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関西弾丸貧乏一人旅 後編

前編はこちら



前編の終わりに書いたが旅行中の1日を使って結構な大冒険(当社比)をした。
早朝から夜遅くまで使って徳島と淡路島を回った日のことだ。

渦潮を一度生で見てみたかったのである。

あの時は4時に起きて三宮まで電車で向かい、6時ぐらいに出る徳島行きの高速バスに乗った。
途中の高速鳴門で降りて渦の道近辺を散策しながら朝のうずしおの時間を待っていた。
竹の棒にちくわが刺さっていたのを食べたのが美味しかったんだけど、肝心のうず潮はそれほど渦〜〜!っていうコンディションじゃなかったのを覚えている。

それから徒歩だったかバスだったかはよく覚えていないのだが大塚国際美術館へ。

大塚国際美術館は陶器でできた世界の名画が美術の歴史になぞらえて展示されている変わったコンセプトの美術館だ。
とにかく絵が丈夫だしデカい。

2018年の紅白歌合戦で米津玄師がLemonを歌ったことでおなじみのシスティーナ礼拝堂の展示はもう見渡す限り荘厳な光景が広がっていて、美術に強い興味があるわけではない私でも圧倒されっぱなしだった。

あとはモネの睡蓮の展示は実際に睡蓮の花に囲まれた屋外に展示されていたのも印象的だった。
陶器でできているから屋外に出しても大丈夫という特性を使った展示でその発想に感動した。
そこを抜けた先にあるギャラリーカフェのあじさいのような色彩をしたソーダも美味しいし目にも嬉しい見た目だったのを覚えている。


美術館を見た帰りはバスに乗り遅れて、少し山を降りて歩いてから別のバスに乗って鳴門駅に行った。
鳴門駅の裏にあるスーパーでそぼろのお弁当を買ったら箸をつけてもらえず、スプーンを代わりにつけてもらったのだがお店の人からおそるおそる「これでいけますか……?」と尋ねられたのが少しおかしくて笑ってしまった。

そこからバスに乗って淡路島へ向かったのだが窓から見えた景色にも圧倒された。
大塚製薬の大きな倉庫が何個もあって、巨大な倉庫の壁いっぱいに精彩なポカリスエットやJAVA TEAの絵が描かれていたのである。
まずポカリやジャバがデカいだけでもびっくりするのに、それが美術として街に溶け込んでいるのが文化の違いすぎてカルチャーショックだった。


淡路島に渡ってなぜか地元のジャスコをフラフラしながら路線バスとコミュニティバスを乗り継ぎ、淡路島側から渦潮を見ることができる遊覧船のスポットに向かう。
遊覧船乗り場はお土産物屋も兼ねていて、たまねぎソフトを食べたらなかなか風変わりな味だったのが忘れられない。

遊覧船の中ではどうして瀬戸内海で渦潮を見ることができるのかをわかりやすく紹介したビデオ(多分VHS)が流れていて勉強になった。
2つの海流のぶつかりあいが渦を作り出すらしい。

ただ、私が向かった日は渦潮のコンディションがあまりよくなかったようで、小さな潮の流れがまるーくなっているのを認められるぐらいだったような気がする。
「これが多分、渦潮なのかな……?」というぐらいだった。

船を降りたらちょうどお土産屋が閉店の時間で店長の「買うなら今!今しかないですよ!」という声に乗せられお土産を物色した。
淡路島といえばたまねぎというイメージが強かった私は大きな網袋に入った5つのたまねぎを買ってお土産袋をパンパンにして帰りの高速バスに乗った。

結局三宮に戻ったのが21時ぐらいで、駅に入っていた蕎麦屋で天ぷらそばを食べて宿に帰ったのは23時も過ぎた頃だった様な気がする。
翌日また神戸に行ってどうぶつ王国を見に行くつもりだったが結局体力が戻らず1日を寝て過ごしてしまった。
でも夜になんばの町をぶらぶらしてA県にはない関西特有っぽいチェーン店で和風パスタを食べたり、たまたま川沿いで演奏してたバンドのCDを買ってみたりと体力なかったなりに充実した1日を楽しんだ。

帰りは伊丹からA空港まで1時間半ほど。
お土産にいつも買うのが551の肉まん(冷凍チルドのやつ)だ。
私はベタなお菓子も買うが漬物やキムチを買うのも好きで、千枚漬けだとかトマトのキムチだとかをよくおみやげにしていた。
キャリーバックに5つ入りのたまねぎを詰めるのが大変だったのもいい思い出だ。


あれからコロナがきたり仕事を辞めたりで、旅行に行くこと自体が難しくなったため関西方面へは行っていない。
だが、本来生きていたら縁もゆかりもなかった土地へ少しお邪魔する旅行もそろそろ悪くないですよね。


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