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あなただけの "時間" を刻む、コドウ時計

「時間」をテーマにした表現活動を行うユニット KOKUIKKOKU として、第一回目の展示を行いました。葉山にあるカフェ、HIMADA COFFE さんをお借りした、「時と珈琲」というタイトルでのインスタレーション展示です。

HIMADA COFFEE さんの珈琲を飲みながら作品を楽しみます。

ロゴはこちら。砂時計と珈琲のドリップを組み合わせたもの。

Time is ...

「時間」あまりにも壮大過ぎるテーマですが、僕の大好きな小説「モモ」で、ミヒャエル・エンデは語ります。

「時間をはかるにはカレンダーや時計がありますが、はかって みたところであまり意味はありません。というのは、だれでも 知っているとおり、その時間にどんなことがあったかによって、 わずか一時間でも永遠の長さに感じられることもあれば、ほんの一瞬と思えることもあるからです。

なぜなら、時間とは、生きるということ、そのものだからです。 そして人のいのちは心を住みかとしているからです。」

葉山を訪れる人がみな、「葉山は時間の流れが違う。」と時間について言及することを起点に、時間に対する様々な考察と作品作りを行いました。

そして、最終的に行き着いたのが...

あなただけの時間を刻む、コドウ時計

誰にとっても同じ時間ではなく、その人だけのその瞬間だけの時間というものがあるのではないか。そんな問いかけから生まれた作品です。

コドウ時計は、自分にしか聞こえない、いや自分すら存在を忘れてしまっている、自分の鼓動を振動として奏でてくれるデバイスです。

この作品の特徴は、自分の鼓動を自分で感じることができるのはもちろん、他の人にもその鼓動を感じてもらうことができることです。パートナーや家族以外に、自分の鼓動を感じてもらうことは殆どないと思うのですが、それを実現した作品です。

他人に自分のコドウに触れてもらったり。

自分のコドウと他人のコドウをお互いに交換してみたり。

また、複数人で、お互いの「自分だけの時間(コドウ)」を奏でてみた時に、全体としてはどんな時間が生まれてくるのかを体感したり。

なぜ、「コドウ」に着目したのか。

自分たちでもよく分かりません。ただ、「コドウ」とは、生と死の象徴であり、自分の時間とともにあり続ける存在であり、無意識でも自動的に動き続け、自分でコントロールができない存在です。

この作品を作り終え、改めて「モモ」を読み返した時に、みつけた言葉がありました。

「光を見るためには目があり、音を聞くためには耳があるのと おなじに、人間には時間を感じとるために心というものがある。

そして、もしその心が時間を感じとらないようなときには、その時間はないもおなじだ。ちょうど虹の七色が目の見えない人 にはないもおなじで、鳥の声が耳の聞こえない人にはないもおなじようにね。

でもかなしいことに、心臓はちゃんと生きて鼓動しているのに、 何も感じ取れない心を持った人がいるのだ。」
(ミヒャエル・エンデ「モモ」)

The reaction is ...

面白い位に、人によって違う感想を持たれます。

自分だけの時間を感じたという方、複数人で鼓動をつないだ時に生命の連環を感じた方、昔精神的にやんでしまった時にこのデバイスが欲しかったという方、自分の身体が拡張した感じがするという方、教育やコミュニケーションといった社会課題への展開をおっしゃる方。

本当にいろいろな「意味」をこの作品に見出していただきました。

Our team is...

最後に、プロジェクトメンバーは多数いる中で、今回の作品作りをメインで行った、テクノロジストの雪野さんと、プロダクトデザイナーの藤本さんとの写真。モノを作るってどういうことか、二人からたくさんのことを教えてもらっています。

What we are gonna do...

今回は、KOKUIKKOKU としての「第一弾」です。

今回の作品を経て、様々なインスピレーションが飛び交い、交わり、爆発しました。これから、この作品は自己進化を遂げていきます。様々なビジョンや可能性を感じていますが、ひとつずつ具体的に形にしていきます。

まずは夏に今回の作品をベースに、多分人類としてまだ経験したことがない体験を提供していきます。ご期待下さい。更に、時間を象徴するものといえば「時計」。これを再定義する作品も作っていこうと思っています。

ぜひ、これからの私たち KOKUIKKOKU の作品を楽しみにしていてください。

※ 5月26日に、今回の作品の発展形で、作品を楽しむだけではなく、「わたしの時間」を表現するワークショップも開催します。
https://www.facebook.com/events/277016743184673/

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