訪日メディア「MATCHA」が日本語でも情報発信する理由

編集部注:本記事は弊社代表・青木優のブログ「HIBILOG」の2016年5月18日掲載の記事を転載・編集したものです。

「なんで日本語をやっているんですか?」

MATCHAについてよく聞かれることが、「訪日メディアなのに、なんで日本語をやっているんですか?」ということ。

これについては、最初MATCHAを立ち上げる時にかなり悩みました。たしかに、海外の人に日本を伝えるのだから日本語で記事を公開する必要はありません。

先輩経営者からも、「やらないほうがいいよ」と何度も言われました。ただ結果として、日本語版をやってよかったなぁ、と今では思っています。

これについて、1回まとめたいと思います。大きく分けると3つの理由があります。

理由1.その場所をよく知っている人だからこそ書ける記事を載せられる

Webメディアの中心は記事です。いい記事があるからこそ、メディアが成り立ちます。自分たちは地域の情報を発信しているのですが、その土地をよく知っている人だからこそ書ける記事ってやっぱりあるんですね。

外国語発だけのメディアにしてしまうと、メディアとして出せるものが限られてしまいます。地方のまだ知られていない魅力を発信していきたいし、残していきたい。日本人の目線や力がないと、そういう思いからズレてしまうのです。

ただ、難しいのは、その土地を深く知っているからこそ、表現が深くなりすぎてしまい、翻訳しにくくなり、他の国に伝わりにくくなるのも事実。その辺りは、ライター、編集者、翻訳者がかなり頑張ってくれています。

理由2.国内における認知向上が図れる

日本語化することで、日本人が検索やSNSなどで知ってくれるようになります。つまり、国内での認知が高まるんですね。

国内での認知向上によって何が生まれるかというと、MATCHAに興味を持ってもらい、一緒に働いてくれる仲間が増えるきっかけになります。今MATCHAに関わってくれている方も、日本語版を最初見て、興味を持ったという人も多いです。

また、仕事という意味では、日本企業がうちのクライアントでもあるのも大きい。記事が丁寧に作られていることを知ってもらいやすいですし、記事の原稿確認の際も日本語があると便利なんですね。

理由3.日本人にも日本の良さを伝えることができる

裏の目的として、「日本人にも日本の良さを伝えたい」という思いがあります。

よく「日本人が見ても面白い!」や、「MATCHAを見てこないだ和倉温泉行ってきたよー」という言葉をもらうことがあります。

僕は、日本人にこそ日本の良さを知ってもらいたいと思っているんですね。文化的な情報もそうで、例えば「神社とお寺の違い」や「神社での参拝方法」など、日本人も「あれ、なんだっけ」と思っている情報があります。

そういうなんとなく当たり前だと思っていたけど、実はしっかりわからなかったということも、しっかりと発信出来たらと思ってます。会社の特性上、PRの優先度は低くなるのですが、大事なことだと思っています。

以上、MATCHAが日本語サイトをやっている理由についてまとめてみました。

日本語をやっていることについて、良し悪しありますが、今後も日本語サイトは続けていきますし、よりよいものにしていきたいと思っています。

編集部注:MATCHA編集部は日本人を中心とする日本語編集部のほか、英語編集部、中文(繁体)編集部、タイ語編集部などがあります。日本人を含めた多様な人材が集まるからこそ、「外国人目線で面白い」「日本人が見ても正しい」情報が発信できています。MATCHAでは、地域の特徴、課題、目的に応じて、最適な人員配置、情報発信を行います。地域の海外発信に興味がある方は、ぜひMATCHAにご相談ください。ご連絡は本記事へのコメントか、こちらへ。

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青木 優
1989年、東京生まれ。明治大学国際日本学部卒。株式会社 MATCHA 代表取締役社長。内閣府クールジャパン・地域プロデューサー。学生時代に世界一周の旅。デジタルエージェンシーaugment5 inc.に勤めた後、独立。2014年2月より訪日外国人向け WEB メディア「MATCHA」の運営を開始。「MATCHA」は現在10言語、世界200ヶ国以上からアクセスがあり、様々な企業や県、自治体と連携し海外への情報発信を行なっている。

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