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息子とお金とガンプラの話

我が家の末っ子は、5年生の男の子。
年初にお年玉をもらってから彼の頭の中は、ゲーム機を買うことでいっぱい。
でも少しお金が足りないです。
だから少しでも安いお店がないか、ネットでも安く買えないか、情報収集に余念がありません。

「パパ、〇〇のお店が、今日までゲーム機2000円引きなんだって。連れてってくれる?」
と言われたので、行ってみました。

2000円引きでも、少しお金が足りない。
さてどうするのか。
その時はセール終了まであと4日でした。

息子はずっと考えています。
もう、考えすぎて苦しそう。
「セール終わるまであと2日だよね」とか「ネットで中古の安いのがあった」とか、口を開けば、ゲーム機の話ばかり。

お年玉をもらってそうそう、家族にごちそうをしたので、ゲーム機買うお金が足りなくなってしまいました。だから僕としては最終的に出してあげてもいいかなと思ってはいるんだけど、あまりにも「欲しい欲しい」になっているし、買ってしまうと彼の手持ちのお金が全部なくなるので、ここは我慢させようかなと考えていました。

そして、迎えたセール最終日です。

彼は、いろいろお手伝いをして、目標金額にはなんとか達成することができました。でも、そのお金を使ってしまうと、全財産なくなってしまうし、ゲームソフトは買えないので、結果的にはゲームができないので、僕からは、今回は、あきらめるように説得しました。

それから数時間がたって、彼は、ゲーム機が売っているお店に一緒に行ってほしいと訴えてきました。やっぱりあきらめきれないのかと、お店にはいけないと冷たくいいました。30分位経つと、今度は外出する身支度をしていたので、僕はちょっと怒り気味で、さっきパパが言ったことわからなかったか、とたずねました。

もう、ゲーム機はあきらめたといいます。
自分の持っているお金の範囲で、違うもの買うことにして、相談もしたいので付き合ってほしいということでした。それなら、自分の買い物のついでに寄ろうかということになりふたりで出かけました。

お店に入って彼が向かったのは、ゲーム機コーナーではありませんでした。
なんと、ガンダムのプラモデルが売られている場所でした。

「ガンプラってどれがいいの?パパが今欲しいと思うのはどれなの?」

彼は、これまでまったくガンダムに興味がなかったので、僕は、嬉しくなって、「もう何十年も作ってないからこれがいいかな」とテンション上がって説明してました。

すると、僕が選んだガンプラを持って、レジにいき会計を済ませてしまいました。

「え?ガンプラ買ったの?」と驚いていると、

「うん、はい、これパパへのプレゼント」

とガンプラを渡されました。

帰り道、しみじみと息子はこれまでの心境を語ってくれました。

「僕は毎日、ゲーム機が欲しくて心が苦しかったんだ。塾に行っても勉強のこと考えられなくて、ずっと、ゲーム機が欲しくて欲しくて、頭から離れなくて。友達がみんなもっているゲーム機が欲しかったんだ。でも、ゲーム機買ったらお金が全部なくなって、つぎにゲームソフトが欲しくなって、そしたらまた苦しくなるじゃない。これが、パパの言っていた「執着」ってことなんだってわかったんだ。お正月にみんなのためにお金を使ったときは嬉しかったんだけれど、自分の欲が強くなって欲しがると、苦しくなるんだよね。だから、今回パパに大切なことを教えてもらったし、パパ、ユーチューブでよくガンプラの動画観てたからプレゼント買うことに決めたんだよ。そしたら苦しいのがすぐになくなって、そして今僕はとても嬉しい気持ちでいっぱいなんだ。だってパパガンプラ選んでいるとき子供みたいに嬉しそうなんだもん。自分の欲しすぎるものにお金を使うんじゃなくて、誰かのためにお金を使うことが幸せな気持ちになるんだね。」

親は知識としと教えることが出来るけど、やっぱり、子供が素直に実践する姿を見せられると反省させられます。家に帰り、息子とふたりで、楽しくガンプラを作りました。

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