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学生の時デッサン頑張ってよかったと思うこと

意外と、画力を高めるというよりは、頭の中で整理することや、手元のデザインをどう着地させるかの忍耐的なところで得るものが多かったという話です。
私は商業デザイナーなので、イラストレーターや画家のように、デッサンが直接生死を決めるような職業ではないかも
しれません。
そのわりに、デッサンは性質上、勉強に時間がかかります。私は好きでデッサンはかなり時間を割いていましたが、
・現在学生で、デッサンがそんな好きでない人
・現在社会人で、デッサンをやってなかったことをなんとなく後ろめたく思っている人
など向けに、デッサンはやっとくべきかやると仕事にどんないいことがあるのか?みたいな話です。

ちなみ、上図は10代の後半に書いたやつな気がします。実際のところ私は、工業製品より、有機物系の方が得意でした。

【支配力】見せることを学べる

デッサンは見せたいものの順番などを描き分けによって、コントロールすることができるようになります。
これが重要なものの一つだと思います。
デッサンは基本的にリアルに描くもので、なぜ写真ではいけないのか?と思う人もいると思いますが、絵描きは、とても自由にその(絵の)世界に介入できます
これが何か?
『現実より美しい世界を、自分の実力次第で描き上げることができる』
です。
映画『君の名は』で話題だった新海監督の作品なんかもそうかもしれません。
実際に光、水、緑などは美しいかもしれませんが、あそこまでいっぺんに同居することはなかなかありません。しかし、(絵や作品の)世界を支配できれば、実力があればできるということかと。

レベルが高いほどに、どんな人にでも伝わります。言葉が通じなくても。


写真も現実よりも綺麗な世界を作るために合成できますが、向き不向きがあります。ビールの缶の写真なんかは、かなり写真はいいと思います。(缶が汗をかいていて美味しそう、、、など)

ちなみに最近の有名プロダクトの図も、3Dとイラストの組み合わせでないかと思います。チリ一つ介入させずに、プロダクトを美しく見せられます。
昔(10年前):写真のいいところをいくつも組み合わせて合成

今(ここ数年):3Dモデリングでパース、物理的な反射は再現しつつ、仕上げはイラストに近い。※プロダクトの側面の穴の中などを見ると”割り切り”されているのが結構あるためです。”割り切り”とは、デッサン描く人は、皆言うと私が勝手に思っているのですが、見せる必要のないところの演出・描き込みを現実以上に下げることです。

しかし、そうした”割り切り”のような省略は、光や反射の基本的な流れなどは理解しておく上でやることで初めて違和感がないというレベルにできます。まあ、プロダクトのイメージ図などは、プロ中のプロが作ると思いますので心配無用ですが。

さらには、抽象度などのコントロールも含めると、デッサン力がある方が、より図柄を自分の支配下に置いて、作り出すことができると思います。

【忍耐力】作品を正しく積み上げられるようになる

例えば、12時間で絵を仕上げる時に、その時間配分や、時間をかけた分だけほぼ確実に良くすることができる能力です。
何が『良い』のかとなりますが、デッサンを修行しているもの同士なら、けっこうどっちがいいのかはわかったりします。意外とロジカルのものなので。
トレーニングが弱めの人は、時間かけて悪くなる。そんな時間がいらないと思う。描きすぎて画用紙に穴が開くなどがあります。私も初期は良く穴を開けてました。。
これはデザインの世界でも制作の迷宮に迷い込むことはよくありますが、デッサンの忍耐力をつけておいた方が、役には立つでしょう

【底力】骨格・パースを知った上で崩したりできる。

荒唐無稽なイラストレーションのように見えても、骨格・パースを意識したり、することで、崩壊しない。

リアルな人物画だけでなく、イラスト化、またはアイコン化を作るときでも、その構造を理解しながら行った方が、違和感なく、さらには新しい工夫も加えられる力を持つ
ということです。

これはイラストが魅力的になることと、完全なイコールではないのですが、それでも、老若男女の誰が見てもなんとなく、『着地』させることができます
プロにも必ず苦手なモチーフなどはあり、それを描いたり、デザインしたりすることがありますが、とにかくそこそこの着地へ持ち込み、生き残って、上手くなっていくものです。

まとめ

デッサンは私は好きでやっていましたが、やはりデザイナーにとっては、デジタルのこの時代でも背骨の一部になるようなものだと思います。
画家や、イラストレーターを目指すなら、背骨と心臓くらい重要かもです。
冒頭にも描いた通り、画力を得るより、デザイナーとしての底力、忍耐力を得るためには、多少はやってみてもいいのではないかと思うものでした。

実際に社会人などで学ぶ場合のヒントとなるかはわかりませんが、下記、私見です。
デッサンは、アートというより、学問に近いと思っています。やれば必ず上手くなるし、どちらかというと学力がある人の方が上手くなるのが早くなっていた気がします
イラストほどセンスはいらないし、恥じらいもいりません。なぜなら、そこにあるものをまずは描くからです。
イラストとかアートだとどうしても自分の内面、持ち味の話をオープンにしなくてはいけない(実はグロい画風だったとか?)ので、やだなと思う人もいるかもしれませんが。

学生の場合は、学校などで選択してまでやるかどうかは、進路次第ではないかなと思います。時間のかかるものなので、基礎ぐらいはやっておくと良いのではないでしょうか

つまり
『最低限はやっておくと良さそう。でも時間もかかるので、どれくらいやるかは進路などを考えて冷静に判断』
というのが私のオススメであります。
最低限ってどれくらいかなというと、、、すごく難しいですが、100時間とかですかね。※先生、トレーナーは絶対つけてください

では今回はここまで。また:)

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石坂昌也 /ブランドデザイナー

合同会社Design and Management/ CEO。OSAP, ASACメンター。世界人材サービスworld-hr.com作りました。アジアで活動。元JWT上海、DDBシンガポール、電通、DeNAなど。カンヌ金獅子受賞者。連絡:hello@d-2-m.comまで

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