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お母さんの読書感想文「コロナと生きる」

コロナと生きる
内田 樹・岩田 健太郎 著
朝日新聞出版
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2020年、世界中で新型コロナウイルスが猛威をふるった。


未知のウイルスとの遭遇は、さまざまな知見を引き出し、昨今のSNSブームに乗って、いろんな人が言いたいことを言う社会を顕在化した。


まあ、わからないことは不安だし、何が正しいのか誰もわからないのだから、いろんな意見があっていいと思う。


2021年の現在も、いまだ進行形で続いているコロナ禍だが、昨年来たくさんのコロナに関する本が出版された。


誰にもわからない未来を予測したものもたくさんあったが、現在進行形の状況では、予測された内容の答え合わせみたいな読み方になってしまうのは仕方ないことかな。


本書も、2020年春から夏にかけての対談をまとめたものなので、その後の第2波、第3波、始まりかけている第4波については書かれていないが、その時点での著者お二人の意見として、なるほどと思えるものだった。


世界中で同時進行しているコロナ禍なので、国民性や文化が色濃く出るなということを感じている。


ロックダウンを強制しなくても、同調圧力でみんなが自粛する日本をすごいとかいい国だ、などというつもりはない。


そういう国民性なんだよね、という事実を受け取るだけだ。


それよりも、政治が国民のためにあるというよりは、政治家のためにあるように見えてしまうことに危機感を持つ。


誰も責任を取らない、この国の政治や行政で、大丈夫なのだろうか。


なんとなく、日本は大丈夫だよね、なんとかなるよね、というムードが醸成されて、それに感化されていくことに怖さを感じる。


一般人には、コロナを巡るさまざまな専門的な議論は難しくてわからないけど、客観的に判断できるデータや基準となる指標を出してほしい。


それらをきちんと自分の目で見て、どういう事なのかを自分で考えてみる必要があると思うのだが、それは面倒くさいことなのだろうか。


刻々と変化している時なので、どうなったらいいなという先のことは考えにくいが、せめて今どうなっているのかは正しく知っておきたい。


責任を取らない政治や行政に、国民は振り回されているんだなということをしみじみ思った。

2021年4月1日


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