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SETOUCHI ART COLLECTIVE CROSSING2023 GREENで、ハイブリッドワークショップを

5/27(土)に、香川県高松市の企画展『SETOUCHI ART COLLECTIVE CROSSING2023 GREEN』で、現地会場とオンラインをつないだハイブリッドワークショップにチャレンジしました。

なぜハイブリッドワークショップをやったのか?

当初、瀬戸コレ片倉さんからは「高松市で企画展をやるので、対話型鑑賞をやってほしい」「会場で企画展をするので、東京から出張してもらうことも考えている」と声がけをいただきました。

「前回はメタバースだったし、どうせなら面白いことをやりたいな・・・」「地域ワークショップのファシリテーターは、可能ならその土地の人がやった方がいいよな・・・」「ファシリテーターのパートを代替可能にしておいた方が、追々色んなファシリテーターとの出会いもつくれるんじゃないか」といったことを考えていて、頭に「現地会場ファシリは片倉さん、オンラインファシリを立てたハイブリッド対話型鑑賞」というイメージが浮かぶ。

ハイブリッドワークショップでどんなことをしたのか?

企画展サイトのイベント紹介

前提として、現地会場5名と現地ファシリテーター、オンライン会場5名とオンラインファシリテーターをつないだワークショップで考えていました。

プチギャラリーツアーは、以前アート鑑賞ファシリ仲間のオダガーが『突撃!アートギャラリー3331』で、現地とオンラインをつないだオンラインイベントをやっていて。タブレットカメラで、ギャラリーツアー配信をしていたのがおもしろかったので、真似してやってみました。

プチギャラリーツアーの雰囲気

二人目のファシリテーターとして名前が入っている『のぶ(小西慶信)』は、香川の青学WSD同期で現地会場のファシリテーターを急遽お願いして引き受けていただきました。ひさしぶりに同期とワークショップをご一緒する機会となってうれしい。

当日のプログラム

ハイブリッド対話型鑑賞をどのようにやったのか?

作品選定については、各作家さんの作品を対話型鑑賞との相性で評価した上で、事前準備のスケジュールも加味して、今回は辻孝文さんの作品としました。

今回は現地会場ファシリのぶに、事前に作家さん作品を使った対話型鑑賞体験をしてもらいたかったので、事前の練習会を実施しました。青学WSD同期でのぶ&ちょうなんと一緒にこども向けワークショップのチームだったメンバーに協力いただき。(れいれい、ぴんちゃん、とっしー、さおりさん、ありがとう!)

ハイブリッド対話型鑑賞パートは、以下のように進めました。
・全12作品全体をまず数分時間をとってじっくり鑑賞する
・気になる作品をひとつ選び、その作品を選んだ理由を教えてもらう
・ひとつの作品に絞り、対話型鑑賞を進める

全12作品全体を写した写真/Zoomで画面共有したもの

全12作品を観てて、鑑賞者から出ていた言葉(記憶ベース)
「人が描かれている、人の顔の上に赤や青のペンキが塗られている。顔が見えるもの、顔が隠されているものがある。」
「わたしが好きな作品はこれ!鼻のあたりが青く塗られているのが気になる。」
「絵画とデジタルプリント、アナログとデジタル、表現の違いに心惹かれる。ドットや線の表現も気になる。」

「女性の視線がこちらを向いていて気になる。」
「どこかを見ている女性の視線が気になる。」
「同性として心惹かれる作品。」
「作品の並びになにか意図があるんじゃないか。」

鑑賞作品としてひとつ選んだもの

こちらの作品の鑑賞を通して出てきた言葉(記憶ベース)
「人の顔にペンキなどを塗るという行為が、落書きなど尊厳を貶めるようなことを想起させて不気味。ただ色は明るく鮮やかで、部屋に飾りたいと思うのが不思議。」
「サロメの生首を想像する。」

「作品の向こう側に人がいる、手前側の自分との間に壁のように、塗料で塗られたものやキャンバスとして切り抜かれたものがある。」
「相手と自分のわかり合えないようなところを表現しているんじゃないか。社会の不寛容さのようなものも感じる。」
「バッテンという形は、彼女が自分のことをそう捉えているのかもしれない。はたまた彼女を見る人がそう捉えているのかもしれない。」
「表情から感情はあまり読み取れないけど、顔の上に塗られた色やストロークからは感情のようなものを感じる。」

ハイブリッド対話型鑑賞をやってどうだったのか?

参加者からはたのしんでもらえた声を沢山いただきました。
オンラインの参加者には対話型鑑賞を学んでいる方が、午前と午後にそれぞれ企画展の参加作家さんが1名ずつ参加と、贅沢なメンバーでの鑑賞会でした。

課題は現地会場とオンラインでの対話でしょうか。
今回は現地会場でスマホをZoomにつないでマイク&スピーカーとして使いましたが、現地会場/オンラインの双方に聞きづらさ/話しづらさを感じていました。

現地会場では実物を、オンラインでは画像データをと、鑑賞体験の違いを対話でつないで味わうことも多少できていたかなと思います。特に絵画と印刷のような製作方法の違いは、実物だと違いを意識しやすいが、画像データだけだと違いを意識するのが難しいのかもしれません。

あと現地会場の盛り上がりや、会場参加者が実物から何かを感じ取っているんだろうな・・・ということを感じると、現地会場にすごく行きたくなる・・・。オンライン参加者の地域来訪意欲を高める、実物を鑑賞したい意欲を高める、という点では現地会場体験に触れられるハイブリッド体験には価値があるのかもしれません。

これまでの瀬戸内アートコレクティブとの取り組み


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