見出し画像

不完全ミステリー「相中探偵俱楽部」~こんな命、あんな命~

命ってのはいろいろあると思うが、アリたちの命ってどうだろう。
私たちは小さい頃虫たち相手に遊ぶとアリだのダンゴムシだのをいじめてた。場合によっては…。
思い出すとエグイからこれぐらいにしておくけど、とにかくじゃあニンゲンの命って何だろう、と。そう思ったことがあるので書くね。


「ハァ~ア…」
これは私のあくびだ。中学3年生になった私は
パソコン、パソコン、ちょっと受験勉強、パソコン、パソコン、ケータイ、ケータイが重なりちょっと眠い。
さすがに担任であるナンデモ先生も渋い顔をしている。
「おーい、相田(あいだ)!眠いのは分かるが、みんなの前だからな!」
そうだ。いくら眠いといっても、みんなも私と変わらない生活をしているだろう。
にしても眠い。そのまま眠りについた。
その直後だったか、いきなり大爆発。
ああ夢か…と思いきや本当に学校の校庭で何かが大爆発したようだ。
みんな騒然としだした。
「みんな~落ち着いて~」
そうナンデモ先生が言うと不思議とみんな静かになった。
先生にはそういう人徳というものがあるようだ。


それでも、その後警察、消防車、救急車が来たが、けが人一人なかったのでそれほどでもなかったかもしれないが、こういう田舎のことだ。次の日には地方紙一面、全国のニュースでも少し取り上げられたので、学校のみんなもしばらくはその話題で持ち切りだったが数日もすれば、みんな違う話題を話のタネにしていた。ニンゲンって怖い…。すぐ忘れるから…。


それでも私は生来のミステリー好きなのか、そういう事件は見逃すわけにはいかない。というわけで警察とは別に学校の中で勝手に
〝相中(そうちゅう)校庭爆破事件対策本部〟というのを立ち上げた。まあ、でも同級生たちの目は冷ややか。〝暇な奴らだな~〟って感じ(これってヒガイモ~ソ~かしらん)。そこに噂を聞きつけたらしい刑事さんが来て…。
「おい!こんな変な看板立てて!誰がこんなこと勝手にした!?」
「は~い、私で~す!」私もマヌケな返事をしたものだ。
「ぬぬぬ…。こんな小娘が…。」
感心しているのか呆れているのか、そういう視線を私に送った。


それから刑事さんはこんな中学生相手にいろいろ話をしてくれた。でも、こんなに話していいのかしらん、〝守秘義務〟ってのがあるんじゃないのかしらん、と思いながら…。
それは爆発の原因はいろいろ推理はしているようだったが、でも結局のところ爆発したきっかけは何が?というように答えが出ていないようだった。
それから刑事さんはこんなことを言った。
「そうだ、人は一人もけが人がなかったが、アリが大量に死んでいたよ」と。


アリ…。なんでアリだと全然大騒ぎしないんだろう?
アリとニンゲンの命って違うのかな~?
そんなことないよね!アリさん!多分…。


完。



よろしければ、サポートお願い致します!頂いたサポートは創作の活動費として使わせていただきますので、よろしくお願いします❕