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ディープテックと行動変容 Climate Tech Dayへの招待

今日のテーマはディープテックと行動変容について。自分がプライシングの事業を通じてずっと考えているテーマでもあります。今週末6月25日に東京大学で開催される「Climate Tech Day」において、「市場・経済」というテーマセッションに参加し、この問題について語らせていただく機会を得ました。

このnoteは、以下のポッドキャストの文字起こし+ChatGPTによる文章化で書かれています。正確じゃない部分もあるかもしれませんのであしからず。

まずはイベントの全体像からご紹介します。「Climate Tech Day」は、地球温暖化という問題に向き合い、その緩和や変化に適応するための技術やビジネスに取り組む人たちが一堂に会する場です。興味がある方は、事前にご登録いただければ参加可能です。まだ座席もあると思いますので、ぜひお越しいただければと思います。

このイベントでは、クライメイトテック(気候変動技術)という、ビジネスの視点からも環境保護の視点からも注目を集めているテーマについて、多角的に考えることができます。投資家やベンチャー企業も注目していることからも、その重要性がわかります。

さらに、モビリティや住居、製鉄、食料、農業、セメント製造、森林、海洋、エネルギーといった、様々な産業や領域に焦点を当て、それぞれがどのように温室効果ガスの排出を減らし、脱炭素化に向けて進んでいくか、どのような技術が必要かといったことについて議論が交わされます。

各企業や研究者がどのようなイノベーションに注目しているのか、どのような取り組みをしているのか、といった情報も共有される予定です。

ディープテックじゃない「市場・経済」セッション

私が参加する「市場・経済」のセッションは、このイベントの中でも異色のテーマになるでしょう。それはなぜかというと、気候変動対策について、各産業の技術的イノベーションの観点からだけでなく、経済学やマーケティング、エコノミーの観点から議論するからです。

ディープテックや科学的知識が中心のなかで、なぜ「市場・経済」というテーマが存在するのか、その意義についても話をします。

私の考えとしては、現在世界中で「カーボンニュートラル」、つまり温室効果ガスの排出をトータルでゼロにしようという動きがあるなかで、この目標達成のためには、カーボン排出が少ないまたはゼロにできる生産方式やソリューションが必要なだけでなく、個人や企業の行動変容が求められるからです。

新しい車両や発電方法、セメントの製造方法、新しい食糧の製造方法など、これらのソリューションを開発するだけでは、カーボンニュートラルの実現は難しいという問題があります。

新しい製造方法や素晴らしい技術が生み出されることは喜ばしいことです。例えば、セメントの生産方法や、メタンガス排出が問題となっている牛肉に代わる、味も遜色ない植物ベースのお肉など、革新的な技術が現れています。

しかし、これらの新しい製品や技術は、現時点ではまだ高価です。グリーンプレミアムと呼ばれる現象で、新しい植物ベースのお肉は従来のお肉の約1.5倍のコストがかかることが現状です。この1.5倍の価格差があるなかで、消費者が喜んで選ぶかというと、難しいと言わざるを得ません。

https://breakthroughenergy.org/our-approach/the-green-premium/


同様に、炭素回収の可能なセメントの製造コストは、現在使用されているセメントと比較して約75%から140%も高くなってしまいます。これでは、たとえ新しい技術や製造方法が生まれたとしても、多くの人がそれを選ぶことは難しいでしょう。

https://breakthroughenergy.org/our-approach/the-green-premium/

私たちは経済の観点からこの問題を見ていきます。一般的には、量産されることでコストが下がるのが常です。しかし、最初に高価な商品を選んでくれる人がいなければ、量産化によるコストダウンが実現しないという、いわゆる「鶏と卵」の問題があります。

これらの問題は、食品やセメントだけでなく、さまざまな分野で起こっていると考えられます。これを解決するためには、どのようなアプローチが必要なのか、これが次の大きな論点となります。

コスト差・グリーンプレミアムを超えるために

まず大きく三つのアプローチについてお話しします。一つ目は消費者や企業へのエデュケーション、つまり教育と啓発です。ここでは、製品が高価でもその製品が環境や個々人の健康によいということを伝え、選択を促すことが目標となります。実際には、すでに行動を変え、たとえば牛乳ではなくオーツミルクを選ぶようになった人もいますが、まだ多数派とは言えません。

二つ目のアプローチはコストイノベーションです。これは、高額な環境に優しい技術や製品の価格を下げることで、より多くの人々がその選択をできるようにする取り組みです。

三つ目のアプローチは、製造や製品のコストに炭素排出を含めることです。現在、製品が安価に提供できるのは、炭素排出がコストに含まれていないからです。新たな生産方法では、炭素を回収したり、炭素を出さないようにしたりするための投資が必要です。従来型の製品はそのコストを払わずに、炭素を排出することができます。ここで、炭素排出に対する課税や規制を導入することで、そのコストを製品価格に反映させるというのが三つ目のアプローチです。

これらだけが唯一の手段ではありませんが、To C(ビジネス対消費者)とTo B(ビジネス対ビジネス)の両領域で、グリーンプレミアムのコスト差をどのように克服し、行動変容を促すかという課題を考える上で重要なアプローチです。市場や経済のメカニズム、デザイン、インセンティブの創出などを通じて、どのように行動を変えていけるかを議論するセッションにしたいと思っています。

ポッドキャストをお聴きの皆さん、イベントの前後に関わらず、是非ともご参加いただければ幸いです。後日、イベントのアーカイブや議論の内容なども共有されると思いますので、ご興味があればぜひチェックしてみてください。

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