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【読書感想文】ホームレス農園

こんにちは。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

今日は、小島希世子さんのホームレス農園について書いていきたいと思います。

著者紹介
小島 希世子(おじま きよこ)さん
1978年熊本県生まれ。慶應義塾大学卒業。
農村地帯で、牛と生活をしている近所の農家を見ながら育った影響で、農業を志す。野菜の産地直送の会社に勤務した後、熊本県の無肥料・農薬不使用栽培・オーガニック栽培に取り組む奥さんたちと農家直送のネットショップ「えと菜園」を立ち上げ、2009年に株式会社えと菜園として法人化。
農家直送の通販を行うほか、2011年には体験農園コトモファームを開催。
また仕事を通じて「農業界は人手不足」であることを知り、求職者と農業界を結びつけるプランで、「横浜ビジネスグランプリ2011ソーシャル部門」最優秀賞を、「内閣府地域社会雇用創造事業 第1回社会起業プラン・コンテスト」でも最優秀賞を受賞する。

ホームレス農園より抜粋

熊本県のほとんどの家が農家という農村で、両親が教師という家庭で育った小島さんは、「なんでうちは農家じゃないの?」と農家に憧れを抱いていました。

子どもの頃は野生児で、野山を駆けずり回りながら、近くの牛舎で牛のお世話をしたり、元気いっぱいに遊ぶこどもでした。

小学校2年生の頃、テレビでアフリカの飢えに苦しむ子供たちがいることを知り「冷蔵庫にあるものや、畑の野菜を持っていきたい!」と言ったところ、「アフリカは遠い場所にあるから持っていけない。でも、助けてあげたいと思うなら農業のやり方を教えてあげたらいいと思う。その為には勉強をしないといけないよ。」と言われ、そこから勉強に真面目に取り組むようになったそう。

子供の頃って、勉強が何に役立つのか、”将来のため”という漠然とした理由ではなかなか勉強に打ち込むことができない。
わたしもその一人であった。

高校生になっても、勉強の必要性を感じていなかったし、それよりも早く卒業して、就職して、二十歳で結婚して主婦になることを夢見ていた。

その後、働くようになって、いくら仕事が出来ても、学歴によって給料の差があることを知ったり、自分の無知が恥ずかしくなる場面があったりして、一生懸命働いたお金を勉強につぎ込んできた。

こんなことなら、最初から勉強をしっかりしておくべきだったと今なら思う。

子供の頃から、夢を決める必要はないと思うけれど(選択肢を狭めてしまう恐れがあるので)、世の中にはいろんな仕事があるんだよっていうことは幼いうちから知っている方が有利だと思う。

* * *

小島さんが大学生の時、路上で雑誌を売っているホームレスの方がいることを知り「どうして働かないの?」と聞くと「働くには、住所や電話が必要だけど、持っていないから働きたくても働けない。」と言われ、厳しい現実を知ることになった。

その後、働き手が不足している農家と、働く場所、仕事を探しているホームレスを結び付ければすべての問題が解決するんじゃないかと思い、解決に乗り出すが、それは想像以上に大変な道のりだったと語っている。

物事を起こす時、起業するとき、おそらく若くて、何も知らない方が行動に移せると最近そう思う。変に知識がついてしまうと、つい不安が勝ってしまって初めの1歩が出ない。

失敗を恐れて、準備万端な状態で進めたいと思えば思うほど、不安要素を集めてしまい、「失敗したら、失敗した時だ!」と腹をくくれれば、意外とトライアンドエラーで前に進めるのかもしれない。

私はいつも、「できるか・できないか」ではなく、「やるか・やらないか」を考えて行動を決める。「できるか・できないか」を考えてしまうと、私のような不器用な人間はできないことのほうが圧倒的に多いから、失敗するリスクを考え始めると結局、何もできなくなってしまう。
一方、「やるか・やらないか」は自分の意志ひとつだ。「やる」を選んだら、最後までやり続けるだけだ。途中でダメだったら、周囲にSOSを出して助けてもらってもいい。やり方を変えてもいい。とにかく何とかやり続けられる方法を考えればいいのだ。もし結果として達成できなくても、自分が最後の1人になってもやり続ければいいだけの話だ。

たとえば、高い山があるとして、山頂に登りたいとする。でも、誰も登ったことのない山だから道はない。自分でルートを考えて道を作っていかなければならない。そんなとき、上を見ると、気が遠くなって「こんな高くて険しい山、登れるわけがない。無理だ。」と思えてくる。でも、自分の足元だけを見て一歩一歩進んで行けば、微々たるスピードでも確実に上には登っていく。諦めずに歩き続けていくうちに、ふと後ろを振り返ると、自分の後ろには道ができていて、スタート地点より少しだけ高いところに立っていることに気づく。「結構、登ってきたんだな」とわかる。
自分がやりたくてやっていることならば、そんなふうに気長に登っていけると思う。私はいつもそうやってきた。だから、このホームレスと農をつなぐ活動もやり続けていくことが大事だと思ったのだ。

ホームレス農園 P.106~107


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