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山田涼介に見る、コンプレックスとの向き合い方とぶっちぎり方

山田涼介ってすごい。Jr.やデビュー組問わず、「尊敬する先輩」としてよく名前が挙がるこの男。「完璧」と言われるけど、正直「山田は完璧ではないよな」と思っている。

 あえて言おう。ジャニーズにおいても低身長でありながら、それでも「完璧」と言わしめ、お茶の間にも親しまれている山田って、本当にすごいことだし、そんな山田について考えることは、私たちにコンプレックスとの向き合い方を教えてくれると思う。


1)山田涼介という男

 山田涼介。(以下、山田)Hey!Say!JUMPのメンバーでセンター。1993年5月9日生まれ。公式身長164cm。

 番組での公開オーディションで合格後、Jr.時代からそのビジュアルとキレのあるダンスで注目される。

 デビュー前から数々のドラマに出演し、2007年のデビュー後はドラマに加え映画にも出演し、その活躍の幅を広げるジャニーズ俳優班。2016年には「暗殺教室」でアカデミー賞新人俳優賞を受賞し、今年2020年は岡田准一主演「燃えよ剣」にも、沖田総司役で出演するなど、実力派俳優枠にシフトチェンジしつつある。

 尊敬する先輩は堂本光一

彼を尊敬する先輩(尊先)としてあげる後輩は多く、有名どころだとSexyZone中島健人、ジャニーズWESTの小瀧望がいる。健人に至っては同い年の93年組。(健人が早生まれの94年3月生まれ)。Jr.を挙げるときりがないが、YouTubeでただただ山田愛を語るHiHI Jetsの井上瑞稀、なにわ男子の道枝あたりは、ヲタクの中でも強火担として有名である。


(ぐだぐだながら、ただ山田をメンバーにプレゼンするHiHi井上。↑山田基礎情報を知れる動画ではある。ただしグダグダ。)

 おそらく現在「尊敬する先輩は?」と尋ねた時の解答ランキング、「山下智久」「山田涼介」による「Wマウント」は最大勢力を誇っている。そんな、同性からあこがれられる男、山田涼介。だが、あえて言う。

 彼は身長が低い。「山田涼介 身長」で検索すると、数々の検証記事が出るほどに。元々ジャニーズ自体、業界的には「少し身長小さめ」事務所だった。歴史を振り返れば、V6の森田剛(現在は退所)然り、関ジャニ∞のやすばこと渋谷すばる(すでに脱退)、安田章太など、公式プロフィールで170cmに満たないジャニーズは多くいた。世の中の平均身長が伸びてきた令和は2021年にデビューしたなにわ男子も、メンバー7人中5人が170cm未満の小柄なグループである。

 だが、それにしても、彼は事務所でも上位の小柄なタレントだろう。

 そんな彼が「完璧」と後輩たちに―それも、自分も顔が王子様キャラを全うするほどに顔面偏差値が高く、身長も高い後輩―に言われ続け、あこがれられ続ける理由はなんなのか?

2)「かっこいい」を貫き続けた

 全員と言うわけではないが、小柄なジャニーズアイドルは、ある年代までは結構それを売りにして「かわいらしい」パフォーマンスをすることが多い。例えばなにわ男子の大西流星(以下、流星)は、山田と同じく公式身長164cmで現在高校生だが、目がくりっとしたかわいらしいビジュアルをしっかり生かしたキャラで王道アイドルかつ優等生アイドルをしている。自分の立ち位置をよくわかっており、ソロで佐藤勝利の「好きだよ」とかをやっていた。知念もかつて「大きくなぁ~れ☆ボク」という作詞をしたソロ曲を披露していたこともある。これぞちびジュの特権。(ジャニーズのちびジュの概念がもはや年齢なのか体格なのかはこの際置いておこう。少年忍者久保廉は立派な人気ちびジュだが、2005年生まれの中学3年生。え?ちびジュは卒業?)


久保廉と小田しょうせい

(左:小田将聖 右:久保廉)

だが、山田は違う。彼はいくつであれ一貫してどんな時も「カッコイイ曲」をパフォーマンスし続けていた。もちろんHey!say!7などのグループで歌う時は、かわいらしい曲も歌った。でも、セルフプロデュースの場面では、ずっと「キラキラカッコイイ山田涼介」をパフォーマンスしていた。

かれの「ありたい姿」は明確だった。

こんなにかわいい時でも、

探偵学園山田


「立ち位置的にかわいい」に、一切寄ることはなかったというのは、ぶれない姿勢がこの頃からあったんだな、と思わされる。

 余談だが、ジャニーズには、各世代のセンター、もしくはエースクラスがいる。

 山田世代の絶対センターは、中島裕翔だった。その少し上の世代だと、現在同グループに所属する藪と八乙女がトップ。この2人の所属したYa-ya-YahというグループがJr.のトップで、ある意味お兄ちゃん組として別枠にいて、山田はセンターである裕翔の隣で踊っているポジションだった。

 山田の見つかり方は、「体は小さいのに、キレキレで大きいダンスをするかわいい顔の子がいる」というものが多かった。そして、「探偵学園Q」などのドラマにも抜擢されるようになり、先にも少し述べた期間限定ユニットHey!Say!7のメンバーにも選ばれたが、この段階でもジャケットでは裕翔がセンターである。

 もし、相対的な見方をすれば、かわいい曲を選択する道もあったかもしれない。だけど、(周りの大人がそれを薦めたかどうかは知らないが)結果として、山田涼介はかわいい系統のソロパフォーマンスをしなかった


3)もし身長(コンプレックス)にこだわっていたら・・・

 かつて山田は、映画「鋼の錬金術師」(ハガレン)で共演した本田翼に身長についていじられている。前述した通り、ネット検索でも彼の身長に対する検証記事は多く、人からコンプレックスについて注視されている状態だ。

 ここで身長をコンプレックス、と言ってしまうのはどうかと思うけど、今はどうであれ、悩んだ時期はあった。出典を書けないが、過去それについて言及していた時期はある。

 ちょっと想像してみる。身長にこだわって、ウジウジとしている山田涼介

もみ消して冬

………魅力半減かもしれない。たとえば健人とか小瀧に「山田君あこがれてます!」と言われて、「いやいや、お前らは身長あるじゃん。俺は……」とか言う山田涼介。

ネットの身長記事にガチでへこむ。いや、人間だからそれは全然いいんだけど、それはそれで親しみが持てるんだけど、そこで卑屈になられると、ちょっとそれはなんか違う…!!

「いや、あなたには最強のお顔とそのストイックな姿勢とダンスとか、いろいろあるから…!!!」って全力で慰めに行ってしまう気がする。じゃあ、自分に置き換えたら…と思うと、謙遜半分、真剣半分で上記の「いやいや…」セリフを言ってしまうことがちょっと想像できるから、人間って(私って)勝手だな


 さて、現在アイドルをプロデュースしている元HKT指原莉乃の著作「逆転力」に、こんな意見が書いてあった。いわく、

 自分のコンプレックスを「恥ずかしい」と思っているからグサっと傷つく。プライドは捨てて、イジられることでリアクションで前に出ていける。つらくても自分のためと思って我慢。
キャラは自分から作るものではなく、受け入れるもの。受け入れてやってみて、貫けそうならやる。貫けなさそうなら変える。自分1人の発信力は弱いから、周りに認めてもらって、おもしろがられて発信するもの。

 (原文をそのまま抜粋したものではない)

 奇しくも「カッコイイ俺」でいたい山田は、番組・スクール革命でザキヤマさんにものすごくいじられ倒した。 人を「イジる」ことは結構愛情と繊細さを必要とすることだけど、それによって一気に「親しみやすい」存在になることは間違いない

 「キラキラカッコイイ」山田は、これにより一気に「ちょっとカッコ悪いところもある親しみやすさ」という振れ幅を獲得した。美しいものはとっつきにくさがある。お顔のきれいさと自己プロデュースにより、どうしても「お高く留まっている」感のあった山田が、数年をかけお茶の間に親しみやすい存在になったのは、「スクール革命」によるところが大きい。そして、多分そこで獲得した幅は、コミカルな演技が求められる仕事でも大いに役立ったと思う。バラエティのカンは、コミカルさのカンに繋がる。

 また、一時小悪魔ブームを起こしたエッセイスト・蝶々の著書に、こんな意見が書かれている。

 男性が成功するためのバネの正体には、家庭環境や容姿、コンプレックスなどがある。男性のコンプレックスの中で1番伸縮率の高いバネを持っているのは身長。目立って小柄な男性は、その見た目のコンプレックスを埋めるために、仕事に対して貪欲に努力する傾向がある。だから、成功者には小柄な方も結構多い。(銀座のクラブは女の大学:蝶々)

 出典が明らかなのがこの本だったのでこれを引用したが、実はいろんなところで目にする意見だから、この著者だけのサンプルデータ、とも言い難い。

 山田は努力家として有名だ。家に帰ってからもダンスの自主練を3時間していたことは有名なエピソードだし、彼が元々センターではなかったことも有名な話だと思う。そして、「小さい体ながら大きなダンス」で見つかったことも、現在の山田涼介のあり方と無関係ではないと思う。

 

4)山田涼介に学ぶ自己受容とぶっちぎり方


 コンプレックスは、「乗り越えよう」とする必要はないのではないか。なぜなら、山田は「身長が小柄である」ということを、別に克服してはいないからだ。

 裏を返せば、山田涼介は、自身を受容したからこそ、努力によってもともと持っていた外見的魅力以上にぶっちぎり、現在のジャニーズにおける「世代のエース=山田涼介」ポジションを獲得していったのではないか、と考えている。

 確かに、「長身イケメン・キラキラでカッコイイ」は諦めたかもしれない。世でもてはやされる「イケメン俳優」たちは高身長が多いし、周りにもそんな人は多くいただろうから(1番近いところで同い年でメンバーの裕翔がにょきにょき伸びたし)、そこには思うところがあったかもしれない。

しかし、「キラキラでカッコイイ山田涼介」については、彼は多分1度も諦めていない。

「ありたい姿」をつきつめ、そこに向かって努力し突き詰め続けた。

 そこに身長を言い訳に持ち込まず、努力して自分を伸ばし、「カッコイイ山田涼介」を成立させた。だからこそ、常に切磋琢磨の中で自分のポジションや特技を模索し、自分の魅せ方を磨くジャニーズの中でも、「あのポジションが自分の方向性かもしれない」といったロールモデルとしてではない、純粋な「憧れ」「尊敬」の存在として、数々の後輩から「尊敬する先輩」としてその姿勢を支持され続けているのではないだろうか。

(小柄後輩Jr.にとってはある意味遠いロールモデルにはなっているかも)

 そもそも、ここまで卑しいほどに身長、身長って書いてきたけど、山田にとってのコンプレックスなんて、私は知る由もない。だから、もし山田涼介の目に触れることがあったら本当に申し訳ないと謝りたいし、ファンの方で不快な思いをしている方がいたら謝る。だけど、私、結構尊敬の念でこのnoteを書いている。

 だって、あんなに遠いスター。私にコンプレックスがわかるわけがない。これだけ自己プロデュースできる彼のインタビューで、それが必要以上に語られているとも思えない。

 結局、コンプレックスなんて人からわからないものなのだ

 自分だけが抱えているもの。それを率先して「イジって!」なんてネタに提供することもないけれど、自分からどうにか削り取ろうとするものでもないかな、と思う。

 それを受け入れたうえでなお、自分の「ありたい自分」を突き詰めることはできる。「もう少しこんなところあればよかったな」「残念だな」くらいに思って、人から言われてリアクションでおいしくなればラッキー、自分が傷つかないようにかわせればOK、くらいでいいんじゃないだろうか。


まとめ

😀コンプレックスは人からは見えない。良くも悪くも、人からはわからない

😀ウジウジ卑屈になると、どんな人でも魅力半減

😀かっこ悪いところ、だめなところが親しみやすさにつながる

😀コンプレックスは乗り越えなくていい。受け入れる。

😀結局見られているのは「姿勢」。目標に向かって努力する姿勢が人の心に届く。


まとめたら「当たり前じゃん!」なことかもしれないけど、

努力でセンターを掴んで、

こうやって多くの後輩から尊敬されて

茶の間では結構親しまれて

人気と実力で認知される山田涼介、本当にすごいわ!!


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