思い出はスパカツの味
本日、依頼していたおふくろの位牌を受け取って来た。
とあるフォロワーのお坊さんから頂いた戒名、「優愛雪照大姉」と入れてもらった。
最高のものが出来上がった。おふくろも喜んでいるに違いない。
依頼した場所は、釧路市の善光堂。
店員さんがマスクをしていなかったので、私が「おっ、マスクをしていない。素晴らしいですねぇ〜」と、ノーマスクで述べた。
すると店員さんもニッコリと笑い、「有難う御座います。免疫を…ねぇ?付けなきゃいけませんからねぇ?(笑)」と返した。
ははは!この人、分かってるな。ここに頼んで正解だった。
久しぶりに、釧路の街の中を歩いてみたけど…
まぁーーー控え目に言って、死んでますな(笑)。
どこもかしこもシャッター降りちゃってまぁ…。バブルの頃のあの活気ある雰囲気はどこへやら…。寂しくなったもんだ。
以前言ったが、人口もついに帯広に抜かれてしまった。もはや釧路は、「道東一の街」…とは言えなくなったのである。
帰りはバスで帰ったが、バス停に来る人の9割が老人だね(笑)。
あーあ…どうしたもんだか。
駅のホームを一人、歩く。
ここだ。私が2度目の渡タイの際、一人で号泣した場所。カードというカードからキャッシングでぶっこ抜いて無理矢理、カネを作った。2度と帰らないと決め、冗談抜きで死ぬつもりだった。
おふくろが遠くから悲痛な声で「早く帰っておいで!早く帰っておいで!」って叫ぶもんだから…涙腺が緩んだ緩んだ。
思い出すね…。
「早く帰って来い」って言うから帰って来たのに。
…何だよ。結局、最後はあんたが俺を一人にしてんじゃんか。
なーんて、ね。そんな事を思いながら、駅の中のレストランで腹を満たした。
「なつかし館」。その名の通り、昭和のレトロな雰囲気漂うお店となっている。おやき、たい焼きなんかも買えるし、釧路名物ミートカツスパゲティ(略してスパカツ)もある。
壁にはぎっしり、若き頃の松田聖子やら近藤真彦やらのレコードのジャケットが飾っており、見ていて楽しい。
やはりここに来たら定番…スパカツを頼まずにはいられない。
ふむ。久しぶりに食うなぁ。体に激悪なのは知ってますよ〜。たまには、許してくれい!上がれ、血糖値よ!
店内に流れる美空ひばりをバックに、イタダキマス。
うーん、久しぶりに食うとなかなか美味い。でも、本当にたまにで良い…。カツが劇的に美味いかと聞かれれば、そうでもない(笑)。普通だ…でも、そこが良いのかもしれない。「変わらない味」ってやつだね。
昔はおふくろによく、スパカツを食わせてもらったっけ。まだスナックを経営していた時代。あの頃のおふくろは本当に、羽振りが良かった。
何でも好きなものを食わせてもらえた。そんなんだから私もブクブク太って、いじめられたんだろうな。
でも…あの昭和の時代も、悪くなかった。
あの頃のおふくろは、今の私の様に髪の毛を染めて、元気いっぱいだったっけ。
…やめておこう。美しい思い出や、おふくろが見せた「気まぐれの優しさ」ばかり拾い上げても、何も意味が無い。9割はクソみたいな育て方をしたし、太っていじめられがちになってからは、彼女は私を見捨てたきらいがあった。その時の事もまた、よく覚えている。
決して…決して仲睦まじい親子では無かった。一方的に愛を押し付けられ、時に自分勝手に跳ね除けられた。本当の意味で親子らしかったのは、最期の数ヶ月間だけかもしれん。
それでも…おふくろは下手くそなりに、私を愛してくれたのだよ。
やれやれ。私も人が良いというか…優し過ぎるんだろうかね。
ここだけは、親父に似たのかな?
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