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そうだ!大学院にいこう![リカレント教育実践編その8]

🔲博士号へ続く道・・・


こんにちは、まっつんです。
そうだ!大学院に行こう![リカレント教育実践編]と銘打っておきながら、博士課程後期になると、めっきり無理ゲー感が出てきてしまっています。
末は博士か大臣か・・・大学院の、しかも博士課程後期を目指す人のお役にたつかどうか分かりませんが、まっつんとその周りにいた同期や先輩たちの博士号取得までのエピソードを思い出して書いてみたいと思います。
前回までは、博士課程後期の概要や、博士論文審査を申請するために必要な事前準備について少し触れましたが、今回は博士号を取得するにはどういう流れになっているのか、まっつんがゼミで見てきた色々な諸先輩方(残念ながら、教授の退職によりゼミ廃止で後輩は存在しません)を参考に書いてみたいと思います。
因みに、まっつんのゼミの教授は、超々ヘビー級の重鎮でいらっしゃったので、ゼミの先輩は、少なくともまっつんの知っている先輩は、ほとんどもれなく博士号を取得して、さらにその後は、大学で教授や准教授になられて活躍しているという恐ろしく成功者の多いゼミでした。
退職されるまでの先輩に限ってではありましたけど。(その大先生の退職後は、まっつん以外の社会人大学院生は、全滅しました

🔲博士号のおさらい

現在、日本における博士取得方法は、次の2つの方法があります。
①博士課程で博士論文で申請する、課程による者の博士学位 課程博士(甲博士)
②論文・著作などで申請する、課程によらない者の博士学位 論文博士(乙博士)

このいずれかの方法で、博士論文、もしくはこれまでの研究成果をまとめた論文、著作などを審査してもらい、合格水準に達していると認められる必要があるのです。
つまり、博士(ハクシ)号を取得するには、学位授与機関である大学か独立行政法人大学改革支援・学位授与機構で審査を受ける必要があるのです。
因みに、博士とは、「ハカセ」ではなく、「ハクシ」と読みます。
今回のお話は、課程博士が該当します。

🔲博士論文を誰が審査するのか


博士論文は、誰でも審査できるわけではありません。
いわゆるマル合について少し触れておきます。
大学院生に対して学位指導ができる教員は、「研究指導教員」(マル合)と呼ばれます。日本の大学院教員資格には、Dマル合、D合、D可、Mマル合、M合、M可の6種類あり、博士号を出すにはDマル合教員である必要があります。
表記は○の中に合と書きます。
「D」とは博士Doctorの略、「M」とは修士 Masterの略です。
まっつんの研究した某大学院では、博士論文の最終合否の最終決定は15名の評決でしたが、その後、出戻った大学院では、最終合否の決定は、5名で評決をとられていました。

Dマル合:博士後期課程で学位論文の指導ができる
D合:博士後期課程で学位論文指導の補助ができる。
D可:博士後期課程で授業を担当することができる。
Mマル合:博士前期課程で学位論文の指導ができる。
M合:博士前期課程で学位論文指導の補助ができる。
M可:博士前期課程で授業を担当することができる。

出典:まっつんまとめ

🔲博士論文のスケジュールはどうなっているのか。

実際問題は、置いておくとして予定通りに、1年目、2年目で、研究が進み、無事に由緒ある学会での査読付きの原著論文や、海外での国際学会での発表をこなして、規定の本数通ったと仮定すると、いよいよ、待ち望んだ学位申請論文である博士論文執筆に入ります。例によって大学院によって進め方が、異なりますのでご注意ください。大学院によっては、1年次の研究成果を「年次報告論文」として提出させて、合格の場合は、2年次、3年次に進級できるというシステムのとこもあるようです。
まっつんは、最初の大学院では、実は2年目で、キャンディデイトの資格を取得しましたので、上手くいけば2年間で博士号取得も可能でした。(教授の退職を想定して2年という無茶なスケジュールでした)
そして、最終的に博士号を取得した大学院では、学費の資金繰りの問題から1年で博士号取得という無茶をしようとしたので、4月入学と同時に指導員決定というスケジュールになっています。(実際は中間審査でやらかして、半年伸びました)
因みにこれは、まっつんが当時作成したタイムスケジュールイメージ(笑)です。

出典:まっつん作成

普通は、入学した時には3年間あるじゃん!と思っていても、1、2年で最速で研究をまとめ、査読を通すだけでも、大変なのに、博士論文の作成が、実は、僅か5〜6ケ月しかないとは、社会人大学院生ってどうやって時間を捻出するかが、本当の鍵になりますね。

🔲博士論文の審査はどう進むのか

博士論文の申請基準を満たし、指導員として、主査、副査(2名〜)が決まれば、実際には、やっと入口にたどりついただけなのですけど、いよいよ審査が進んだ感じを受けます。そして、論文審査委員会が設置され、該当する学生は、博士論文申請の中間審査(予備審査)に向けて、説明資料の作成に進みます。
まっつんの場合、何を研究したのかというプレゼン30分と、その後に30分間、論文審査委員(大抵主査が委員長、副査には他の大学からの外部審査員も入ることがある)からの厳しい質問責めにあいました。
ここでディフェンスを仕切れないと次に進めません。最初の大学院では、何を研究したのかというプレゼンとは別に、英語の試験もありました。当然両方に合格する必要があります。
この中間審査を合格すると、学位審査請求をするための博士論文の作成に取り掛かれると言う流れとなります。
そして、最終論文の提出後、論文発表会として公聴会(本審査)が開かれます。
この「公聴会」は文字通り、公聴の会となります。そこでは博士論文内容の発表と、参加者による質疑・応答が行われます。つまり、公が聴くの会ということで、事前に「一般の方でも無料で参加出来ますので、ご興味のある方はご参加ください」などと告知が出たりします。
一般人も含めたギャラリーの中で、参加者による質疑・応答を行うという恐ろしい仕組みになっていたりします。
公聴会実施後の審査委員による審査については、非公開となります。ここでは、主査に頑張って貰うしかありません。
そして、審査委員会の最終試験結果報告に基づき、研究科会議(教授会)において博士論文の合否判定(修了判定)及び学位授与の議決を行います。
そして、念願の博士として、学位授与式で、アカデミックガウンを着ることがきるのです。

🔲まとめ

日本における博士号取得には、「課程博士」と「論文博士」の2つの方法がある。
博士号を取得するには、学位授与機関である大学か独立行政法人大学改革支援・学位授与機構で審査を受ける必要がある。
博士課程の、3年間はあっという間に過ぎ去ってしまう。
主査の退職と自分の研究の進捗をよくよく想定して置かないと、教授がいなくなったゼミのその後は、悲惨な状況となる。
博士論文を書く時間は意外に短い。特に社会人大学院生ってどうやって研究や論文執筆の時間を捻出するかが鍵になる。
中間審査(予備審査)、博士論文の執筆、論文発表会として公聴会(本審査)と3年次は、鬼のようなイベントをこなさなければならない。
そして、最後の難関である公聴会は、一般のギャラリーも参加可能な状態で、審査員からの質問に回答しつつ、ディフェンスをしなければならない。
その後、審査委員会の最終試験結果報告に基づき、研究科会議(教授会)において博士論文の合否判定(修了判定)及び学位授与が、議決される。
アカデミックガウンを着れる大学院は、一生の思い出になる。

以上、今回は「そうだ!大学院にいこう![リカレント教育実践編その8]「博士号へ続く道・・・」を書いてみました。
最後までお読みいただきありがとうございます。
少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
次回もよろしくお願いします。
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