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徳島(7):日本最高額の入館料を誇る美術館「大塚国際美術館」

徳島2日目、そして最終日にしてようやく今回の旅のメイン登場。
大塚国際美術館は、ポカリスエットやオロナイン軟膏でおなじみの大塚グループさんによる、陶板美術館。日本で2番目に大きく(1位は六本木の国立新美術館)、入館料は日本でいちばん高い美術館です。そのお値段、3,300円!
確かに美術館としてはお高いけど、マチュピチュとかペトラ遺跡の入場料5,000円オーバーの経験で感覚がバグったせいか、「まぁ高いけど言うほどじゃないじゃん」とそこまでの衝撃は受けず。

ちなみに大塚国際美術館は、世界各国の名画たちを原寸大で陶器に複製展示(陶板美術)してある美術館です。
今年で25周年らしいです。

鳴門の砂って陶器にめっちゃ最適だよ!
陶器作ったほうがいいって!こんな大きなサイズでもできたよ!
鳴門に観光客誘致できるもの作って還元しよう!(大塚さんは鳴門ご出身)
よし、陶板で世界中の名画を実物大で再現だ!

といういきさつらしいです。
実際の絵画はどうしても経年劣化が免れないけど、陶板であれば2000年は今の色を保てるとか。純粋に素晴らしい技術。

今回私が大塚国際美術館に来たかった理由は、

・屋外庭園に展示されているモネの「大睡蓮」
・バチカンの「システィーナ礼拝堂」+「最後の審判」
・「最後の晩餐」の修復前+修復後
・世界各地に散らばり、さらに戦争で失われてしまった1点を含めた、ゴッホの「ひまわり」7点

を見たかったから。

特にモネ先生が「自然光の下で見てほしいのよ」とおっしゃっている「睡蓮」を屋外に展示するなんて、普通の複製絵画でもできないことですからね!陶板複製画の特長を最大限に活かした展示方法。

モネ先生の睡蓮に囲まれるシアワセ。

広いエントランスに到着すると、観光バスや日本以外からいらしたお客さんで混雑中。ツアーのみなさまと少し時間を置くため、ロッカーに荷物を預けたりちょっとゆっくりしてから、いざ入館!

美術館はひとつの山をくり抜いて作られているようで、まずは長~いエスカレーターに乗って入り口に向かいます。
案内図や展示リストをもらってざっと見てみると、なんと最初が「システィーナ礼拝堂+最後の審判」がある「システィーナ・ホール」。

圧巻!これぞ圧巻!

わくわくしながら足を踏み入れると、目の前に鮮やかなミケランジェロ先生による最後の審判が登場!天井画も再現されていて、その再現度に圧倒されながらも、まずは近寄って見なきゃ!本家でできなかった見方をしなきゃ!と、最後の審判に向かってずんずん突き進む。

「陶板に焼き付け+筆で実際に色を塗ってレタッチ」したものを組み合わせてあるので、どうしてもそれぞれの陶板の間に区切りの線が入ってしまうのは仕方ないけど、それでも実物大で再現している、というのは本当に圧巻。

近づいてじっくりゆっくり見られるのもうれしい。

ベンチもたくさん用意されていたので、最後の審判だけじゃなく天井画も座ってゆっくりじっくり鑑賞することができるし、証明も明るいので細部まで本当によく見える。

あ、天地創造の脳みそ。

ただ、実は本家バチカンは、壁にもボッティチェッリ先生らによるさまざまな名画が描かれている。そのため本当は天井画との距離ももっと遠くて、最後の審判も見上げる、という距離感。
もちろんベンチなんてないし、大勢の人にぶつかりながら(みんな上見てるから)の鑑賞だったので、「あぁ、こんな画だったんだな」と、なんだか違うフレスコ画を見ているような気分になりました。

正直、「やっぱり本物を見た時に感じた、全身に覆いかぶさってくるような、飲み込まれるようなパワーは残念ながら無いかもしれない」と感じましたが、それは当然のこと。
あの「最後の審判」を実物大で再現している、というだけで、十二分に価値がある。

下から自然に見えるように、実際はこんな風に描かれているらしい。天才か!

ダビデ像を見た時に感じたけど、やっぱり絵画や彫刻などの美術品って、実際のサイズ感で体感しないと、作品が訴えかけてくるものって受け取れないと思う。

「見る」んじゃなくて「体感」の方が表現としてしっくりくるんだよな。
その大きさや奥行き、角度による陰影までを同時に感じることで、初めて震えるほどの感動を覚えたり、自分の好みかどうかの判断ができる。

大塚国際美術館、1,000点以上展示されているのに、最初の1部屋で終わっちゃったよ。
つきましては大塚国際美術館、次回に続きます。

ちなみにこのシスティーナ礼拝堂、数年前の紅白歌合戦で、米津玄師さんが「Lemon」を披露した場所としても話題になりましたね。

絵も上手なのね。ビックリだぜ!

システィーナ・ホールの中に、米津さんが描いたレモンも飾ってありました。
「Lemon」とか「パプリカ」とか、米津玄師は芸名じゃなくて本名とか、読み方は「げんし」じゃなくて「けんし」が正しいってことくらいしか知らなかったですが、徳島県出身の方だったんですね。あと、歌だけじゃなくて絵も描けるとは!

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