個性と価値のルーレット。

個性が重要視される時代になると同時に、価値のあるなしも声高に言われるようになった。

私は価値があるのか。
私の個性は価値があるのか。
個性に価値をどうやってつけるのか。

そんな悩みを持つ人も少なくない。
私も自分の価値がどう役に立つかは気になるし、どうやったら役立てられるかと考えている。

そんな相談を知人にすると、こんな話が返ってきた。

生存のルーレット

彼は言いました。
ちょっと考えてみてほしい。

まずあなたにチップを50枚渡します。
そのチップを賭けてルーレットで勝負をします。
このルーレットには1〜36の番号が割り当てられています。

さて、勝敗のルールです。
あなたのチップがなくなった時点であなたの負けです。そしてチップがなくなるまでゲームを続けてもらいます。

私は答えました。
1〜36番の部屋があって、手持ちが50枚のチップ?
それならすべての部屋1枚ずつ賭ければ負けないんじゃないん?

彼は言います。
うん、そう。

え?

続けて彼は言いました。

何が言いたいかっていうと、
チップは個性。
ルーレットの目が時代。
そして、長くゲームを続けるっていうのは人間の種の保存。

つまり、人間の種族が長い間生き残るために、多種多様な個性を生み出した。
それはどんな時代がきても、一定の人間が生き残るようにするため。
君が1〜36番、すべての部屋に賭けたようにね。

その中で、やはり失われていく個性がある。
それらは時代によっては役に立たない個性と扱われるかもしれない。
だけど、それは本質的な答えじゃない。
なぜなら、ルーレットの出目によって変わるものだから。


コスパや効率化、合理化が強い現代では役に立たないモノ、ムダなモノを排除したり、なかったことにする気概がある。

でもそれって、この先に変化はなくて、固定化されているって考えの上でないと、本当の効率化なんてできないハズなんだ。

ルーレットで言えば1〜36番にかけるんじゃなくて、決められた数字にしか賭けないってことだからね。

つまり、効率化や合理化ってのは時代の結果論であってどちらかといえば後ろ向きな考えだと思う。

その割に、変化が激しいとか言ってるんだから矛盾だらけだよね。

つまり何が言いたいかっていうと、役に立たない、無駄っていうのは後ろ向きで結果論で後出しジャンケンでいうようなモノ。
人間って後付けでそれらしい理由つけたがるからね。

実際のところ何が無駄で何が役立たないか、死ぬまでわからないし、死んだあとでもわからない。
自然淘汰ってより、自然選択に近い。


チップは個性。
ルーレットの出目が時代。

もしかすると私たちはこのゲームにおいて、間違った考えに囚われてるのかもしれない。

つまり、
できるだけゲームを長く続けるにはどうすればいいか?

ではなく、
たくさんのチップを持つにはどうすればいいか?

である。

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