アメリカの部活動を経験して思ったこと

僕はアメリカで高校1年、大学4年を過ごした。そしてこの5年の間に結構スポーツをしていたので、ちょっと当時のことを振り返りつつアメリカの部活動について書いてみたいと思う。

部活は「選択制」
まず、部活は選択制になっている。部活なんて一切やらずにとっとと家に帰る子もたくさんいた。今もそうで、息子の同級生にも部活をやっていない子は山ほどいた。これはこれで一つの人生の選択というわけだ。

部活は「授業」
また、アメリカの部活動は「授業」になっていることが多い。だから学期ごとで完結する。僕は高校で陸上部、大学では水泳部だったが、これらも体育の単位をもらえたし、成績がついた。途中で辞めてしまうと単位は貰えない。なお、これには例外があって、最初の2週間は「トライアル・ピリオド」と称するお試し期間になっており、この間に辞める分には単位に響かない。

また大学のチームだと、このトライアル・ピリオドで実力が足りないものを足切りをする。1軍と2軍に分かれてるチームだと、ここで2軍に回されたりこともある。

部活動はシーズン制
アメリカの部活はシーズン制になっている。アメリカの高校は4年制のところが多いから、1年に3シーズン x 4年間で、やろうと思えば最大12の部活動に参加することができる。僕自身は高校の時に陸上、そして大学で水泳部をやり、さらには大学の3年生の時の1シーズンだけモダンダンスのチームに入っていたことがある。結構練習がきつくてしんどかったw。こうやって自分の適性を探せるのは実に素晴らしいと思う。

すると、季節ごとに全く違う部活をやって両方で大活躍する子も出てくる。僕が通っていた高校のフットボール部からNFLの選手になった人が出たけど、この子、春は野球部で4番バッターだった。

成績が悪いと部活動ができない
また、学業成績が悪いと部活ができない学校も多い。僕が通っていた大学はそうだった。だから、部活を真剣にやりたい者は一生懸命勉強することになる。チームメートが部活を続けられるよう、宿題を見てあげたことも何度もあった。本当にいいシステムだと思う。また、普段の素行が悪くても部活ができない。そんなわけでアスリートであることは、プライドの証でもあったのだ。

資格を持った指導者
部活の指導者は資格を持った人がやっていることが多い。息子の高校のマーチングバンド部の顧問は音大出身だったし、僕の大学の部活の顧問に至っては自身が元競技者なのはもちろん、体育教育で大学院を出て体育学の教授をやっていた女性だった。うちの大学で実績を上げた後、ブラウン大学に転職していったのが実に印象的だった。こうして、みんなステップアップを図っていくのがアメリカの流儀なのだ。

設備がめちゃめちゃ整っている
高校時代はオハイオ州のコロンバスという地方都市にあるどうってことない高校に通ったのだが、度肝を抜かれるほど設備が整っていた。かれこれ35年前の話だが、今の日本の高校ですら、35年前のアメリカの田舎の高校の設備に追いついていない。400メートルのトラックが普通にあり、フットボールのフィールドがあり、野球のグランドがあった。また、そこそこ整ったジムがあり、やろうと思えば高校時代からウエイトトレーニングを本格的にやる事も可能だった。

大学はさらに整っており、インドア・テニスコート、室内プール、スカッシュのコートなどなどなど、目が点になるレベルだった。ジムに至ってはそこいらのフィットネスジムよりもよほど整っていた。アスリートは部活のないシーズンでも体作りに余念がなく、ベンチプレス100キロなんて誰でも普通に上がる感じだった。日本がなかなかスポーツでアメリカに追いつけないのは、このあたりの設備の差も大きいと思う。

先輩後輩がない
でも、何よりももっとも印象に残っているのは先輩後輩がないことだ。準備も後片付けも遠征の時の荷物持ちも、みんなで手分けしてやるのが当たり前だった。当然さっさと終わるからストレスがない。面白いもので、競技成績の高い者ほどこうした下仕事も熱心に手早くやっていいた。そして社会に出てからも成功している。

日本がスポーツでアメリカに勝つ日は来ない?
正直言って、日本がスポーツでアメリカに勝つのはほぼ無理なんじゃないかな?と思うことが多い。めいめいが部活を変えながら自分にあったスポーツを見つけ、本当にやりたい者だけが、最高の設備の中で、専門の教育を受けた指導者に指導されならが、楽しみながら全力で打ち込む部活と、辞めたら「根性なし」と言われ、負け犬のレッテルを貼られてしまうからイヤイヤながら続ける部活では、比べ物にならない。

無論、たまにはイチローのような例外も出る。だが、あくまでも例外は例外にしか過ぎない。日本の部活動の在り方は、そろそろ根本的に変える時期に来ているのではないだろうか?

続編を書きました。こちらもどうぞ!

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松井博

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