による時間感覚の歪みが日常生活や仕事における生産性にどのように影響を与える可能性があるかが浮き彫りになりました。

時間認知の歪みと、生産性にどのような関係があるのか。
それは、以下が考えられます。

  1. 計画とスケジューリングの誤算: 生産性の高い作業は効果的な時間管理に依存します。時間感覚が歪んでいると、タスクに必要な時間を適切に見積もることが難しくなります。結果として、作業の計画やスケジューリングが不正確になり、効率が低下します。

  2. 優先順位の誤り: 時間を過大評価している場合、重要なタスクよりも時間を費やすべきでない活動(例えばSNSの使用)に過度に時間を使うことがあります。これにより、本来優先すべき仕事や勉強などが後回しにされ、生産性が低下します。

  3. 疲労とストレスの増加: 実際よりも長く作業をしていると感じる場合、精神的な疲労やストレスが増加する可能性があります。これは集中力の低下やモチベーションの減少を引き起こし、結果的に生産性が低下します。

  4. 時間の無駄遣い: 時間の感覚が歪んでいると、時間の使い方が効率的でなくなります。短い休憩が長時間になる、あるいは逆に、必要な作業に十分な時間を割かないなど、時間の無駄遣いにつながる可能性があります。

時間管理における誤算、優先順位の誤り、疲労とストレスの増加、時間の無駄遣いなどが主な影響として挙げられます。

「Time distortion for short-form video users」という研究は、デジタルメディア、特に短編動画プラットフォームの使用が私たちの時間知覚にどのような影響を与えるかを理解する上で重要な一歩を踏み出しています。この知見は、時間管理と生産性の向上に向けた対策を考える際に役立つでしょう。

引用文献

Yang, Y., Liu, R.-D., Ding, Y., Lin, J., Ding, Z., & Yang, X. (2023). Time distortion for short-form video users. Computers in Human Behavior, 108009. https://doi.org/10.1016/j.chb.2023.108009

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