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わたしの読書遍歴 まんが編

2日間にわたって私の読書への向き合い方と、活字読書遍歴について紹介させていただいた。
今日は最後。
まんがと私の話だ。
いつもの3倍ぐらいの分量になってしまったのでご了承ください。

これまでの話はこちらからご覧いただきたい。



ところで私が初めて漫画を知ったのは、家族から買い与えられた「小学一年生」の雑誌を読んだ時だった。
私は「〇〇ならば△△すべき」という思い込みが強い性格で、「小学1年生になったのなら小学一年生を読むべき」だという思い込みもそういったひとつだった。

といってもこの頃小学一年生読んでいた漫画の記憶はあまりない。
一年生向けの雑誌だったからしっかりコマを割ってある漫画に割くページが少なかったのだと思う。

けれど、おそらく初めて漫画を読んだのはこの頃だったと考えられる。
小学三年生で『ズボラーキングのばらちゃん』が始まった時結構ワクワクして読んでたのは覚えてるし。


単行本の漫画を初めて買ったのは『ハムスター倶楽部』が最初だったはず。
私は小学校低学年の頃に向かいに住んでいたNちゃんの家にいたふわふわのハムスターを見てからすっかりハムスターの虜になり、ちょっとしたハムスターフリークと化していた。

何をするにもハムスター、ハムスターで、本屋に連れていってもらった時にめで鯛先生が描いたかわいいしげっちの絵を見て感激したのを覚えている。
ほかにも『ハムスターの研究レポート』だとかも読んでいて、家で本物のハムスターを飼ってもらえない分漫画でハムスターに没頭していた。

ハムスター倶楽部やハムスターの研究レポートは4コマ漫画だったけれど、小学3年生か4年生になるころ、「もう中学年なんだし4コマじゃない漫画も何か読まなきゃ」と思い立って手に取ったのが『あさりちゃん』だった。

ハムスターの漫画たちは「好きなものについて描かれた漫画だから好き」という感じだったけど、あさりちゃんは「漫画が面白いから好き」という感じ。
その頃既にあさりちゃんは60巻以上刊行していた長寿漫画で、古本屋に通ってたくさん集めたけど、結局全巻制覇する前に成長して別の漫画に興味が移ってしまったのはもったいなかったなと思っている。

あさりちゃんと同時進行で『ちゃお』を読んで『はじけてB.Bシリーズ』とかに夢中になったのもあったけど、巻末の投稿ページを見て「漫画って自分で描けるんだ」と思った時の衝撃も忘れられない。
当時はA駅の駅ビルに文房具店があって、そこがおそらく県内で唯一アナログ漫画に使うペン先とかスクリーントーン、原稿用紙なんかを買える場所だった。
お小遣いやお年玉を使って道具を集めて一丁前気取りで漫画の原稿を描こうとしたのを覚えている。

あと、まだ小学生だったのに『ちゃお』の中の広告に載っていたからという理由で毎月雑誌を買っていた書店で『少女コミック』を買ったらめちゃくちゃ大人向けな内容で親にもう二度と買ってくるんじゃないとめちゃくちゃ怒られたのも覚えている。

小学校高学年に差し掛かる頃、祖父が取ってくれていた『毎日小学生新聞』にてアニメ版の『鋼の錬金術師』を紹介する連載が始まった。
当時A県はアニメ過疎地で、基本的に漫画からメディア化するアニメはテレビに映らない地域だったので「今回もどうせ見れないやつだな」とスルーしていたのだが、たまたま家に遊びにきていた友達がエドのビジュアルにドハマりしたのをきっかけに事態は大きく動き出す。

私は彼女に頼まれて毎週土曜日に載っていたハガレンの連載を切り抜いてはファンシー封筒に入れて渡し、話を聞くという文通をしていた。
すると近いグループにいたクラスメイトたちのあいだでハガレンが話題になり、みんなで原作の漫画を集めたり当時放送中だった無印ハガレンのアニメの円盤を集めたりとめちゃくちゃに盛り上がりだしたのである。
これが私の少年漫画デビューだった。
「女の子の漫画は女の子が読む」「男の子の漫画は男の子が読む」という私の視野が狭い思い込みがデカい音を立ててぶっ壊れた瞬間でもあった。

ついでの話をすると、BLを知ったのもこの頃だ。
東京に旅行に連れていってもらった時に、漫画を描くための道具を買える世界堂に行ったらレジに置いてあった同人投稿雑誌があって、同じ漫画の雑誌なんだと勘違いして買った。
するとそこにはカードバトル漫画のBL二次創作大人向け同人誌を出すので買いに来てくださいね、というイベント告知の投稿が載っていたのである。
そこからなし崩し的に仲間内でアンソロジーの存在が明らかになり、私たちはどんどんBLも嗜む系人間へと進化を遂げていた。

大事なことを書き忘れていた。
友達にはすすめなかったけど大好きな漫画が1つある。
榛野なな恵先生の『Papa told me』だ。
これは母の愛蔵書を勝手に読んでいて夢中になったし、読んでいて自分の中のあらゆるところでパラダイムシフトが起きた大事な漫画だ。

中学生の頃は少年ジャンプの漫画ばかり読んでいたような気がする。
当時は『銀魂』『家庭教師ヒットマンREBORN!』『DEATH NOTE』を主に読んでいて、たまにギャグマンガ日和も買うかな、ぐらい。
吹奏楽部の友達の間では『テニスの王子様』がめちゃくちゃ流行っていたけど私にはあまり合わなくて楽しそうだな〜と眺めていたのを覚えている。
というのも私はこのころポルノグラフィティに大ハマりしたのをきっかけに当時でいうロキノン系の音楽を聴くのに夢中になり、漫画に割くリソースが少なくなっていたのだ。

高校生になると、音楽を聴くのと並行してチュートリアルをはじめとする芸人のオタクにもなっていたため(当時彼らはM-1グランプリ2006の王者になって大ブレイクの最中だった)ますます漫画を読む機会は減った。
それでも銀魂は引き続き読んでいたし『聖⭐︎おにいさん』だとか流行りの漫画はポイントポイントで抑えていたような気がする。
あと、この頃高校の最寄りのA駅に大きなジュンク堂ができたので学校帰りにちょくちょく寄っていろんな漫画や書籍を開拓するのが楽しかった。

大学時代は運動音痴なのにスポーツ漫画ばっかり読んでいた。
『黒子のバスケ』『ダイヤのA』『GIANT KILLING』は特にお気に入りで我を忘れて興奮していた。
本格的に「二次元のオタク」になったのはこの頃だったと思う。
漫画ではないけど『デュラララ!』にもちょっとハマっていた。

当時アパートのそばにはコミックレンタルができるTSUTAYAがあって気になる漫画はとりあえず借りる→めちゃくちゃ気に入ったときに買うというサイクルが仕上がっていった。
手塚治虫の『ブッダ』とかもここで読めて、難しいけど読んだ甲斐がある漫画は今のところこの作品ぐらいだと思う。
横山光輝の『三国志』があったのに借りそびれたのだけ心残りだ。

あと、スポーツ漫画じゃないけど大学の漫画サークルで読んだ『よつばと!』の衝撃も忘れられない。
(その後漫画サークルはメインを張っていた先輩のカップルが講義室でもどこでもイチャついている姿をしつこく目撃せざるをえない事態が続いたためなんとなく疎遠になった)
そして読書メーターで『惑星のさみだれ』と『BANANA FISH』をおすすめしてくれた人たち、本当にありがとう。


ここまでで2800字ほどといつもよりだいぶ多めにお届けしているけどまだ学生時代を終えた私と漫画の話が残っているし紹介しきれなかった漫画と一緒にかいつまんで紹介したいと思う。
順不同。

九井諒子『ひきだしにテラリウム』『竜の学校は山の上』
ファンタジーなのに科学的な短編がたくさん詰まっている。
天使の羽で飛ぶにはどうしたらいいかだなんて科学的に考えたことなかった。

吉河美希『山田くんと7人の魔女』
私を進学校漫画フェチにしたのはこいつだ。
山田がたくさんの女子とキスする漫画だけど男ともキスをする。

ろびこ『となりの怪物くん』
雫ちゃんのツインテールがかわいくて好きだった。
これも進学校漫画。

篠原健太『SKET DANCE』
進学校漫画。
私は安形兄推し。
兄とボッスンが戦うビバゲー編が激アツ。

稲垣理一郎・村田雄介『アイシールド21』
とにかく熱い展開から眼が離せないなんて簡単な言葉でしか形容できなくてごめん。
そして読んでみると意外に少年漫画のベタなお約束を適度にハズしてくるのが心地よい。
モン太の成長ストーリーが特に好き。

あずまきよひこ『あずまんが大王』
4コマ漫画のなかでゆっくり流れる時間と青春、そして笑い。

小池定路『父とヒゲゴリラと私』
お父さんと幼稚園の娘とヒゲゴリラが一緒に暮らしている4コマ漫画のお話。
全巻集めそびれたことをめちゃくちゃ後悔している。

椿いずみ『月刊少女野崎くん』
こちらも4コマ漫画。
キャラクターの麗しさと面白さのバランスが絶妙で、そこからさらに掛け合っていくからどんどん楽しくなっていく。

青桐ナツ『flat』
無気力高校生が幼稚園児を預かるだけなのに何故かかわいいが止まらない。

石川雅之『もやしもん』
この漫画を読んで農学部に進学しようと思った人はどれくらいいるんだろうか。

松島直子『すみれファンファーレ』
母と小学生の娘2人ぐらしのほのぼのでちょっと泣ける漫画。
調べてたら完結してたのでなんとか集めたい。

篠原健太『彼方のアストラ』
篠原健太先生はいつもそうだけど何が後から効いてくるかわからない。
一コマたりとも気を抜けないSF。

葦原大介『ワールドトリガー』
冷静にアツくなれる漫画ってあるんだと教えてくれた貴重な漫画。
イコさん推しです。

高松美咲『スキップとローファー』
これも進学校漫画。
みんながみんないいやつで、その上で起こる出来事を丁寧に取り上げて物語になっているのが好き。
心の機微が繊細に描かれてて震える。

藤本タツキ『チェンソーマン』
アクションを褒める人が多い印象だけど私はこの漫画のヒリつくような貧しさや鍋の底焦げたようなギリギリ感を描いたシーンが好き。

藤本タツキ『ルックバック』
A県民だから先生の漫画を贔屓しているわけではなく初めて読んだとき強い共感とささやかな寂しさで胸がいっぱいになった。
アニメ映画楽しみにしています。


まだまだたくさんあるけど書ききれない。
ここまでで普段の記事2〜3本分になってしまった。

私に取って漫画は「共感とトリップ」だ。
活字本と同じようにどこか知らないところへ連れていってくれる存在でもあるし、親しみやすい画面でそばにいてくれる存在でもある。
絵を見ると思い出がたくさんよみがえってくるのも漫画の醍醐味だと思う。
キャラクターに親しみを込めやすい。


さて、3日間に渡って「本とわたし」を突き詰めてみました。
noteにいるみなさんはきっと私よりもたくさんいろんな本や漫画を読んでいることでしょう。
あなたの生涯付き合いたい本、今おすすめの本はなんですか。
ぜひ教えて欲しいです。


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