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9/6 massmasscafe イベントレポート これからの時代の“移住学” | 【PICK UP】SMOUT主催 event 来週ありますー

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毎月第一金曜日(First Friday)に定期開催しているのがマスマスカフェ。

これまでに100名ほどのゲストをお招きしながら、あたらしい価値観やあたらしいサービスを生み出している起業家やプロジェクトリーダーが集うナイトイベント。“これからの時代を生き抜くためのヒント”を探るイベントとして開催しています。

先日の9月6日(金)は、茨城移住計画株式会社カゼグミの鈴木 高祥さん、株式会社カヤックLIVING パートナーマーケティング マネージャー名取良樹 さんのお二人をお招きして開催しました。

カヤックLIVINGが目指す未来


働き方の多様化が進み、インターネットを使った仕事であれば暮らす場所に縛られない働き方を選ぶ人たちも加速度的に増えている時代。
ライフプランの中で移住という選択肢を選ぶ人たちも増えてきています。

まず最初は、鎌倉を拠点に活動している面白法人カヤックのグループ会社の1つである株式会社カヤックLIVINGのパートナーマーケティング マネージャーの名取さんから、まずはカヤックという会社がどんな企業なのか?地域との関係性をどのように考えて事業を行なっているのかを、シェアしていただきました。

株式会社カヤックLIVING:暮らしの多様化と地域資源の最大化を目指し、地域をフィールドとする創造的な住まい方や暮らしの発信と、地域における住まいや仕事の情報提供をおこなう。自分らしい住まいづくりをサポートする「SuMiKa」を運営。

名取さん 「 僕らの会社は、鎌倉という場所に本社を置いています。カヤック自体はコンテンツ制作やゲーム制作を行う企業でなので、本来であれば東京に場を構えた方が断然効率がいいんです。
そこをあえて、鎌倉を選び、鎌倉のローカル企業として存在することで、鎌倉という街に貢献できるし、逆に鎌倉という街から助けてもらえる関係性を選んでいます 」

最近では、“まちの社員食堂”  “まちの保育園” など、地域の小規模事業者と連携して、一社では作れない付加価値を生み出していく事業も進めていたり、カマコンバレーと呼ぶ鎌倉で暮らす人たちが“まちの課題”に対して、ブレストを行い、プロジェクトを生み出していく仕掛けづくりなど、様々な活動を行なっているそう。※連結で400名くらいの人たちが鎌倉で働き、地域に圧倒的な雇用を生み出している。

名取さん 「 その中で、カヤックLIVINGでSMOUTSuMIKAというWEBサービスを展開しています。今日は移住というテーマなのでSMOUTを中心にお話していけたらと思っています。SMOUTは、全国各地の小さいけれど魅力溢れる自治体と移住や、今とは違ったライフスタイルを求めている人たちを繋げるサービスを展開していて、現在6,000人の方々に登録いただいています。昨年サービスとしてはオープンしたので1年と少し経っている中で、数多くの自治体の方々のご紹介をさせていただいています」

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RE : BARAKI | 茨城移住計画 


次に茨城移住計画・カゼグミの鈴木さんから、今行なっている活動についてシェアしていただきました。

茨城出身で大学から東京・神奈川にゆかりがあり、ここ数年は横浜を拠点に活動をしてきた鈴木さん。シブヤ大学を通じて、様々なソーシャルな課題をどうやって多くの人に知ってもらい、アクションのきっかけを作れるのかを考えるようになり、Think the Earth推進スタッフ、慶應義塾大学大学院SDM研究科研究員、一般社団法人WorkDesignLabパートナーなど、さまざまな顔を持ちながら、多数のプロジェクトに携わって来られています。

RE: BARAKI
茨城県への移住定住を支援するポータルサイト。茨城の魅力的なヒト・コト・バをはじめ、空き家バンク、移住支援策などの情報を発信します。

鈴木さん 「 茨城って僕も出身なので思うんですけど、意外に外に発信する魅力を言語化出来ていないんですよ。コンテンツを持っていないというか。RE:BARAKIのプロジェクトに関わり、はじめるにあたり、そのあたりをきちんと伝えていこうと。すでに沢山の事例があるのを地元だからこそ知っていたし、丁寧に伝えて行こうと。なので今は情報発信にも力を入れています」

「また、オフサイトミーティングと呼ばれる、企業の合宿地として選んでもらえるようなプログラムのアテンドや、茨城未来デザインプロジェクトとしてif design projectの事務局を担っています」

また、鈴木さんの課題感として

鈴木さん 「 最近移住に携わる側として意識しているのは、“関係人口”という言葉ですね。事務局側や自治体側はこの言葉を使いがちなのですが、移住を考える人たちからすると、その言葉はあまり意味がないはず。自分が暮らしたい街と出会いたい人たちと、その自治体とが出会う場の関係性を丁寧な言葉で表現していきたいと思っています」

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地域の仕事について

後半は、マスマスの森川を交えてのトークセッション。

もりかわ 「 今日の会場にいらっしゃってる方々の半分は、実際に移住を検討している方々ですよね。ネックになってくるのは、移住先の仕事。仕事があるのかないのか、その部分がみなさん心配かなと、お二人から見て地域のお仕事事情はどうでしょうか? 」

鈴木さん 「 ありますよ! でも、よく見受けられるのは地域に当てはめようとするとオーバースペックで、どうしよう。というのが多いかもしれないですね。東京で大手のディベロッパーで働いている人が、ローカルのファミリー企業の設計会社や工務店で働くには、スキルが全然違うんです。例えば模型を作る能力がものすごく高くても、ローカルでは職人さんとうまく現場で調整して納めるとか、電話での営業とか細かいやりとりが求められる。基本的な役割が全然違いますから 」

名取さん 「 僕もSMOUTで数多くの自治体さんとお話する機会ありますけど、地域に仕事はいっぱいありますね。溢れていると言っていいくらい。でも、地域で必要とされる “ 仕事 ” がそのまま、移住者がやりたい!やれる!というわけでもないのかなと。現時点で、担い手が少ないから人手が足りないのであれば、何らかの原因があるはずです。それを認識して、変えていかないと。同じことの繰り返しになりますから。

なので、カヤックLIVINGでは、自治体の方からSMOUTを通じて仕事を紹介する際に、必ず自治体の方の原稿をレビューさせてもらってます。今の人たちがどんなライフスタイルを送っていて、どんな暮らしを描いているのか、その視点から原稿の手直しをしていますね。そして、仕事のフレーム自体も解体して、あたらしい仕事として形にしてしまうこともあります。

そうすると、副業をいくつか持ちながら地域で暮らしていくことができるので、移住する人もさまざまな経験をしながら、地域に溶け込んでいけます。1つだけに絞るのは、気持ちの逃げ場がなかったり、壁にぶち当たりやすいというのもあるかと思いますね 」

鈴木さん 「 あと、少し別件ですが、最近の課題感としては地域での “起業ハラスメント” 。地域おこし協力隊とかでも、3年経って何がなんでも起業させるみたいな、未来を描かせるというのは良くないなと。都市部でも起業の成功率って、そんなに高くない中で人もお金もないローカルでビジネスを成功させるって、本当はむちゃくちゃ難しい。自治体や事務局側としては、事業承継の道筋を作ってあげるとか、スムーズな地域・ローカルでの仕事づくりをサポートして行く必要があると思ってます 」

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実はローカルで出来ることって自分の中にすでに一杯あるんですよ。 それに気がついていないだけ。


もりかわ 「 今は地域おこし協力隊の制度だったり、SMOUTで行なっているようなツアーという形で、最初は観光のような形で興味のある地域との関係をつくることができる時代ですよね。とはいえ、移住という決断はハードルが高いと感じます。そのあたりの、準備でできることってありますか?」

鈴木さん 「 うーん、いきなり移住を決断できて、すんなり移住できるのは手に職を持っている人くらいですよね。多くの人の話を聞いていて思うのが、自分にできることが少ないと思っている人が多い。でも東京で営業事務をバリバリやっている女性がいたら、それだけで地域のさまざまな仕事を担える処理能力持っていると思うんです。地域のNPOや行政でも働けるでしょうし。

ただ自分自身が、自分の能力に気がついていないことが多いかなと。だから、いきなり移住促進センターに訪れる前に、身近な人が主催するイベントの受付をやって見たり、後方お手伝いしてみたり。今はボランティアやプロボノの機会も探せば多いですから、そこで○○さん、段取りうまいね!とか他者からの評価をもらって、少しずつ自信をつけていくのも、実は移住につながっていると思うんですよね 」

もりかわ 「 それはありますね。普段出会わない、異分野の人から改めて評価をしてもらうと、自信つきますよね。視野が広がるというか 」

鈴木さん 「 そう、さっきの話じゃないですけど、地域には仕事は沢山あって、必要としてくれる人たちがいるので、あとは自分でできることを増やしておければ、移住へのハードルはグッと下げていけるはずですよ 」

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家族への説得 & 地域への入り方

最後は会場からの問いかけに答えていただきました

会場より 「 先ほどの話もありましたけど、移住するには仕事などのハードルがいくつもありますよね。実際に移住している人たちが、家族に対してどう説得しているのか?聞いてみたいですね。 もう1つは、地域への入り方。新旧の住民の関係性もありますし、そのあたりのコツなどがあれば是非 」

鈴木さん 「 一番多いのが子供が小学校に上がる前、このタイミングで移住を決める方々が多いんですよね。旦那さんが移住にポジティブで、奥さんの気持ち次第で、成立するかどうか、そういう事も多々あります。

もちろん、旦那さんの仕事の心配はあると思いますが、奥さんからしてみたら友人もいない土地で、子育てする心配をあげたらきりがないですよね。例えば、何度か観光や地域を知るためのツアーに参加しながら、同世代の地域でカッコよく暮らしているデザイナーの奥さんと友達になるとか。虫が嫌い、という奥さんを変えようと思ったら、連れていくしかないですし。

やっぱりポジティブな方が、いろんな情報収集をして、少しずつ機会を作っていくしかないのかなと 」

名取さん 「 地域への入り方の方ですが、僕はそんなに考えなくてもいいのかなと思ってます。コミュニティがあったほうがもちろんいいですし、安心ですけど、無理して構えていくといい事もないですし。新旧関係なく、まずはできることやれる事を実践していく中で、いろんな方とつながりを作っていくのが良い気がしますね 」

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振り返って

今回のマスマスカフェは参加者20名中、なんとその半分が将来的な移住希望者。イベント後の交流会では近くのおなじみの中華料理店で円卓を囲みながら、さらにディープな移住事情トークに花を咲かせました。北海道からたまたま横浜に来ていた大学生や、とある島への家族全員揃っての移住の計画について、みんなで議論しあえた夜でした。

その中で、地域おこし協力隊の定着率の悪さについても話題に。耳障りのいい移住生活を伝えるだけではなく、未来をどう描いていくのか?その未来を一緒に作り上げる仲間を募集することとはどういうことか?選ぶ側はもちろん、受け入れる側の本気度が試される時代になっているなと。ネットがあれば、さまざまな情報が蓄積されていくので、中途半端な受け入れ態勢の悪評が残らないように、一人ひとりの移住を真剣にサポートしあえる関係性をデザインできる自治体のエピソードをぜひマスマスカフェでご紹介できればと思いました。

横浜は、人材輩出エリアって呼べるほど、全国のローカルで横浜出身の方々と出会うので、移住に興味ある方が多いエリアですから。次回の移住イベントにぜひご期待を!

write: もりかわ

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SMOUT主催の移住を深掘るイベントが来週10/30開催されるそうです!

今回のゲストであるカヤックLIVINGの名取さんたちが主催する素敵なイベントが10月30日(水)に東京の素敵なシェアオフィス&コワーキングスペースのNagatacho GRiDで開催されることに!

北の北海道下川町(持続可能なまちを目指すSDGs未来都市)
西の宮崎県椎葉村(日本三大秘境のひとつのとても美しい地域)

2つの町のディープな魅力を東京で味わえるイベントとのこと。
お時間ある方はぜひ!エントリー&イベント詳細はこちらから↓


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