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独身男性が都内の銭湯を勝手に評価する(番外編:山陰温泉血風譚)

今回は、春先に旅行した山陰地方(島根・鳥取)の日帰り温泉を紹介します。旅先で訪れた温泉はどうしても採点甘くなるから点数はつけません。

※新型コロナウイルス感染症の影響で、営業日や営業時間を一時的に変更している銭湯が多くなっています。
本稿では最新の情報の発信を心掛けておりますが、実際の営業についての確認は各銭湯にお願いします。

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■ ちどり湯(島根県松江市)…松江市内唯一の公衆温泉浴場

【注意】当施設は8月31日まで、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置地域からの旅行者の利用は控えるよう要請されています。どうか施設の意向を汲んでの利用をお願いします。

島根県の県庁所在地の古都松江。「日本の夕日百選」に選ばれた燃えるような夕日や、シジミをはじめとした水産物で有名な宍道湖からは、実は温泉も湧出している。

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その名も「松江しんじ湖温泉」。源泉は地下1,250mから湧き出しており、無臭・無色透明の泉質である。神経痛・筋肉痛・関節痛などに効果があるとされ、湯元の湯かけ地蔵にお湯をかけると健康になるという言い伝えがある。

湯かけ地蔵

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JR松江駅からローカル線・一畑電車の「松江しんじ湖温泉駅」の周辺を中心に、市内にいくつかの温泉旅館が点在している。

駅近くにも湯かけ地蔵+足湯

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ちどり湯はそんな温泉街にある唯一の公衆浴場で、気軽に温泉を楽しめるスポットだ。通常料金350円は東京の銭湯の入浴料金より130円安い。風呂上がりに牛乳飲んでもお釣りがくるレベルだ。

この「ゆ」でっかいなー

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玄関の大きな看板

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入口からフロント部分にかなりスペースが割いてあり、入口では地元の農産品や加工食品も売られている。スペースは全体的に清潔で、銭湯というよりスーパー銭湯に近いしっかりした作りだ。

浴槽は2つ。6人くらい入れる大き目の白湯と、定期的にイベント湯となる小さ目の浴槽の2つで、サウナ、水風呂、外気浴スペース等のないシンプルなつくり。湯温は40~41℃のちょうどいい湯加減だ。

ちなみに、シャンプーやボディソープの備え付けはないので、持ち込むかフロントで購入する必要がある。残念ながら窓から宍道湖が見えるわけではないが、明るく開放感のある浴室空間だ。

私が訪れたのは3月の終わりごろで、イベント湯では季節を感じるさくらエキスの薬湯が供されていた。春先の宍道湖は夕方に吹く風もまだ冷たかったが、温泉のおかげで体の芯は温かいまま、暮れていく空を楽しみながら湖畔をのんびり散歩するのも楽しい。

夕刻の宍道湖

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牛乳飲んでお釣りが来た

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■ しっとりつるつる北山温泉(島根県出雲市)…出雲参りの帰りに立ち寄れる温泉施設

島根を代表する観光スポット、出雲大社からおなじみ一畑電鉄で松江方面に鈍行で4駅、出雲市街地方面への乗換駅である川跡(かわと)から徒歩15分程度のところに位置する温泉施設が「しっとりつるつる北山温泉」である。

ちゃんと案内板にもしっとりつるつるって書いてある

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こちらは先のちどり湯よりも更にスーパー銭湯的な装いが強く、食堂なども併設し、地元の人が車で大勢訪れる人気のスポットだ。

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下足ロッカーに花の写真が貼ってある

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広々としたフロント

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北山温泉は薄い琥珀色のアルカリ性単純温泉で、リューマチ・神経痛・筋肉痛・関節痛などに効果がある。

内湯のほか、4人入っても余裕のある露天風呂もある。岩囲みの露天風呂の湯温は比較的高め(体感42℃程度)だが、浴槽内にちょうどよく岩が置かれ半身浴もできるため、のんびりと浸かって時間を過ごすこともできる上、露天と内湯の間を仕切る空間にはベンチもあるため、外気浴もたいへん捗る

内湯はメインの浴槽(6人程度)と、小さ目のバブルバスの2つ。奥の壁には出雲大社近くにあり、国譲り・国引きの神話で知られる稲佐の浜の写真パネルが掲げられている。

花冷えの曇り空に、ひと時温まって松江に戻る鉄道に乗り込む。出雲参りの帰りに立ち寄るには最高のスポットだ。

■ 日帰り温泉 オーシャン(鳥取県米子市)…バリ島モチーフの巨大な庭園温泉

今回の旅行は島根(松江・出雲・安来)がメインだったものの、東京との窓口は鳥取の米子空港だったため、帰りのフライトまでの数時間を利用して訪れたのが、日本海の弓ヶ浜沿岸の皆生(かいけ)温泉だった。

皆生温泉はナトリウム・カルシウム塩化物泉で、無色透明だが塩質が多いため口に含むとしょっぱい。美肌、神経痛、リウマチ、慢性皮膚病、慢性婦人病などに効果があるとされる。

皆生温泉でも最大級の温泉施設「オーシャン」はバリ島をモチーフにしており、入口からしてエキゾチックな空間が広がる。とてもここが春先の日本海沿岸とは思えないほどだ。

入口がもうタイのそれ

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2階建てで、1階は巨大な露天の岩風呂がメインで、2か所のサウナと内湯・水風呂がある。なおこの岩風呂、皆様の想像する三周りぐらい大きい

お湯はかなりぬるめかつ半身浴程度の深さなので、時を忘れてじっくりと湯船に浸かるもよし、合間に庭園のそこかしこに設えられたバリ風のオブジェやエキゾチックな観葉植物を眺めるもよし、開放感あるスペースでのんびりと温泉を楽しめる。

露天の近くには低温のミストサウナと水風呂もあるし、内湯も湯種豊富かつ、高温のドライサウナも備わっている。休憩スペースでは日本海の雄大な景色を眺めながらごろ寝してマンガが読める。激務のプロジェクトを終えた後の有給で訪れたのだが、いっそ仕事を忘れてここで暮らしたいという欲望に抗うのが本当に大変だった。

近く見えるのではなく、日本海が本当に近い

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なお、この日は男湯が1階だったため筆者は訪れることができなかったが、2階には日本海を眺める海風呂が名物らしい。米子駅からタクシーで15分程度のアクセスの良さもあって、またぜひ訪れたい温泉だ。

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ここまでお読みくださりありがとうございました!



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