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線のたび(12)

美しい碧色に囲まれた何処かから来た
天の子との出逢い。
自分もその憧れの場所へ辿り着いた
宙の子。
ただ、居心地が良かった其処は、何故かずっと居てはいけないと感じた。
そして、また再び、自分が来た"宇宙"へと、帰ることに。

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「なんだか、あっという間だった。
もっと長く居たかった氣もしたけど、ずっと居たくないなぁ…とも感じたしなぁ。何故だろう?」

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宙の子は、帰りながら、高く昇りながら、
ぼんやりと考えた。

居心地が良い場所。
ずっと居たいという思い。
居てはいけないという漠然とした感覚。
どちらも、自分から湧き出る素直な声。

温かくて、ふんわりと柔らかくて、
まどろむような心地よさ。

緊張や凝り固まった何かが、じんわり解けていく感覚。

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「そうかぁ…ボクは、何かから逃れてきたのかもしれないな。

楽しく旅をしているつもりでいたけれど、ボク自身の作った想いに押し出されたんだなぁ…きっと。」

宙の子は、外の世界を観に行ったはずの旅が、自分の奥深くに隠されていた何かに触れる旅だったと氣がついた。

でも、何故、心地良いその場所からまた離れたくなるのか?
まだ、はっきりと分からないまま、宙の子は昇り、戻って行った。

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