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海外のデザイナーに学ぶライフワークバランス

日本のデザイナーは働きすぎで、海外のデザイナーはワークライフバランスが取れているというのは本当なのか?
比べてみつつ、何が学びなのかをさっくり整理してみます。

まず、日本の働き方は、みなさんご存知の通り、今も、天井なく働いているデザイナー、制作、広告の人々は多いと思います。
私も、特にプレ前などは、仮眠が取れるか取れないかの時期も何度も、何年も経験しました。

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『海外に学ぶデザイナーのキャリア』
『海外に学ぶ社内デザイナー競争』

海外のライフワークバランスは?

・確かに、土日働く人は少ない
撮影などが入ると当然、土日に可動もありますが、しかしかなり少なく、みな飲んだり、家族サービスなどをメインにしていました。
そのほかは、フットサルなどのアクティビティも人気だった。

・働くのは大事だが、それが一番ではない人が多い
家族は別格にしており、仕事の優先度は最重要にしてない人が多かった
です。なんとなくご飯食べたりして、雑談で聞いたのは、『単純に家族は変えはきかない。仕事はなんとかなる』という回答でした。私は納得しました。
住んでいた場所柄か、気のせいか、嫁さんが強い人が多く、土日の撮影に、嫁に怒られるから来れないと言われたこともありました(笑
その他、会社に怒った嫁さんが入って来て、旦那は働きすぎだと抗議してきたり(会社に怒っているというより、旦那にさっさと終わらせて帰って来いというよな主張)。
また、会議中に子供、赤ちゃんからチャットがかかって来ても、拒否はできないので、チーム一同対応完了まで黙して待ちます(笑

・会社内での飲みは、役職関係なく仲のいいもの同士
いわゆるハードな飲みは、好きな人だけして、親密度を深めるのもあるのですが、キャッチアップと称して、界隈の情報収拾をしている人が多いように思いました。理由は、自分がいつどうなるかわからないからです。確かに時間的な自由はあるわけですが、仕事のことを考えていないかというとそうではないと思います。

・会社で遊びにいくときは一気に、派手に
日本の会社で、社員旅行、忘年会というと、気が進まない人がいるかもしれませんが、海外の私がいた会社は待ってましたと言わんばかりの人が多かったです。
理由はすごく豪華だったりすることもありますが、会社のイベントは、ボスが用意するもので、部下側は何もしなくていいケースが多いです。
例えば、歌謡ショーを開くときは、ボスが練習してきて歌を披露します。部下は、上手くなくてもその努力に笑ったり、褒めたり
お酒も、注がれはしますが、飲めない人がいる場合は、さりげなくボスが飲んでくれます
部下は当然のように、支払いや足(taxi)のことは気にしません。ボスが払い、最後に帰るので、部下は細かい順番を気にせず帰るだけです。
正直このあたりは、日本に帰ってきたときは、アレ?、海外(上海)の方が日本よりコミュニケーションが垢抜けてるなと感じました。過度に他人のプライベートまで侵入しない、またはメリハリをつけているのです。

・過労死はないの?
なんどか聞いたことあります。新聞にも載っていました。若い人でした。
海外での働いているときに私は、デザイナーはスポーツ選手みたいだなと思ったことがあります。
野球で言うところの打席の数が決まっている状態です。残業をしても、打席は増やしてもらえず、短い文章、端的なコンセプト、絵でその場で多様な民族の人を納得・感涙させなくてはいけません。その恐怖から私は、仕事以外の時間こそ勉強や仕事をしていました
過労死してしまった若者もその延長かもしれません。
つまり、仕事の時間が短いからといって楽なわけでもなんでもなく、12時間の仕事を4時間や8時間で行わないと追い出されると言うことで、努力をすれば許されるということはない辛さがあります。

まとめ

なぜ休めるのかは、『結局、何が起こっても自分で責任を取るしかないから』というのが答えだと思います。

私がすごく感じたのは『まな板の上の鯉』感でした。なるようにしかならないし、できない。だから、そこは諦めつつ、何かが起こったら対応をしていくしかない。それゆえに何か爽やかでした。あまりその職場にこだわっても仕方がないし、まあ、今をたのしむかというムードです。

そもそも社員を取り巻く環境が異なり、考え方も変わっているということですね。

イメージとしては、日本の会社員と日本の自営業の間ぐらいに海外の会社員があると思います。

『学び』として

例えば日本の人材の流動がこれから上がってくると、制度上も簡単に切られるというデメリットが発生してくるのかもしれません
※今は、会社は社員をそうそうきれません。

ただ、ファイヤーは割と世界的には普通のことで、それらを乗り越えられるような、技術、経験、ポートフォリオのようなものを常に蓄えながら生きていくというのが、長く心身のバランスを取りながら続ける工夫なのかもしれません。
何が起こってもまあ仕方ないねって感じまた歩みを進めると言う感じでしょうか。

余談ですが、
私も海外で、入社が決まった会社に、出社する前にいきなりレイオフにされたことがありますが、『まあ、そういうこともあるよな。俺、外様だしなるようにしかならねえよな。』と言うことで、英語の勉強をしたり、国内の情報を調べたり準備をしたりして時間を過ごしたこともありました。
そして働き始め、割とまた短期でいろいろ結果を出して行ったというサイクルです。

まあ、物事なんとかなることも結構多いですから、イメトレぐらいから始めると、なかなかたくましくライフワークバランスを保てるようになるかもしれません。

また、気が向いたら、海外に学ぶデザイナーのリタイアでも書いてみようかなと思います。
では:)