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UXグロース提供企業の成長戦略担当としてこれまでしてきたこと(その3): 分析ツールの価値提供方法とは?

前回のエントリー(その2)では、私が新サービスを開発するにあたって理解すべきことの1つ目を説明しました。今回のエントリーでは残りの1つ、「USERGRAMを使ってお客様が実現したいと思うことを、なぜ実現できなかったのか」を説明していきたいと思います。

(ちなみに私が在籍している会社はこちらのリンクからご確認ください)

プロダクトの価値が発揮できない時に検討すべきこと

あらためて前の記事を簡単に振り返ります。
まずUSERGRAMに関連する新サービスを開発するにあたって、最初に次の2つのことを明らかにしようと決めました。

・どのような課題に対してUSERGRAMを使いたいと考えているのか
・なぜそれが実現できていないのか

前者は言い換えると「プロダクトが満足すべきニーズを理解する」ということになります。最終的にはこのニーズを十分に満足するものを作ることができれば、USERGRAMはプロダクトとして独り立ちしてお客様に価値を提供できるようになった・・といって良いでしょう。


次に後者を考えるにあたっては、まず分析ツールやBIツールと呼ばれるシステムが「価値が提供する」ためにはどのような条件が必要であるかということを検討しました。

1: ツールが価値を提供するためには、ツールの機能自体が顧客のニーズを満たすものでなければならない。
2: しかし、分析ツールの場合はそれだけでは十分ではなく、依然としてツールから得られる結果は、顧客のスキルや体制などの状況に依存する。
3: さらに、顧客がビジネス上の成果を期待しているのであれば、分析結果が提示されただけでは十分ではなく、その分析から得られた洞察や示唆が実現される必要がある。

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言い換えると、現状のテクノロジ−レベル(これは我が社のではなく、世の中全体)では分析ツールの価値が十分に発揮されるためには、プロダクトそのものの改善ではなく、周辺のサポートが必要になるということです。

ツールサポートを超えたお客様への支援

USERGRAMは2017年に市場向けにリリースされており、この4年近くの間に多くのお客様にご利用をいただいてきました。もちろん最初は十分な機能を提供することはできなかったため、ご迷惑をおかけすることも多かったと聞いています。

そのようなお叱りの中で多かったのが「ツール自体の使い方は分かったが、それを使って改善案を出す方法がわからない」という声だした。そういった声にお答えするために、ツールの市場投入から間も無くして、いわゆるカスタマーサクセスチームを立ち上げました。
カスタマーサクセスチームはUSERGRAMを利用するための技術的な方法論だけではなく、利用して改善案を出すための考え方を学ぶためのワークショップを提供しています。

このカスタマーサクセスの働きにより、USERGRAMというプロダクトの価値は大きく改善しました。サポートがない時に比べて熱狂的に利用してくださるお客様も増え、実際にビジネスの成果を出せたという声も多くいただくようになりました。

一方で、依然として「うまく使いこなせない」「期待通りではない」という言葉も多くいただいたというのも事実です。これまではそういった声に対して、主にプロダクトの改善により提供価値の改善を図ってきたのが、プロダクトの進化の歴史だと言えるでしょう。

しかし上の図を元にして考えると、本当に価値を提供しようとすれば、プロダクトの機能改善だけでは不十分であるということは、明らかでした(もちろんそう言った結論を出すまでに、社内で様々な方向から議論をしました)。

そこで、新サービスはこれまではカバーできていない領域・・具体的に言えば「お客様担当者/部署の状況」や「お客様の内部環境」を改善するサービスとすると方向性を決定いたしました。
ツールそのものの改善は休むことなく続ける、しかしツールを使うのが人や組織である以上、そこへの支援を行うことでより大きな価値を提供できるようになると考えたのです。



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