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雨の日の月曜日は。

こんな雨の日の月曜日は、身体が重くて、こころも重くて、傘の中、いつもよりすこし視線を落としてしまう。

水たまりに足がとられてしまわないように。
これ以上こころが湿って澱んでしまわないように。

こんな雨の日の月曜日は、だからキミからのメールがいつもより温かく感じられる。

「おはよう」。
「今日もお疲れさま」。

そんないつもの些細な言葉一つひとつに、温度を感じる。
湿ったこころが、乾いていく。
その優しさをしっとり受けとめて、同じだけ返したいと思う。



雨というのは、いつもよりすこしだけ人を優しくさせる力があるのではないかと思っている。

雨だから、待ち合わせの場所へ急ぐ。
待っている人が、すこしでも濡れてしまわないように。

雨だから、早く家に帰る。
待っている人が、より温かくなれるように。

雨だから仕方がないと、何かをあきらめることがある。
でも、それはそれでいい。
そのかわりに、もっと素晴らしい何かに出あえることがあるから。
日ごろのあたりまえのことに、感謝の気持ちを持つことができるから。

雨だから仕方がないと、何かを赦せたり、赦されたりすることがある。
怒っても、仕方がない。
責めても、仕方がない。
だって、雨だから。


だからもし、どうしてもだれかにイライラしてしまって、怒りたいことがあっても、すこしだけ踏みとどまって考える。
たとえそれがどんなに晴れた日であっても。

その人のこころには、今日のような、哀しく冷たい雨が降っているのかもしれないと。


雨の日のこころの重さを、ぼくらは知っている。
雨の日に流した涙の切なさもきっと、ぼくらは知っている。


だから雨の日は、いつもよりすこしだけ優しくなれるはずだ。


だから、こんな雨の日は。


だから、身体もこころも重い、こんな雨の日の月曜日は。


大切な人の、顔を見よう。
大切な人に、顔を見せよう。

大切な人の、言葉に触れよう。
大切な人に、言葉をかけよう。




今日もありがとう。
今夜はゆっくり休んでね。







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