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インスピレーションは直観とは対極のもの

インスピレーションと直観は、似たようなものと思われるけれども、実は全く異なると精神医学研究者のイハレアカラ・ヒューレン博士は言います。直観は、過去の記憶の再生から来ているものなので、インスピレーションとは対極のものだと言うのです。

千葉大学脳神経科学元教授の岩立康男さんによると、直観は、無意識の中に蓄えられた意味記憶同士が新しい結びつきを形成したときに得られるものです。

すなわち、長期記憶は陳述記憶と非陳述記憶に分けられ、陳述記憶はエピソード記憶と意味記憶に分けられる。ここで、意味記憶は「物事の意味を理解した記憶」のことであり、形を成さない「概念」のようなものである。この意味記憶は一部を言語化することができるけれども、その全貌は無意識の中にあって、無意識の中で働いており、意味同士に新しい結びつきができたとき、直観として降りてくる。

一方、ヒューレンさんの言うインスピレーションは霊力であり、神聖なる存在(Divinity)からやってくるもので、この世に存在したことのない初めての情報として現れるもの、宗教的もしくはスピリチュアルな概念です。

直観もインスピレーションも顕在意識外から得られる情報であるので、これらの区別をすることは困難ですが、直観はこれまでの苦労から得られるものであるのに対して、インスピレーションは記憶をクリーニングすることにより苦労なく得られるものだとしています。

記憶をクリーニングしたらインスピレーションが得られるのだとしても、直観は無くなってしまいそうですね。この点を、ヒューレンさんはどのように考えているのでしょうか。


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