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お母さんの読書感想文「PTA、やらなきゃダメですか」

PTA、やらなきゃダメですか
山本 浩資 著
小学館新書
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とても共感した本だった。


著者と同様、私自身もPTA役員に参加し、少なからず改革に携わってきた経験があるから。


とにかく、PTAは評判が悪く、できれば避けて通りたいことの筆頭になっている。


どこの地域でも同じだろう。


役員さんにも温度差があり、中にはやりがいを感じて張り切ってやっている人ももちろんいるのだが、多くは仕方なくやっているパターンだ。


なぜかと言えば、長く続く慣習で運営されてきたPTAという組織が、現状にマッチしていないから。


活動自体の意味は誰も考えていなくて、とにかく続けることが目的になっている。


続けるためには、なんとかして人数を集めなくてはいけない。


そのために嫌な思いをたくさんして、もうやりたくないという気持ちが積み重なり、周りに伝わり蔓延してしまう。


目的が間違っていることに気づいても、声を上げると自分に火の粉が降りかかってくるので、触らぬ神に祟りなし、で何年もそのままになっている。


役員は毎年変わるし、変えるためには時間が足りない、という事情もある。


著者は、複数年かけて改革したが、これは大きなポイントだと思う。


私も複数年やることが決まっていたから、改革をやろうと思ったし、前に進めることができた。


そして一番のポイントは、仲間だ。


なんと言っても、大事なのは人。


思いを共有して、力を貸してくれる仲間がいなければ、改革は難しい。


本書では、著者が周りの人たちに丁寧に説明し、信頼を得ながら改革を進めたことが書かれている。


これは本当に大切なプロセスだと思う。


PTAが制度疲労を起こしている今、なんとかしたいと考えている人たちに参考になるはずだ。


まずは、目的は何か、誰のための活動なのか、こうした「そもそもの部分」をたくさん話し合ってほしい。


それが明確になれば、自ずと次のステップに踏み出すことになるだろう。


本書では保護者の話が中心で書かれているが、PTAには学校も大きく関わっている。


これがまた大事なポイントになるので、そことの関係についても読みたかったなと思った。


私の場合は、学校との連携がすべて、というくらい重要だったから。


地域学校協働本部が置かれている学校も多いと思う。


ぜひ、「そもそもの部分」を大切にしてほしい。


みんなが笑顔になる活動になることを願っている。

2021年4月6日


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