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「おっさんはキモい」という現実を受け入れよう

数週間前にcakes を読んでいたら、「おっさんはキモい」と言う、ごく当たり前の事実を突き付けられる記事に出くわしました。その記事は bar bossa のオーナー、林伸次さんという方が書いた記事で、「​肌も触れたくない女」と題されています。以下、僕がギョットさせられた部分を引用してみましょう。

通勤や通学で、満員電車に乗らなければいけないという人は少なくないと思います。満員電車では、嫌でも誰かと身体が触れ合うことになります。そんな時、どうしてもこういう人に触れられるのは耐えられない、と思ってしまうことはありませんか?
例えば、脂ぎったおじさん。あるいはおばさん。汚いファッションをした若者など、人によって色々あると思います。これ、僕が昔本で読んだあるアメリカの大学の実験よると、男女問わずどんな年齢の人でも、「より若い女性と身体をくっつけたい」と感じて、「より年をとってる男性とは身体をくっつけたくない」と感じるそうです。

なおこの実験の面白いと思ったところは、なんと小さな女の子でも、やはり若い女性とくっつきたいと思っている点です。決して同世代の男の子ではないんですね。そして、年取った男性とくっつきたいとは思っている人は誰一人としていません。中高年のおっさん自身ですら、年取ったおっさんとくっつくのだけははゴメンだと思っているのです。

つまり、世の中の99.9%くらいの人は、僕らおっさんたちを「最も肌をくっつけたくない相手」と思っているわけです。考えてみたら自分自身ですら自分の属性が嫌なんですから、積極的にくっつきたい人などいるはずがありません。

思い出した祖母の一言

この記事を書いていたら、亡くなった祖母の強烈なセリフをふと思い出しました。

「老人会の旅行には行きたくないよ。酔っ払うとジイさんバアさんたちが踊りだすんだ。年寄りが踊ってるところなんか汚らしいから見たくないよ」

このセリフを聞いたのは僕がまだ17、8の頃だったでしょうか? 思わず、「自分だって婆さんのくせに何言ってんだ」とソッコーでツッコミを入れたくなったのですが、今になってよくよく考えてみると、おばあちゃんは極めて素直に本音を口にしていたんだと、改めて納得してしまった次第です。

歳をとるというのは実際に嫌なものです。老眼が始まりますし、白髪も混じり始めます。体力や記憶力の低下も、ハッキリと感じ始めます。同窓会などに行けば、みんなハゲたり太ったりと著しい変化を遂げています。食事が終わると糖尿病や高血圧の薬を飲み出す人も少なくありません。しかも、です。中には加齢臭とかが漂い出している人もいたりするわけです。そして、自分の匂いとは自覚できないものですから、自分がそうなっていないという保証などどこにもありません。そしてそんな自分の姿を自覚せずに無理に若作りすると、ひたすらイタいことになってしまうというわけです。

かつて愛し合ったはずの妻にも「亭主元気で留守がよい」などと言われ、娘さんには「お父さんキモい」と言われ、会社では「オヤジギャグがうざい」と言われ、電車に乗れば誰も隣に座りたくないというのが、僕ら中高年のおっさんなのです。

じゃあ一体どうすればいいのか?

そんな僕らにできることはたった一つ、それはひたすら我慢することだけです。100人に1人くらいはキモいおっさんにならずに済む人もいますが、99%のおっちゃんたちはどんなに悪あがきしてもちょい悪オヤジなどにはなれずに、ただの冴えないおっさんになってしまうのです。ですから無駄な悪あがきはせず、おとなしく我慢し続けるのが、僕らおっさんたちの正しい振る舞いでしょう。

この頃から子供の学費にお金がすごくかかったり、親がいよいよ体が不自由になったり、あるいは少しボケ始めたりしてひたすら気苦労が絶えないわけですが、そうした全ての苦難をとにかく飲み込んで我慢していくしかないのです。

男らしくあることを強要された理由

そういえば子供の頃、ちょっと転んだくらいでメソメソ泣いていると、母親や周囲の大人から「男の子なんだからしっかりしなさい!そんなことでいちいち泣くんじゃありません!」などと、やたらと男らしくあることを強要されましたが、今考えてみるとそれは、おっさんである孤独に耐えていくための前準備だったのかもしれません。

まあしかし、そんなにメゲることはありません。人口の半分は時間の経過と共に、自動的に中高年のおっさんになっていくのです。そして残りの半分はおばさんになっていきます。僕らの前にもおっさんがたくさんいたし、僕らの後にもおっさん達が延々と続いていくのです。おばさんも結局は同じことです。誰も年齢には勝てません。

そうそう、僕はそれでも今おっさんであることをかなりエンジョイしています。開き直ってしまえばおっさんもまた楽しいです。まだ老眼鏡をかければ、やれることも多いです。世の中のおっさん、そしておばさんたちも、気落ちせずに毎日をエンジョイしてください!

こちら、続編を書きました!

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