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ディープテックスタートアップの見落とされた真実と3つ逆張り戦略

LexxPlussは、創業前からグローバル展開を前提にし創業した会社になります。2020年3月コロナの第一波の渦中でLexxPlussを創業しましたが、いくつかの大きなマイルストーンを達成し、そして今回、創業3年目でシリーズAとして、16.5億円の資金調達と米国事業開始の発表をさせていただきました。今の資金調達を皮切りに、有言実行するために、米国進出・拡大と、2つの3を2年で実行してい参ります。

今後2年の実施事項
・米国事業の拡大(2023年1月より)
・製造拠点3か所(生産能力20倍)
・パートナーシップ企業3倍(100社)

初めに:かつて世界を席巻した日本の製造業

私たちは、一般的に成功確率の低い「ハードウェア」と、よく無理だと言われる「海外展開」の、ある意味呪縛ともいえる、聞きなれた批判を抱えたスタートアップになります。しかし、1980年代に日本から世界を席巻した多くの企業は製造業、つまりハードウェア企業でした。LexxPlussではかつて日本が世界を席巻したハードウェアの分野において、3つの逆張りで現代のハードウェアの呪縛や固定概念をこわし、1980年代の製造業のように世界を席巻する企業になろうとしています。今回のnoteでは、私たちの実施していることをまとめました。

LexxPlussが解決したい社会課題

130万人の働き手が失われていく物流業と製造業

2021年から2030年までの間に日本の生産年齢人口は575万人減少する見込みで、全就業者の20%以上を占める製造業と物流業においては、今後10年で130万人以上の労働不足が予測されています。これは、毎年ソニー規模の会社が消えているのと同じ規模であり、生産設備の高度自動化は至上命題になっています。

そして、日本を支えるインフラであるその製造業と物流業では、電気自動車トレンド、そしてEコマース化が加速するなかで生産設備の自動化を前提にした再定義・再構築の局面にあるのです。

Eコマース化に伴い、大規模物流設備の投資が加速し、設備の大規模な自動化が前提になります。
EVトレンドを受け、既存生産設備では、柔軟性と正確性を掛け合わせた高度な自動化設備が求められています。

そして、この現象は、日本のみならず、インフレが加速する北米市場、欧州市場での同様の現象が起きており、今まさに大きな変革期を迎えています。

見落とされた真実:物流ロボットは、ググれば競合ひしめくレッドオーシャンだが、現場に行き見えてくるのは広大なブルーオーシャン

「物流ロボットは競合が多い市場ですが、勝てる見込みや競合より勝る部分は何ですか?」

この質問は、今でも、投資家、金融機関、パートナー、採用候補者から必ずと言っていいほど、聞かれます。確かに、ググると物流ロボットは山ほど検索結果に表示され、展示会に行くとあらゆる製造系の中小企業が物流ロボットを展示しています。金融機関の関係者からは、物流拠点は既に自動化し終わっている市場だ、とも言われたこともあります。

確かに、アマゾンのような一部の会社やとある作業工程に注目すると高度に自動化が進み始めているのも事実です。しかし、日本を代表する物流会社や世界を代表するEコマースの会社でさえ、その現場に足を運び現状を聞くと、共通して「自動化できていない」と答えます。

「どの作業や工程で自動化ができていないと感じているか?」
と質問すると

既存の設備で対応できない作業
と答えます

「既存の設備でできない作業は何ですか?」
と質問すると

搬送作業は、重量物が多かったり作業員と導線が被るので今までの単純な搬送ロボットでは自動化できないんだ

物流拠点では、需要に合わせて朝、昼、夜の作業が変化したり、季節によって運用方針を変えることが一般的だと言われています。その刻々と変化する環境で柔軟に搬送作業を自動化するのは想像以上に技術難易度が高いのです。LexxPlussは、物流ロボットという曖昧なカテゴリーではなく、この真実を発見し現在のビジネスの形態に至っています。

実際に「市場に存在する95%の物流拠点では、自動化設備がなくほとんどすべての作業を人手に依存している」という統計データもあります。

逆張り①:私たちはハードウェアを切り捨てない

何かを最速で成し遂げようとするためには、何かを切り捨てる必要があります。そして、日本で切り捨てる対象になりやすいものがハードウェアです。コモディティ化がしやすい、中国製のモノを買ってこればよい、収益性が悪い、そんな印象を持たれやすいのが、ハードウェアです。しかし、私たちLexxPlussは、ハードウェアを切り捨てず自社開発し製造しています。理由は私の原体験からきているのですが、

今までの経験で、物理的な自動化をしようとした際に、ソフトウェアもしくはハードウェアのみで解決できた課題は一つもなかった

からです。中国の方が安いからハードウェアを買ってきて、ソフトウェアのみを実装する、というアプローチを取る会社もありますが、これは極めて過ちに近く、課題の発見が遅れたり、他社に依存しているが故に、本質課題の解決に至らなくなるケースが殆どだと思います。

逆張り②:私たちは設計図を全公開する

私たちは、自社で開発した自動搬送ロボットの技術的設計情報、API、運用情報に至るまでのほとんどの情報をパートナーと顧客に全公開しています。こちらも多くの関係者から、「盗まれるのではないか?」「他社に製造されてしまうのではないか?」「そんなビジネスモデル成立するのか?」
など、多くの意見をいただきました。

ですが、公開をしながら提供したいのでは、「製品の透明性の担保」と「パートナー連携の加速」です。顧客課題を第一に考え、その解決を早めるためには、製品の技術のみに意識を向けるのではなく、提供の仕方や、パートナーの巻き込み方を設計する必要があるのです。その手段として、設計情報の公開を実施しています。
また、自社の成長を前提に考えるとすると、設計情報を公開し、技術改善や事業展開のループを高速に回すことで、他社では到底達成できない技術改善や価値提供が可能になり、公開することは逆説的に自社の競争力を上げることに寄与すると考えています。

LexxPlussでは、ハードウェアの設計情報やシステム連携ができるAPIを公開し、私たちのバリューチェーンを取り巻くパートナー連携を加速させいます。

逆張り③:私たちは3年目で米国事業展開を始める

私たちは、2023年1月より米国展開を開始し、現地での採用活動も始めています。「日本でのビジネスの展開もまだまだこれからなのに、今海外事業を始めてリスクはないか?」「経営資源が分断されないか?」「あと2,3年、いやIPOの後にやればいいことではないか?」

私たちはそのような意見を断ち切って3年目で米国事業を立ち上げ展開をしています。何故なら単純に今が市場の変革期だからです。

1.米国ではコロナとインフレーションの影響で、自動搬送ロボット市場が33%成長をしている
2.米国市場でフィットすれば非線形な成長が見込める
3.日本のサプライチェーンを活用しChannel Salesを活用すればリスクが低く展開できる

スタートアップを始めるとき「Why This」「Why Now」「Why You」という、なぜこの事業を今、あなたが始めるのですか?と聞かれることが多々あります。その質問を米国進出に置き換えると
「なぜ、自動搬送ロボットで今、LexxPlussが米国展開をはじめるのですか?」
という質問になります。

不確実性の高まる世界で、産業インフラである物流・製造業の持続可能性を高めるために、インフレを起こし自動化設備導入が加速するまさに今のタイミングで、搬送作業の自動化に優れたソリューションを提供できるLexxPlussは、米国進出をする

という答えになるのかなと思っています。
まだまだ、始まったばかりで様々な困難が毎日のように起きている現状ですが、歯を食いしばりながら日本の拡大と同時に米国展開を実施してまいります。

LexxPlussは、今回の資金調達を皮切りに更なる事業拡大を実施していきます。産業ロボットの分野において次世代のファナック、次世代のDensoと呼ばれるようなグローバルに代表される日本企業になります。私たちは、一緒にこの目標に向けて切磋琢磨できる仲間を募集しています!

参考リンク




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