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鳩と魂を飛ばします、東京に。

鳩といえば、毎日のように実家のベランダに現れるはた迷惑なヤツでしかありませんでした。

昼間、ふと窓の外を見るといつの間にやらベランダの柵に腰を下ろしている鳩。お邪魔しますの一言もなく、その上ひどいときにはうんちの置き土産まで置いて去っていく失礼極まりない存在でした。立つ鳥跡を濁さずと最初に言い出した人には、ぜひとも皐月家ご招待券を進呈したいところです。

ある日痺れを切らした父が柵に設置した鳩避けにより、鳩が我が家に足を踏み入れることはなくなった──かと思いきや、鳩は今度は柵も鳩避けも乗り越え、ダイレクトにベランダに舞い降りてくるようになりましたとさ。ヤツらとの攻防戦は、現在も続いているとか続いていないとか……。


そんな鳩にまつわる、鳩の鳩による鳩のための鳩しかいないアンソロジーが、文学フリマ東京で発売されます。(通販もありますよ)
そして私もこちらに寄稿しております。鳩と豆と少年少女の物語を書きました。

なんとこのアンソロジー、作家77名による77の作品で構成されている、ボリュームたっぷりの1冊。小説やエッセイ、詩にイラストなどなど……つまり77通りの鳩を楽しめる、あまりにも贅沢な本なのです。

こちら、77名の錚々たるメンバー(自分で言うな)一覧。

そして文フリカタログ。詳細はこちらから見ていただけますと幸いです。

アンソロジーや作品集をはじめとした企画って、本当に企画者の信頼性にかかっていると思うんです。(急に真面目な話)

私は過去にお呼ばれした作品集企画で、企画者の方のやり方や考え方に疑問を感じ、辞退させていただいたことがありました。他者の作品に対するリスペクトや、作者と作品を守る意識が最低限にすら達していないと思ったからです。自分の作品はあくまでも自分のもの、だから傷をつける前に作品ごと身を引くことにしました。

あれからnoteに限らずいろんな企画に参加してみましたが、何よりも重視していたのは企画してくださる方の企画に対する姿勢です。
どんなに小さな企画でも、募集した作品を丁寧に扱っていたり、何度も行っている企画であればそのたびにルール改訂を重ねてよりよい企画にしようとしていたり、そういう創作に対する真摯な姿勢を見ると、参加してみたい!と思えます。

今回の鳩アンソロジーを企画してくださった藤井佯さんに関しても、要所要所で「ああっこの方めちゃめちゃちゃんとしてる……!」と思わされる場面が何度もありました。いや、それが当たり前なのかもしれないですけど、できない人もいることを知っている身としては、本当にありがたいんです。

この人には安心して作品を任せられる。そう思ってもらえる企画ができる方は、きっといい企画ができるし、素敵な作品を作ることができると思うんです。つまり何が言いたいかというと、この鳩アンソロジーは間違いなく素晴らしい本になっています!!!!ということです!


適当に開いたページをぱらぱら読むのもよし、目当ての作家さんを探して読むのもよし(私も見つけてもらえたら嬉しいな)、それこそ楽しみ方も十人十色の作品集です。

鳥が好きな方、そうでもない方、新しい作家さんに出会ってみたい方、たくさんの作品を楽しみたい方。本を愛する様々な方にぴったりな本だと思います。ぜひぜひ、文学フリマ東京にて、それから各書店にて、もしくは通販にてお求めになってみてください。

こちらは通販のリンクです。絶賛予約受付中だそうです!

その他、詳細は藤井佯様(@hitohitsuji)のTwitter(X)アカウントをご覧ください。

一参加者の分際で長々と書いてしまいましたが、どうしても、この本を一人でも多くの方に知っていただきたくて。
東京の空に、華々しく鳩が羽ばたく姿を思い浮かべながら。私は地方から鳩と魂を飛ばします。


〈追記11/13〉
文フリ東京当日は115冊完売したとのことです。すごい!おめでたい!!!
文フリは終わりましたが、通販は引き続き販売中だそうです。気になる方はぜひ。

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