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天才ヴァイオリニスト諏訪内晶子1714製のストラディヴァリウス「ドルフィン」の魔力!を引き出す境地!!

諏訪内さんといえば、1990年に史上最年少でチャイコフスキー国際コンクール優勝。

デビュー当初から天才ヴァイオリニストといわれてましたけど、

ここにきて、諏訪内さんの熟成が凄まじい!

これほどまでのヴァイオリニストが日本にいるなんて!と驚いてしまう。

今は完全に、彼女が使用しているヴァイオリン、1714年製のストラディヴァリウス「ドルフィン」と一体化している。ここまで美しく胸に迫る音を引き出すことが出来るのかと思うほどに響かせます。
もしかするとヴァイオリンの魔力に諏訪内さんの能力が引き上げられているのかもしれない。

どちらにしても、天才と魔力を持ったヴァイオリンの出会いがもたらす奇跡でしょう。

諏訪内さんは、はじめ、1690年製のストラディヴァリウスを使用してましたが、ヴァイオリン界の巨匠ヤッシャ・ハイフェッツが生前使用していた1714年製のストラディヴァリウス「ドルフィン」に一目惚れします。日本音楽財団から貸与され2000年から使用してます。

あまりクラシック音楽を聴かない人でも一度は耳にしたことのある「ストラディヴァリウス」とは一体どんなヴァイオリンかというと、イタリアのアントニオ・ストラディヴァリが1644年から1737年にかけて制作したヴァイオリンです。そのほかにもヴィオラ、チェロなどもあります。一生涯のうち約1200挺ほどが作られ、現存するのは約600挺ほどといわれる貴重な楽器です。

木で作られたヴァイオリンは、200〜300年経ったあたりが一番いい音を出すといわれてまして、天才ストラディバリが、最高の材質と最高の技術で作った傑作を、その後、運良く、価値がわかる人たちの手に渡りメンテナンスをされながら、その時代の巨匠から巨匠へ受け継がれて、現在に至るわけですから、価格も信じられない値がついています。

これまでに一番高額で落札されたのが、日本音楽財団が東日本大震災の被災地支援のためということもあったでしょうが、なんと約12億7000万円です。

値段もすごいですけど、それだけ、多くの時間と、多くの人の思いが込められているヴァイオリンですから、それを引きこなすには、相当の力がなければ、逆にヴァイオリンに飲み込まれ、人生を翻弄されるでしょう。

そのへんは映画レッド・ヴァイオリンをみてもらうとして、

気がつけば、熱くストラディバリウスの話をしてしまいましたけど、そんな凄いヴァイオリンの力を引き出している諏訪内さんが凄いということを言いたいんです。

ここ数年で確実に、ストラディバリウス「ドルフィン」の力をものにしたのではないかと思うのです。

ただ、彼女も、プライベートでは、指揮者のシャルル・デュトワと不倫騒動や、夫との泥沼化した離婚騒動、そこから発生した巨額な脱税容疑と、かなりの人生の試練を乗り越えてきたからこそ、現在のなんともいえない深い演奏にたどり着いたのかも知れません。

それで、本日紹介し対局は、2017年に大絶賛された「メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲」です。

この曲は、クラシック音楽の入門曲としてよく聴かれます。一度聴いたら忘れられない切なく美しいメロディで多くの人に愛されていますね。僕もしばらく聴いていなかったけれど、諏訪内さんの演奏で泣けてきました。
第1楽章も素晴らしいですが、ぜひ13:00以降の心に染み入る第2楽章も、ヴァイオリンから炎が出そうな演奏の第3楽章も聴いてほしいです。


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