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和文タイピストだった私

昔々のお話です。
就職してすぐ、午前中は毎日、和文タイプとテレックスの学校に通わされました。

テレックスは英文タイプのようなもので、ローマ字のキィが付いており端っこにはロール紙が取り付けられていて、
相手からの通信が始まると、
キィが勝手にカタカタと印字を始めると同時に、そのロール紙にパンチ穴が開けられていくという
世にも不思議な機械でした。
(パンチ穴は、穴の場所と数で文字を表す暗号のようなものでした。仕事で利用した事はなく、ただ捨てていました(・_・;)

テレックスを操作する機会はそれほど多くなく、習得した技術は
すぐにどこかへ行ってしまいましたが、タイプ室に行くと、勝手に印字が始まり、
「コチラ〇〇ジギョウショ オハヨウゴザイマス」と、遠くの誰かと交信するのは当時の私にとってはとても刺激的な事でした。
タイプ室には、会社内だけのFAXがあり、これまた生まれて初めて見たFAXにも
なんじゃこりゃー
とおったまげた私でした。
今じゃFAXの時代も終わりつつあるというのですから時代の流れに驚きます。

私の主な仕事は、庶務の仕事と和文タイプだった訳ですが、
この和文タイプ、大変な作業でした。

上の画像はこちら↓の記事よりお借りしました。ありがとうございます。

【操作方法】
まず、太いロール状の胴体?に、
契約書であれば
7、8枚のB4用紙を横向きにパチンと抑え金具で取り付け、印字場所にカーソルを合わせたら、眼下に広がる文字盤に逆さまにびっしり埋め込まれた四角い棒状のハンコみたいな物体の大海原?の中から目的の文字を見つけ、ハンドルを軽く半押ししてそれをカーソル的なものと連動したものでムギュッと掴み、再度強く押してポン!と打鍵します。(うまく説明できない💧)

大量の文字の中から目的の文字を見つけるのが第一難関。
そして第二難関は打鍵する時の力加減です。画数によって力を変えないといけません。
例えば「一」と「憲」を同じ力で打つと、「一」は確実に穴が空いてしまいます。私はよく「一」で穴を開けていました。^^;

そして、間違えたら大変〜
今みたいに削除できませんから〜
7枚全て専用の消しゴムで叩いて限界まで薄くして、その上から正しい文字を打って誤魔化すのです。

アナログですね〜
昭和ですねぇ〜

私が退職する少し前にワープロが登場し、あっという間に和文タイプは淘汰されました。ちーん。

✳︎✳︎✳︎

そんなある日の昼休み、会社のお隣のお蕎麦屋さんで、タイプの学校で指導してくれた先生をお見かけしましたが、
がっくりと項垂れておられ、どう見ても職を失って路頭に迷っておられる感が全身に漂っていました。
時代の変化は酷なもの。お気の毒と感じた私でした。

今なら、ハンコ屋さんがそれに当たるのでしょうか?
時代の変化は厳しいものがあるけれど、うまくその波をキャッチして、新しいものを取り入れる視点を持ちたいものですね。

あまり話が広がりませんでしたが^^;
タイプ室は、お茶室の隣の小部屋にあり、数少ない独身男性(確か当時結婚が決まってたかと。)のお一人と何かの作業でよく一緒になりお話した事や、残ってタイプの練習をしていたりすると課長が「頑張ってるね」と声を掛けてくれたり。
すぐ上の先輩が、席では話さない、好きな音楽の話をしてくれたり(その時ビリー・ジョエルを知りました♬)わりと好きな空間でした。
懐かしいです。


今日は、下書きに保存していた記事を掘り起こしてみました。

最後までお読み頂き
ありがとうございました❤︎

参考動画↓

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