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【レシピ】トルクメニスタン男子が大好き・ピリ辛ミートパイ、フィッチ

フィッチ(Fitçi)はトルクメニスタンで食べられる小型のミートパイです。サクッとした生地を噛んだら肉汁があふれ出す、丸かぶりできるサイズです。軽食として特に若い男子に人気があり、トルクメニスタン滞在中は若い男子であった私もはまっていました。

トルクメニスタンの人はあまり辛い料理を食べる習慣がなく、ピリ辛といってもほんのちょっと唐辛子の風味を加える程度です。唐辛子が入っていないお店もあります。

勤めていた大学の裏にフィッチ屋があり、冬はお昼ご飯によく食べました。学生たちとみんなで日本式のじゃんけんをして負けた人が買いに行った(寒いので)のもいい思い出です。

フィッチと言えばダシュオグズ州(Daşoguz welaýaty)のグバダグ地区(Gubadag etrapy)のものが有名で、トルクメン人にグバダグと言えばフィッチと返事が返ってくるほどです(やったことないけど)。そんなグバダグ・フィッチを味わえるお店がアシガバットにもあり、私たち夫婦はよく通いました。決してきれいな店構えではありませんが、味は格別、いや、別格。店員さんとも顔見知りで、グバダグ出身の兄ちゃんが迎えてくれたものです。まだ続いていればロシアバザールの噴水の下(右側)にあるので、アシガバットを訪れる機会がある人はぜひ行ってみてください。もちろん可能であればグバダグにも。

今すぐトルクメニスタンに行けない、そんな方は家でフィッチを作って食べてみましょう。日本で手に入りやすい道具や材料を使ったアレンジレシピを公開いたします(トルクメニスタンで作っていたレシピもわかるように書いています。)。

フィッチレシピ(15個)

材料

【準備するもの】

・タルト型(直径12cm)

※トルクメニスタンでは14cm程度の型で作られるのが一般的。今回は100円均一で手に入り、食べやすい12cmを使用。14cmより大きいと食べにくいのでお勧めしない。焼いている間に次の準備をするため、オーブンに入る数の2倍そろえておくと便利。

【生地】
・薄力粉 500g
・サラダ油 大さじ2
・塩 小さじ2
・水 300ml

※トルクメニスタンの薄力粉は強力粉と薄力粉の間くらいなので、こだわりたい人は1:1の割合で混ぜてもよい。薄力粉でもよくこねれば不要。

【タネ】
・羊または牛ひき肉 600g
・たまねぎ 2個
・塩 大さじ1
・胡椒 小さじ2
・水 120ml

※トルクメニスタンでは牛脂ではなく、羊のしっぽの脂を入れるが、このレシピでは牛脂で代用。牛脂は好みに応じて入れなくてもよい。個人的には豚と牛の合い挽きでもおいしいと思うが、イスラム教のトルクメン人はシャシリク以外で豚を食べる機会はないため中央アジア感を楽しみたい人にはお勧めしない。

【その他】
・サラダ油 少々(タルト型に塗るため)
・牛脂 少々(タネを生地に詰めるときに使う)
・唐辛子(できれば生、なければ乾燥も可) 8本(タネを生地に詰めるときに使う)

1.玉ねぎ2個をみじん切りにして、塩大さじ1、コショウ小さじ2を加え混ぜる。その後、ミンチ600g、水120mlを加え、さらに混ぜる。(タネの準備完了)

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2.小麦粉500gと水300g、サラダ油大さじ2を混ぜて、生地をこねる。生地をまとめるのに小麦粉が少し足りないので、小麦粉を足しながら生地をまとめる。

※あまり小麦粉が多すぎると焼いたときに生地が固くなってしまうので、まとまるギリギリのところで小麦粉を足すのをやめる。

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3.生地を20等分にして直径12cmよりも大きくなるように2-3mm程度に広げる。生地は焼き上がりがもっちりが良い人は厚め、さっくりがいい人は薄めにする。ただし、透けて見えるほど薄くすると破れてしまうので注意。一個のフィッチに対して2枚必要。 

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4.タルト型に一枚の生地を乗せ、タルト型の隅にフィットするように敷き詰める。

※きちんとタルト型の隅まで生地を敷き詰めないと薄っぺらい仕上がりになってしまうのでここは重要。

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5.1で準備したタネを敷き詰め、上から鷹の爪を半分にしたものと牛脂を好みで乗せる。(私はスーパーで無料でもらえる牛脂をスライスして2枚乗せた。)

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6.上からもう一枚の生地を乗せて蓋をする。上から綿棒を転がし、はみ出た生地を取り除く。はみ出た生地はまとめて再度使用する。

※あらかじめ生地を20等分したものからフィッチ10個分、余った生地から5個分できる。

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7.フォークで5箇所程穴をあけ、表面に水を塗る。

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8.250℃に熱したオーブンで25分~30分焼き、表面がきつね色になり、淵から生地が離れてきたらできあがり(家庭用オーブンレンジの時間ですので、本格的なオーブンをご使用の場合は焼き加減を調整してください)。

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唐辛子の風味は十分フィッチについているので、そのまま食べると辛い人は食べないように注意する。サイズが大きい場合にはスプーンで食べたりするが、12cmの場合は肉汁がこぼれないように熱々を手でつかんで食べてみよう。

Işdäňiz açyk bolsun.(トルクメン語で)「召し上がれ。」