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質問2 - ビバップカルチャーは伝統と革新どっちが大事だと思いますか?

MIND THE GAP

この記事のTOP画は、ロンドンの地下鉄でよく見たりアナウンスされたりする言葉、MIND THE GAP (電車とフォームの隙間に注意してください)。のポスター。

住んでいる国や、世代の違いっていうGAPに気をつけて、ビバップを始めた方が、電車に (カルチャーに)乗りやすくなるみたいな.. Mind the gapしながら、ビバップ、UK JAZZ DANCEの魅力を紹介できたらと思っています。

今回、名古屋のビバップダンサー Kazumaくんのビバップクラスの生徒さん達から、熱い質問をいただきました。質問にお答えする記事の第二弾。
第一弾は、1つ目から深めな質問でした〜。
ビバップって、UK JAZZ DANCEって何?は、こちら記事ご覧ください。

質問2もまたまた深いです。
Kazumaくんの生徒さん、他のダンス歴が長かったりしたのでしょうか?色々と考えられていますね〜(面識はなく、いつかお会いできるのを楽しみにしています!)この質問をされた背景にもしも過去の私のように、悩みがあられるのであれば、個人的にもう少しお話をお聞きしたいです(お気軽にDMください◎)

そうでなくて、ふとした疑問であればこちらご覧いただき、こんな人もいるのか.. と楽しんでいただければ幸いです。

それでは質問にお答えしていこうと思います!


質問2- 伝統か変化か。


Bebop カルチャーは、あまり形を変えず、伝統的な部分を大事にしていくか、それか広めていく為に変えていきたい部分がありますか?
どちらがパーセンテージが大きいと思いますか?シーン全体の空気感としてもどちらに感じますか?

あくまで個人的な考え方で、これが誰かの正解とも、不正解とも、そもそも正解があるものなのかもわからない前提で、思ったことを書いていきます。
結論は、

伝統を尊重する。自分らしくもあり続ける。そんなふうに伝統も変化もひっくるめて大事にして、このカルチャーを楽しんでいきたい。です。

上の世代も、下の世代もいるミドル世代の私が思うこと。


私が20代の頃は、これっぽっちも伝統を大事にすることなど考えていませんでした。出会った人、出会ったことに、ただただ反応して、憧れて、影響を受けてやってみる。そんなスタンスでした。何も考えずに感じるままに、この人達かっこいいいいいいいい!みたいなときめきと、自分でも何か表現してみたい!衝動に突き動かされるままにダンス活動していた気がします。しっくりくる時もあれば、来ないときに悩んで..を繰り返し、学ばせていただいたり、一人でやってみるんだと力んで、独学の時期があったり。

その後、30代になって、実際にそれを昔から創ってきた人たちに会ったり、話をお聞きしたり、すごい素敵なGrooveやStepを教えてもらうと、20代の頃に憧れていた人達がなぜあんなふうにかっこいいのか、何に影響を受けたのか、が垣間見れているような気がして再びワクワクしてきました。 

伝統を知る楽しさ発見!  

伝統というかその人の歴史を知ること。知らなかったことが多すぎて、再びこのダンスに衝撃を受けています。
 
かといって、これが正解だー!とか押しつけたり、新しい形や流れを批判したりしたくない。若い世代へも大先輩へも八方美人したくなるマインドもありますが、( 笑 ) それだけじゃなくて大事にしたいことがあります。 

それはとっても単純なことで、強い欲求です。
人とジャズで踊ることをひたすら 
マインドフルに楽しみたい!って気持ち
です。
楽しむには、正解をひとつにしないで、いろんな正解があるコミュニティの方が踊りやすいかな.. なんて思います。

ダンスカルチャーは音楽の中で人と関わり楽しむこと。を私は最終目標にしています。今は伝統を学び伝えながら、一緒に踊ってくれる人を増やして、変化も楽しんでいけるようなこのスタンスでいたいな。と、ちなみに私はミドルエイジです。若い世代も上の世代も交流させてもらっているので、こんな感想が出てきます。

これからこのnoteシリーズでは、オリジネーターからの学びを多く語りがちになっていくと思われますが、自分より若い人たちの新しい感性や価値観からも、学ぶことがあると最近は思っています。

今っぽさ。っていうものはいつの時代も魅力的です◎
今の若い世代の様々なダンスの要素が自然に混ざるハイブリット感、かっこいいなと思います。

 

広めるために形を変えるか。カタチとは?

その当時にそこに居ない私たちが、きっといくら学んでも、その当時のカルチャーの歴史を全部を理解できるはずがなくて、それでも今現在ビバップ、UK JAZZ DANCEが踊られ続けているのは、何でなんだろう?

それは、伝統派のステップとか、何かを混ぜたステップとか、表現のカタチや方向性。ではなくて、
UK JAZZ DANCE が現代まで続く理由は、それぞれ違った人間がそれぞれ何に魅了されているか(きたか)。カタチとして見えづらいところを、感じることが、カルチャーが広まる時に大事なことかもしれないと思っています。

流行やカルチャーは、全部をコントロールできない、人間らしい自然な営み( 影響や欲望や情熱やetc.. ) な気もしていて、カルチャーって、デザインされていないから面白いかもしれないと感じます。

ビバップ、UK JAZZ DANCEの面白いところの一つとして、カルチャー感が強いところかもしれません。Discoから、"自然発生" してFusion styleが生まれて、それに対抗できるダンスをしようと情熱を燃やした人たちが、バレエやマンボをmixして新しくBebop styleを生んだ。

人間らしい反応の連続。自然な現象。伝えようとして伝わっていったのではなく、何かが魅力的だったから、クラブに通ったり会いにいったりするのかもしれません。そして伝統と革新が常にそのシーンに共存している。
(JAZZの音楽の歴史や流れもそうみたい)

カタチが違っても、
共通する何か。魅力。そこをご一緒にほっていけたら、すごく嬉しいです。
 

学ぶことと自分を知ること

誰にどう影響を受けたかで、誰に出会ったかで、個人個人の踊り方や考え方が変わってくる。伝統を深く知っておこうとする人、伝統を知って新しいものを創ろうとする人、様々なダンスの要素を少しづつ取り入れて、自分の感性に従って混ぜて踊っていく人。独学の人。習いにいく人。いろんな人が現れます。

なんだか〇〇な人って区切ると、ステレオタイプになってしまうので、そうゆう "時期" と言いますか、一人の人間でも、新しいことを混ぜたくなる時期、より深く伝統を理解していきたくなる時期、形が変わる時期、形が基礎に戻っていく時期。
私は、色々色々ありました。

そしてこれからも、もう出来上がっているダンスを後から踊る私たちは、伝統と革新の間を揺らいでいくんだと思います。こんな質問を考えるような、まっすぐなあなたは特に。

今あなたはどんな時期ですか?
何に興味惹かれていますか? 

そこと繋がって習得する場や時間を作れれば、より迷いなく私達は楽しめるかもしれません。

伝統とは?伝統と変化のパーセンテージは?

私が説明できるほど、ビバップの伝統を理解しているとは思わないのですが、最近少し見えてきたもの。伝統って、例えばあなたが、尊敬する人や好きな人の生い立ちを大事にするような感覚?ご先祖様を敬う感覚に、もしかしたら近いかもしれません。

ひとつ、ミドルエイジから、若いダンサーさんへのアドバイスとしては、伝統に、従うんではなくて縛られるんでもなくて、理解する。学ぶって感覚だと、"自分のダンス、アイデンティティ" がなくなったりはしないから、大丈夫だよ。と最近の気づきでした。

伝統と革新は対義語みたいに感じられるかもしれませんが、伝統を守るために革新が必要なときもあるようなので、ご質問のどちらが大事かを選ぶのは、割合を数字でだすのは難しい.. 

こんな記事見つけました。ダンスではないですが
興味深い記事。伝統の語源など..です。   
いかがでしょうか?ちょっとダンスにも通じないかなあなんて思いませんか? ↓


シーンの空気感

イギリスも日本も熱いです。
日本にはここ数年シーンに伺えてないけれど、新しい世代が出てきている、新しい魅せ方とか、わくわくする変化を感じます。と同時に、先輩方も踊られてコンテストに出場したりショーに出たり、まだまだかっこよくて、層が厚くて熱い。技術が高い!洗練されている!丁寧に伝えれ物事を続けることができる日本人の良さが、シーンに反映されている気がします。


SOUND CREAM STEPPERS × Stax groove
この方達がいなかったら日本のビバップシーンはない!!  ほとんどのビバップダンサーが憧れて通る方たち。BEBOP,FUSIONのパイオニアでありダンスアーティスト。Brothers In Jazz のWayne Jamesが来日した時のセッション。

長年の経験値と深い感性で、即興でも見応えのある素晴らしいショーが出来上がっていく。

Jazz。Jam sessionな感覚が、いつ観ても研ぎ澄まされている方たち。
Boppin JiveというJazzの音楽で踊る祭典のようなClub Eventでは、全国から、初心者から玄人まで集まって、ShowやDJ timeのセッションを楽しんでいます。


最近の、日本のシーンの流れはYou tubeや、繋がっている方のSNSでしか見れないのですが、振付もスキルも素晴らしいと思います。若手ダンサーが集まってYussef Dayes の Black Classical Musicでコンテストとか.. 渋いのに新しい形のアプローチ。ワクワクする。新しい流れを感じました。

ご紹介したい方たちが、パイオニアから若手まで、素敵な方たちまだまだたくさん。ちょっとづつこれからnoteでご紹介していきます。

さてイギリス。
イギリスのシーンは、歳を召してこられたなという印象を受けつつ、まだまだガシガシ踊ってくださるダンサーもいらして、ジャズのクラブでの熱気を感じれます。
現在60歳でキレのある踊りをする。キレやスタミナが信じられないくらいすごい方とかいます。( Floor technicians のOscar さんという方に、去年お会いしてキレがありすぎて、迫力のスキル高いダンスに慄きました) 

私が一番イギリスでグッとくるのは、どんな音楽がかっこいいのか、ダンサーを熱くさせるのかを、クラブの体感で学べることです。

今もなお続くUK JAZZ DANCE のCLUB EVENT。
Shiftless Shuffle 
ダンサーのGrooveや各々のスタイルが強烈です。

2011年の動画なのですが、シェア。クラブでなんとなくセッションになり、レジェンドダンサーさんが自然に集まっている熱い動画です。メンバーがやばい。

ハンチングに黒のシャツの方がIDJ のJerry Barry。JerryさんがClubでFireeeeeeなダンスをされているので、ぜひご覧いただきたいです。

全員素敵で、今も続く唯一のオリジナルジェネレーションのチームJazz Cotech ( ジャズコテックと読みます ) のリーダーPerry Louis ( 主催者、DJ ) や、Jazz cotech のKola Abidogun, 様々なUK JAZZ DANCE TEAMで活躍されていたDavid Graham (個人的にめっちゃ好き、音楽性が半端ないダンスをされます), DJのGarth Thomas も楽しそうに踊っていて、IDJ のGary Nurse も微笑ましく見ていたり。情報量多い… もっとわかりやすく別記事でダンサーやチームご紹介していきますね。

この動画の方たちは、ざっくりまとめた言い方をすると、Fusionダンサーです。彼らは、こんな音楽を踊ったらダンスがもう白熱します。 

Jazzのジャンルで言うとAfro Cuban Jazz。 
その中でもみなさん 
Son Montuno  /  Irakere featuring Chucho valdes  
ここら辺すごく燃える模様です。( IDJ Gary Nurseさんに好きな音楽聞いたら、このアルバム出てきた )

オリジナルジェネレーションダンサーがたくさんいらして、音楽への愛が伝わってくる方達です。それぞれに好きなJazzの曲がある。

若手がほぼいないのが唯一の脆さかもしれません。
日本のように世代の層はない印象です。

でも逆に、これだけオリジナルジェネレーションの方たちが、大勢、青春時代から今まで30年以上クラブにまだ通い、踊りまくっているダンスシーンも逆に珍しいと思うので、空気感としては.. 熱いです。


日本ならBoppin Jive 。
イギリスならShiftless Shuffleに
遊びに行かれると、空気感ビシビシわかるかもしれません。やっぱり生と動画では断然、生が感じられます。


質問の答え、ちょっとまとめてみます!

まとめ

Q. Bebop カルチャーは、あまり形を変えず、伝統的な部分を大事にしていくか、それか広めていく為に変えていきたい部分がありますか?
伝統を尊重した上で、個人の自由で踊っていけばいいと思う。ただ、スタイルが違えど、集まった時に楽しめる、熱くなれる、JAZZっていう精神性みたいなものが共通認識であると、熱いままカルチャーとして伝わっていくのかなと思いました。

Q.どちらがパーセンテージが大きいと思いますか?
このダンスが踊られている、国や世代や人によってその割合は変わります。私個人は、最近伝統見直し期間で、学びモードで、伝える時は伝統的なものを大切に最近はしています。新しい流れも好きなので振付する時は他のダンスを混ぜたりもします。その都度変化しています。

Q.シーン全体の空気感としてもどちらに感じますか?
どちらにも感じられる。
イギリスでいうと、オリジネーターのIDJの方もBIJの方も、振り付けの話になると、今までとは違う新しいものを創りたい気持ちがあるようです。しかし歴史を大切に残していきたいという方もおられます。 
同じUK jazz danceやビバップというダンスの世界で、
伝統も革新も、両方感じます。


今回も長文読んでいただきありがとうございました!

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