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スポーツと芸術と食欲の秋_ベートーヴェンとファゴットについて。

今日は真夜中からラグビーワールドカップのアルゼンチンとウェールズの試合をみて、一眠りしてからアイルランドとニュージーランドの試合をみて、試合終了後にすぐに着替えて朝六時にロードバイクで手稲山へ。

札幌はすっかり秋。トップの写真は今日の朝の手稲山。もうかなり紅葉が進んできて、モミジの舞い散る道路を走っていると、今年もあと何回も走れないなあと寂しい気持ちになる。

山から戻って妻と一緒に近くのカフェで朝食。ホットドックとカフェラテ。そのままもう一度手稲山にロードバイクでヒルクライム。4時間ロードバイクに乗り、80km走って1000mを登る。消費カロリー1800Kcal。ヘロヘロになる。

家に戻ってから着替えて妻と一緒に自転車で20分くらいのところにある中島公園へ。すすきのの先にある札幌中心地で一番大きな公園だ。

公園近くのカフェギャラリーでランチ。カルボナーラと生ビール。注文を待っている間にギャラリーの個展を見る。一つ年上のアーティストがかなりぶっ飛んだ個展をやっていた。普通のサラリーマンをやっている自分の心の奥がかすかに揺さぶられた気がした。かすかにだけれど。

ランチの後は中島公園の中にあるコンサートホールkitaraへ。札幌交響楽団のベートーヴェンの第九を聴く。札幌交響楽団は北海道唯一のプロのオーケストラ。札幌コンサートホールkitaraは世界中の音楽家たちがその音響の良さを絶賛するコンサートホール。余談だけれど、私はこのコンサートホールができたときにその設計者と北海道の建築の関係者が集まる座談会に参加した。その時の評価はさんざんで、「なぜこんな古臭いコンサートホールを作ったのか」とかなり辛辣な批評に対してホールの設計者は「私は札幌に世界最高のコンサートホールを作ったと自負している。それは歴史が証明するはずだ」と言い放った。20数年経って、このコンサートホールは、世界でも指折りのコンサートホールとして認知されている。

ベートーヴェンの第九はライブ(?)で初めて聴いたけれど、ベートーヴェンの最後の交響曲らしく、最初から最後まで全く退屈せずに没入できた。その前のメンデルスゾーンの真夏の夜の夢の序曲の間は、ラグビーワールドカップの余韻の中で真秋の昼の夢の中にいたのだけれど、第九は、全く眠る隙を与えない。ベートーヴェンのシンフォニーの力に圧倒された。


大ホールに開演45分前に入って席に座っているとステージ上でもう座って準備している人がいる。ファゴットの奏者だ。ずいぶん念入りに準備している。ファゴットと言う楽器はそんなに目立つ楽器ではない。オーケストラの中ではかなり地味な楽器だ。ファゴットと言われてどんな楽器か分からない人のほうが多いかもしれない。だから、ほとんど一人で45分も前から練習している彼を見ながら、何でそんなに念入りに練習しているのかなぁとぼんやり眺めていた。

私は、ベートーヴェンの第九はほとんど聞いたことがない。たぶん通しで聴いたのは今回が始めてだ。聴いてみて彼がこれだけ事前に準備していた理由がわかった。ベートーヴェンの第九ではファゴットが大活躍するのだ。

私のような素人ではなかなかうまく説明ができないなと思っていたら北大オケのnoteにばっちりフィットする記事があったので、興味がある人はぜひ読んでみてほしい。


地味な(失礼)ファゴットが大活躍するベートーヴェン最後のシンフォニー。聴覚を失っていた彼は、ファゴットに何を託したのだろうか。


スポーツ、アート、音楽。
北海道のとても短い秋を、私は堪能する。


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