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知らない時間

共有していない時間がほとんどなの、ワタシたち。そう思わない?

そうだね。俺は俺の時間を生きているし、キミもキミのを生きている。ほんの少しだけ交わる時間があるけれどね。

彼は知らない。
ワタシが1日のどれだけの時間を彼に費やしているのかを。きっと知りたいなんて、思ったことすらないに違いない。
それは大切なものがあるから。ワタシは彼の退屈凌ぎのおもちゃだ。

ほんの少ししか交わらない時間だけど、キミはいつだって俺のだよ。だから全部話してよ。キミは俺のなんだから。

ワタシは知らない。
彼がワタシに少しでも時間を費やしたいと思っているかどうかなんて、知らない。だって彼はワタシには何も話さないから。ワタシの知っている彼とワタシの時間は、両手の指で数えられる以上に存在するであろう彼の分人の一人とのものにすぎないのだから。

ワタシはもっと知らない時間を知りたいけれど、きっと彼は知らないままで満足なのだろうな。

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