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The Light Side of Christmas~ましログらし4

1 はじめに


前回の記事では、真しろの修行場でのクリスマスのお話を取り上げた。しかしそうはいうものの、やっぱりクリスマスは楽しく華やかな季節!


今回は、イングランドのクリスマスの明るい面を取り上げたい。明るい面と言うよりも、日本のクリスマスとどんな違いがあるのか、具体的なエピソードから紹介する記事になりそうだ。


2 修行場でのクリスマスイベント


真しろの修行場(エセックス大学)では、12月に入ると少しずつクリスマスパーティーが開催されるようになる。真しろはその中でも3つのパーティーに参加した。ここでは、そのパーティーで発見した2つのことについて紹介したい。


まず、参加したどのクリスマスパーティーでも必ず目にした物がある。それはチキンでもクリスマスツリーでもケーキでもなく、ミンスパイと呼ばれるお菓子だ。ミンスパイは、イギリスのクリスマスに欠かせないお菓子らしく、パイ生地の中にドライフルーツとスパイスのきいたジャムのようなものが入っている。片手に乗るぐらいの小さなお菓子だが、1個食べるとかなりボリューミーで、何個も食べられるようなお菓子ではない。真しろは、最初その味が新鮮だったので、「好きかも!」と思って食べていたが、何個か食べているとすぐに飽きてしまった。加えて、パイ生地の中に入っているジャムが少し癖の強い味なので、イングランドの人でも苦手な人は多いという。ミンスパイは、『ハリーポッター』などのイングランドを舞台としたお話にもちょくちょく登場しているようだが、今回初めて食べたので貴重な体験となった。
写真は参加したパーティーで振る舞われたお菓子だ。


皿に乗ったミンスパイとブラウニー。


もう1つは、日本のクリスマスについてのイングランドの人たちの捉え方が少し予想外だったという話である。今回参加したクリスマスパーティーでは、必ずと言っていいほど、クリスマスにまつわるクイズ大会が行われていた。そして、日本のクリスマスに関する問題も出題されたのだが、その問題の内容が、「日本のクリスマスで最も日本人が利用するファストフード店は?」というものだった。それがある1つのクイズ大会で出されるだけならそんなに驚かなかったのだが、2つのクリスマスパーティーのクイズ大会で出題されたので、かなり驚きの内容だった。ちなみに先ほどのクイズの答えは、ケンタッキーフライドチキンである。


もちろん日本ではクリスマスにケンタッキーのチキンを食べる人が多いかもしれないし、CMも盛んに放映されている。しかし、こんなにもイングランドのクリスマスパーティーのクイズのネタにされるということは、「日本人はクリスマスにケンタッキーを食べる。」というイメージがイングランドの人たちの中に根付いているからではなかろうか。それを間違いとは言わないが、日本人はそこまでクリスマスにケンタッキーを食べないということは、その問題が出題されるごとに、イングランドの修行仲間たちに説明しなければならなかった。これがいわゆる、ステレオタイプというやつで、日本人だって欧米の人たちに対して、事実から誇張されたステレオタイプをきっと持っているのだろうと改めて気づかされた。


3 孤独はパーティーで紛らわすべし


前回の記事で、クリスマスは孤独との戦いであると書いたが、その孤独を乗り越える最善の方法は、、修行場に残っている学生たちとパーティーを開くことだ。上に書いたクリスマスパーティーというのは大抵クリスマス前に終わってしまうので、クリスマス当日周辺は暇で寂しくなる。そこで、恋人もおらず家族とも遠く離れ、一緒に旅行するほどの友人もいない、いわゆる、「クリぼっち」が集まってパーティーを開くのだ。真しろが参加したパーティーは、日本人しかいなかったので、日本料理を作ったり、好きなお酒を飲んだりして楽しんだ。寂しく、寒く、何もない夜だとしても、同じ言語を話せる仲間と鍋を囲んで集える時間は幸せなものだというのを改めて実感したとともに、派手な飾り付けや普段しないことをするよりも、そういうささやかなクリスマスのほうが自分は好きなのかもしれないという発見を得られた機会でもあった。


4 ロンドンの年末年始



ヴィクトリア駅周辺

幸いにも、真しろは年末年始にロンドンに行く機会を得た。ロンドンは、修行場のある町とは違い、ストライキの影響はある物の、観光客が多いので、年末年始も大賑わいであった。その中でも今回は2つのエピソードを紹介する。


まず、ロンドンにはクリスマス限定でオープンする遊園地、Winter Wonderlandがある。この遊園地は、Hyde Park内にクリスマスの時期限定でお目見えするもので、移動遊園地とはいえ、ジェットコースターやメリーゴーランド、観覧車などがあり、雪や氷を使ったワークショップも楽しめると言う。真しろが訪れたときはあいにくの雨だったので、ジェットコースターを1つと観覧車しか乗らなかったが、小さなジェットコースターも迫力満点なので油断は禁物だというのが正直な感想だ。クリスマス限定ということもあって、園内は家族連れやカップルで賑わっていて、観覧車はクリスマスデートを楽しむカップルたちの聖域となっていた。イングランドにはディズニーランドがないので、クリスマスに楽しめるテーマパークはここぐらいしかないのだろう。


Winter Wonderlandに関する情報はこちらから。

https://hydeparkwinterwonderland.com/

もう1つ紹介したいのはロンドンの大晦日だ。真しろは、年が変わる瞬間のロンドンの町がどんな雰囲気かを確かめるべく、真夜中のロンドンを散歩してみた。すると、0時が近づくほどに駅前の広場に人が増え始め、0時になると、鐘が鳴って花火が打ち上げられた。花火はそれから1時間近くあちこちで打ち上げられたが、多くの人々は、Happy new year! と叫びながらハグをしあったり、お酒を片手に騒いだりすると、日付が変わって10分もしないうちに三々五々解散していった。ロンドンの大晦日、そしてお正月は思った通りとてもあっけなく、年が変わる瞬間だけ大盛り上がりするというのがいつものことらしい。とはいえ、やはりどこにいても、年が変わる瞬間にみんなでカウントダウンをする独特の緊張感や熱気が変わらないことが分かっただけでも収穫であった。


5 Song for You


今回のSong for Youでは、竹内まりやさんの『すてきなホリデイ』を紹介したい。この曲は、記事で熱く語ってしまったケンタッキーのCMで使われていた曲である。毎年クリスマスがやってくるたびに、「クリスマスが今年もやってくる!」と口ずさんでしまう温かい歌だ。ほぼ1年後にはなってしまうが、今年も暖かいクリスマスが訪れますように。


ご視聴になりたい方はこちら。


https://open.spotify.com/track/42KsMmJ8sbWrfy6WMNWySo?si=7ELB5uCcQjWd0ZfpN5w5hw

6 おわりに


イングランドのクリスマスについて紹介してきた記事も今回でおしまい。いつまでも冬休み気分ではいられまい。今回のクリスマスで改めて、クリスマスは異文化を体験するのにもってこいのイベントなのだなということがはっきりした。


今年もまた、面白い発見のプレゼントが、真しろを、そして世界を待っている!


それでは今日はこの辺で。Have a nice day!


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