プライバシーか、利便性か? 自ら個人情報を管理する時代へ

Zaiusという米国スタートアップが$30Mの資金調達を行った。Zaiusは、企業が取得した顧客データ、チャネル別の販売データを分析し、BtoCのマーケティング効果を高めるサービスを提供している。顧客のオンライン行動履歴、リアルタイム行動分析による詳細なセグメンテーション、広告のパーソナライズなどを行う。ターゲットに対して、最適なタイミングで商品のレコメンドを行うことにより、メッセージあたりの購買率が33%、キャンペーンの成果が50%も向上するという。顧客情報、個人情報を活用する事によるインパクトの大きさを改めて痛感させられる。

2018年5月から欧州で導入されるGDPR(一般データ保護規則)では、EU諸国民の個人情報を扱う際に、原則としてデータ主である個人から許諾を受けることが必要となる。影響は越境で欧州で事業を行う事業者にも及び、ターゲティング広告などを行う際などに特に大きな影響があると言われている。

個人情報に対する権利については、FacebookのCEOが米下院に招集され繰り返し質問を受けるなど、欧州のみならず米国でも関心が高まっている。事業者が個人情報を無料サービスと引き換えに取得し活用する時代から、個人が自ら情報を管理する時代への転換が始まっている。

個人は、どのように自らの情報を管理し、利用を許諾するべきか、判断を下していかなくてはならなくなる。「個人情報を守ることによる利益」と「個人情報を活用することによるサービスの利便性向上や個人情報をソーシャルメディアやシェアリングエコノミーなどで発信することにより得られる利益」とのトレードオフ関係についても、自らのスタンスを明確にしていく必要がある。

https://techcrunch.com/2018/04/12/zaius-series-b-2/

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