見出し画像

長くいるだけですごい?

どれくらいメルボルンにいるんですか?

20年くらいかなぁ。

えぇー、すごい!!


こんな会話が繰り返される。


確かに長くいる。

そろそろ人生の半分。


それは仕事があり、家族がいて生活しているから。

その1日を生きて、それが積み重なり1ヶ月となり、そして1年となる。

そして気がつけば20年。


でも感想を言えば住んでしまえばどこでも同じ。

結局生きていくために働いていて、生活していかないといけない。


たまたま場所がメルボルンだったというだけ。

朝から晩まで働いて、家のローンを払って、家事をして育児をして。

どこに住んでいてもあまり変わらないような気がする。


例えば大阪にどれくらい住んでいるんですかの答えが20年でも誰も驚きもしないだろう。


確かに日本で生きていた時よりは乗り越えないといけないことはあった。

ビザや言葉、習慣など。

でもそれはそんなに大したことではない。

すごいって言うようなものではない。


僕から見れば他のことの方がすごいと思う。

日本の大学入試とか。

会社の新人研修とか。


でも、確かに自分を振り返ってみた時に同じようなことを言ってたなと思った。

まだまだ来たばかりの頃、長く住んでいる先輩との会話で同じようなことを言っていた。

その時はまだまだ先は長いなぁと思った。


もちろんすごい人もいる。

高度な資格や技術をお持ちの人。

会社経営者。

それは日本でも同じ。


海外にいるから自分が日本人であるということを意識する瞬間が増える。

会話の端々でそういう話題は出てくる。

日本にいればそういう機会は少ない。

そういう機会が持てるということにおいて、海外に出てみるのは良いと思う。

新しい視点が加わる。

離れてみると良い面悪い面がよく見える。

良いところを伸ばして悪いところを改善していきたいものだ。


そういえば昔、色んな人に日本のことを聞かれて、その度にI don't knowって言っていた。

本当に日本のことを何も知らなかった。


世界一住みやすい都市の上位にいつもランクインしていたメルボルン。

そんな街で生活ができてラッキーだった。

他を知らないので比較はできないが住みやすいんだろう。

これに対しても新しい目線が必要かもしれない。

他都市に住んでみる。

今の状況を深く理解するためには。


メルボルンは本当に様変わりした。

昔のようなおっとりしたフレンドリーなメルボルンはほぼ消滅した。

物質的に豊かになり、街を走っていたオンボロ車は姿を消し、街にはマンションが乱立し、朝から晩まで人でいっぱいだ。


そういう成長する過程を見れたことは良かったかなと思う。

そしてさらにたくさんの人を魅了して人が集まってくる。

成長している都市ならではであって、衰退している場所ならそうはならなかったんだろう。


そして心境的にもう一つ面白いなと思ったことがある。

日本に行くことを帰国と表現することがしっくりこなくなったこと。

自分の生活のベースはここにあるわけで、場所としての日本との距離感が随分あるように感じる。

日本人とはよく会うので日本の社会と離れているわけではない。

居場所としての日本が自分の中にあまり無い感じがする。

日本は便利だし楽しいけどつながりのようなものをあまり感じなくなってきている。


歳を重ねるごとに以前には考えもしなかったことや思いが次々と出てくる。


次は何が出てくるかにワクワクしつつ今日もこの場所で生きていこう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?