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JリーグオタクOLがBリーグファンになってみて。

 Jリーグの鹿島アントラーズを本格的に応援し始めて約7年。コロナ禍前は年間20試合以上スタジアムで観戦していた。一人観戦・一人遠征もお手の物。スタジアムに行かない日はDAZN観戦、試合が終わればアントラーズ以外のハイライトチェックも余念なく。そんなJリーグオタクOLが20-21シーズン、見事Bリーグの千葉ジェッツファンになった。もちろん、プロスポーツの"ハマり方"は、Jリーグでしっかり習得済みだったが、1シーズンしっかり見たBリーグがわりと衝撃だったので、ゆるくまとめてみようと思う。
 まず簡単に私のパーソナリティを。兵庫県出身、東京在住8年目。バスケプレー歴3年、ハンドボールプレー歴7年、鹿島アントラーズサポーター、クラブも好きだが、Jリーグが好き。学生時代はJリーグ関連のインターンをさせてもらった。現職はSaaS製品のカスタマーサクセス。幼少期、プロスポーツチームは、父親がテレビで見ている阪神タイガースしか知らなかった。そんな私がJリーグを好きになった経緯は、こちらに書いたので割愛する。バスケ経験が多少あるので、ルールや試合展開はインプット済。主な要素はこんな感じ。

プロバスケットの第一印象

 コロナ禍における自粛生活、サッカーだけでは飽き足らず、DAZNでBリーグを見始めた。社会人になってから、熱心な千葉ジェッツブースターの先輩に連れられて何度かアリーナには訪れたことがあったが、解説を聞きながら試合を見るのは初めてに等しかった。
 まず最初に思ったこと、用語が難しい。スティール、アウトオブバウンズ、エンドワン・・・私がバスケやってた時そんな用語あった??という用語だらけ。3試合くらい、検索しながら見ればほとんどの用語は覚えられた。それから、実力差のあるチームの試合で下克上(サッカーでいうジャイキリ)はほぼ起きない、ということもわかった。サッカーみたいに1点取ったらドン引きの塩試合に持って行く、とかできないもんね。そして当たり前だけれど、シュートがめちゃくちゃ入る。ディフェンスのプレッシャーがないシューティングを見ていると、気持ちいいくらいによく入る。サッカーもハンドボールも、無人のゴールへなら、素人でもほぼ100%シュートが入る。でもバスケは練習しなければ無人のゴールへさえも、シュートを入れるのは難しい。シュートが入るたび、選手の努力が透けて見える。バスケット選手、かっこいい。これが、数試合Bリーグを見て感じたプロバスケットの第一印象だ。

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(写真)2018-19シーズンファイナル アルバルク東京vs千葉ジェッツ
実は18-19シーズンのファイナルも、横アリにお邪魔していた。このときは千葉ジェッツの応援というより、イベントを見に来た、という気分だった。

バスケットというスポーツ、面白いぞ?

 千葉ジェッツの試合を中心に、十数試合と観戦数が増えてくると、倍近く得点して勝利できる試合、拮抗した試合展開で1点差やオーバータイムに突入する試合、点差をつけられて敗れる試合、などなど様々な展開を見ることができた。ここで私が感じたのは、バスケの競技性、面白さを何もわかっていなかった、ということだ。中学時代、年間350日くらいバスケをするチームにいたものの、スタメンを張るような選手でもなく、ただなんとなくバスケをしていたのかもしれない。
 選手は一人当たり5回ファウルをすると、ファウルアウトといってその試合には出られなくなる。攻守においてこのルールをうまく利用する場面が多い。数ポゼッション差で迎えた試合終了間際、負けているチームが少しでも攻撃のチャンスを得ようと、ファウルアウトぎりぎりを狙って逆転を狙うゲームは最高に頭を使うし、最高に面白い。また、試合終了数秒前、3点差で負けているときにフリースロー2ショットを得た場面。1ショット目を決めた後、2ショット目はわざと外して、2ポイントや3ポイントを撃って逆転を狙う。シュートによって点数が異なる特性を活かした戦術も頭を使って最高に面白い
 そして、タイムアウトを取るタイミングと、選手交代はヘッドコーチの腕の見せ所だ。タイムアウトを境に試合の流れががらりと変わることがある。タイムアウト中にどんな指示を出しているのか、とても興味深い。選手交代は何回でも何人でも可能だ。ディフェンスの重要な局面では、背の低いポイントガードを下げて、背の高いパワーフォワードの選手を投入する。他にも、今の私の知識では文章に起こせない面白さがいくつもあった。正直、競技性の面では長年見ているサッカーよりも、好きかもしれない。
 ここまで難しいことをいろいろと書いてきたが、単純にシュートがたくさん入るところももちろん面白い。Bリーグでは、体感では各チーム1試合60~80点ほど得点が入っていた。単純に2で割っても1試合に30回はボールがリングを通り抜けている。これだけ点が入ったら1点にそこまで喜ばないでしょ?フットボールファンの私はそう思っていた。それがなんと、好きなチームができると得点一つ一つが嬉しいのだ。毎回ガッツポーズ、拍手をしてしまう。試合の所用時間はおおよそ2時間。2時間に30回も本気で喜べるのだ。

ビギナーに優しいBリーグ、ありがたい

 そして、数試合アリーナを訪れてみて感じたことは、観戦ビギナーを誘いやすい。なんといっても天候に左右されない点がありがたい。せっかくの面白い試合も、大雨、雪、暑い寒い・・・天候の印象が勝ってしまうとリピートには繋がりづらい。さらに、アリーナ環境を駆使した演出。試合前の盛り上がりはライブ会場のよう。特に千葉ジェッツのホーム、船橋アリーナの演出はかっこよすぎて鳥肌がたった。(ジェッツはチアに男性のドラマーもいるのがかっこよくて好きだったが、引退されるそう。)

 そして、基本着席必須かつコートのすぐそばから客席が設置される。そのため、前の人が跳ねて応援していたり、席が遠かったりで試合があまり見えなかった、ということはない。応援の主導もクラブなのでゴール裏を陣取る応援団も私が見る限りはいなかった。基本的にブースター間のバチバチした雰囲気はなく、相手選手や審判への文句が客席から聞こえることは少ない。(会場は常に音響がなっていることもあるかも)そんなこんなで、環境面では、とってもとっても、ビギナーを誘いやすい。チケットを取るのもリーグ共通のアプリから数分で完了だ。アリーナ内で食事が取れないところと、コロナ対策で減席してる分チケット代が高いところくらいは目を瞑れる。実際にサッカー観戦仲間を、近場のサンロッカーズ渋谷の試合に誘って見に行ったが、また行きたいと言ってもらえた。次はぜひ船橋アリーナに連れて行きたい。

千葉ジェッツの魅力はこちら

 さて、ここからは1年間応援してきた千葉ジェッツについて。バスケは、コートに立つ全員で攻撃と守備をこなす。1試合見ていれば必ず全員の活躍ポイントがある。また、ベンチ入りしている選手全員のプレーを見る機会も多い。これらもバスケのいいところだ。本当は1年間見てきた一人一人の印象や特徴を語りたいところだが、チームキャプテンの富樫勇樹選手、私の推し西村文男選手、そして千葉ジェッツというチームについて書いていきたい。

富樫勇樹は言わずもがな、日本を代表するポイントガードだ。バスケに詳しくなくても知っている人も多いだろう。身長は167cm、もちろんリーグ最小だ。この身長を補うのは卓越したシュート力、スピード、ゲームメイク能力だ。私もBリーグを見始める前から知っていた数少ない選手だが、噂に聞いていた以上にすごい選手だった。

高校時代はアメリカでプレー、日本代表の中心的存在。5年連続Bリーグベストファイブに選ばれる、日本人初の1億円プレイヤー。これだけ漫画の主人公要素が詰まった選手もいないだろう。それでいて、整った顔立ちに飾らないお茶目な性格。まだ彼の欠点は見つからないが、きっと欠点すら愛される存在なのだろう。これからも、千葉ジェッツを、日本バスケ界を盛り上げて欲しい。

↑浦和レッズ・槙野選手とも絡んでます

 そして1年間Bリーグを見てきて、見事推し選手となった、ポイントガード西村文男、通称ふーみん。バスケの名門東海大学出身の34歳。毎回「ベテラン、燻し銀」と実況者に言われることに少々不満(?)らしい。千葉ジェッツのポイントガードといえば、富樫勇樹というイメージは強いだろう。スタメンを張るのは富樫だが、ベンチに西村がいる安心感。富樫のシュートタッチが悪い時、交代で入った一本目のシュートを決めて流れを取り戻す。富樫にファウルが重なれば、ディフェンスを落ち着かせる。試合の流れを読んで、求められるプレーが確実にできる選手だ。

彼がスリーポイントラインから放ったボールが弧を描き、リングに吸い込まれるまでの一瞬の静寂、その後に響く乾いたネットの音がクセになる。そしてゴール下に通すパスはいい意味で変態。サッカーファンはぜひ、サイコパス要素を抜いた西大伍(現・浦和レッズ)を想像してほしい。2匹の愛犬と独身貴族を満喫し、自身のアパレルブランドを持っていたり、趣味のゲームを実況配信したりと、バスケ以外の活動も充実しているようだ。これからもバスケにファッションにゲームに、多方面の活躍が楽しみだ。

 千葉ジェッツは正式名称を千葉ジェッツふなばし、船橋市をホームタウンとして活動している。会社の先輩がブースターで、何度かアリーナに連れて行ってもらい、自然と応援するようになった。富樫選手や西村選手以外にも、魅力的な選手が多く在籍する。選手やプレー以外のところで私がお気に入りなのは、船橋アリーナを飛行機に見立てている点。ティップオフ時の掛け声は、「テイクオフ」、チアの呼び名はクルー、衣装もCAを意識したデザインだ。アリーナの演出も迫力満点。この世界観をもっと体現できる1万人規模のアリーナができればいいな、と思ったりする。そしてマスコットのジャンボくんはめちゃくちゃかわいい。短足の5歳児なのにダンスはキレキレ。Mascot of the Yearは殿堂入りしたらしい。

 なんといっても今年は優勝をアリーナで直接見ることができた。3度目の正直。長く在籍した選手や、長年のブースターは喜びもひとしおだっただろう。ファン1年生の私は、感動の場に立ち会わせてもらえた、という感覚だ。チャンピオンシップの試合を見るだけでも、Bリーグが簡単に優勝できるリーグではないことがわかる。これから、多くのライバルと優勝を争う姿に一喜一憂できると思うととっても楽しみだ。

 そんな千葉ジェッツは先日リブランディングを発表した。バスケ界は、他のメジャースポーツに比べグラフィックや演出にこだわっている印象が強いが、千葉ジェッツはそのなかでもグッズ開発やブランドイメージ作りに積極的だ。リブランディングのタイミングで発表されたグッズも、「そういうやつが欲しかった」となるものばかりだ。リーグでの結果ももちろんだが、ファンやブースターに対する取り組みもとても興味深く、楽しませてもらっている。

来季はもっと楽しむぞ!

 1年間Bリーグを見てきて感じたことはざっとこんな感じだ。オフシーズンはJリーグの中断期間とも重なっており、数ヶ月の間は試合を見る機会がほとんどない。とりあえず西村選手のアパレルのポップアップに行ってみようと検討中。来季はもっとバスケのルールを理解して、さらに楽しめたらいいなあ、という所存です。新型コロナが落ち着いて、満員のアリーナで見られますように。

追伸:優勝の立役者、セバスチャン・サイズ選手が、2度も優勝を阻まれたアルバルク東京へ移籍した。ながーい手足を活かしたプレーが魅力だった。
対戦を楽しみにしています。ありがとう。


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