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帰ってきたら、ゆっくり飲みましょう。

引越しを終えてから、最初の日曜日。
ゆっくり寝て、昼過ぎに起きた。
パートナーは用事で外出していて、ぼくは今ひとり、新宿のカフェでこれを書いている。
ひとりの時間はこれまで当たり前だったのに、ふたりでいるはずの家にひとりポツンといるとなんだかとても寂しい気持ちになって、何をしていいのかよくわからなくなった。
まだ片付けだったり掃除だったり、やることはいくらでもありそうなものなのだけれど。

外に出ると、空は灰色がかっていた。
雲はまるまるとその身体を太らせて、熱だけを通して光を遮っている。
今年はすこし頑張り過ぎていると思う。
ぼくじゃなくて、雲が。
はやく梅雨の締めくくりの雨を降らせて、楽になればいいのに。

この1週間、ぼく以上に彼女はテキパキと仕事をこなし、掃除をし、洗濯をし、ごはんをつくりと、フル回転で動いてくれた。
うれしいしありがたいし、今日は彼女が喜びそうなものを何でもいいから買って帰ろうと思っていたけれど、フラフラと新宿をさまよった末に、疲れてしまって今こうしてコーヒーを飲んでいる。
何がいいかなぁ。
合流してから一緒に考えようかなぁ。
ぼくはいったいどうしたんだろう。
ひとりじゃまるで、何もできないみたいだ。

当たり前だけれど、日曜日の新宿は人が多い。
やっと腰をおろしたこのカフェも、何軒かまわってようやく見つけた。
ひとり急ぎ足で歩く人がいて、楽しそうにふたりの世界を育んでいるカップルがいて、家族連れがいて。
この街は、学生のときから数えてもう20年は通っているだろう。
いつも多くの人を呑み込んで、吐き出して。
人も街も、姿は変わっているはずなのに、いつでもほとんど変わらずに見える。

そんな中で、noteを読む。
好きな人たちの言葉に日常を見出しつつ期待と安心感をもって触れ、まだ知らない人たちの言葉にすこしよそよそしくも寄り添おうとしてみる。
ぼくの世界を守ってくれるブックカバーに包まれた文庫本もある。
こんなにもたくさんの人が行き交う都会の真ん中で、ぼくは言葉の向こうにエスケープする。
それが終わって、こうして今度はだれかのエスケープ先をつくろうとしている。
そうなれるかどうかは別にして。

彼女が喜ぶものを何か買って帰ろうと思っていたことは、忘れてはいない。
でも、ぼくが今日も無事noteを更新することを1番喜んでくれるのは彼女だと、ぼくは知っている。
信じている、かな。
だからこれを、優先して書いている。
誤解があったら話し合おう。
ぼくらふたり、これからずっと一緒だから。

ところで今日、ぼくは何を書きたいのだろう。
これまでで1番自由に、手の動くままに書きつづってしまったけれど。
書きたいテーマはある。
この前「お店の未来」について書いたけれど、反対側の視点でも書きたいと思っている。
「お客の未来」。
ちょっと、考えをまとめているところ。

こんなnoteの日もあっていいかなぁ?
そうそう。
たまにはうだうだ。
ごめんなさい。
ありがとう。

さっき、カフェを出た。
そろそろ帰ろう。
ドラッグストアで「みずとりぞうさん」を買わなきゃ。
あ。
彼女に何を買おう。
今夜の家飲み用に、おいしいおつまみにしようかな。

今週もおつかれさま。
いつもありがとう。

帰ってきたら、ゆっくり飲みましょう。







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