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人生には酒と踊りが必要だ -とあるリードデザイナーのスランプ脱出噺-

Rettyでリードデザイナーをしているヤマモトマユミです。この記事はRetty Advent Calendar 2023の1日目の記事です。

実は2022年半ばから約1年間、リードデザイナーになって最大級のスランプに陥っていました。デザイナーとしての次の成長を描けず、心身ともにバランスを崩したり、やる気がでなかったり・・。
かなりもがき苦しんだ1年間。まわりの手助けをいただきつつ試行錯誤した結果、今年の後半にやっとそのスランプから抜け出すことができました。
このnoteでは、私が陥ったスランプ脱出の話を書きたいと思います。同じような悩みを抱えているデザイナーさんが、次のスキルアップ、キャリアを考えるための何かしらの参考になれば嬉しいなと思います。

人生には酒と踊りが必要だ

詳細をお話する前に結論から言うと、表題にある通り私のスランプ脱出のカギとなったのは「酒」「踊り」でした。
これだけじゃ意味わからん!って感じなので、説明していきます。

“お酒”を通じて、新たな発見と、信頼できる仲間が増えたことで、一緒に仕事をすること自体が楽しみになっていった

Rettyは外食に関わるサービスです。
フィールドワークとして「リサーチ飲み」を始めたこと。積極的に社内のメンバーと外食する機会を作ったこと。この2点が仕事のモチベーションに直結していきました。「知らない事を知る、知らない人を知る」。この2点を“お酒を一緒に飲む”という手段を用いて実際に体験しながら知ることができたのが、スランプ脱出の大きなカギの1つになりました。

“血わき肉おどる”仕事の機会を得て、それを取り組むことでやる気を取り戻し、次のステップアップが見えてきた

スランプに陥っていた時期は、ある意味コンフォートゾーンの中で仕事をしており、なかなかそこから抜け出せずにいました。
※コンフォートゾーンについては以下参考記事を。

コンフォートゾーンを脱してラーニングゾーンに行くためには、やはり仕事自体が少し負荷の高いものである必要がありました。そこで、その当時のマネージャーに「血わき肉おどる様な難しい課題に取り組みたい!」と伝え、それが聞き入れられたかタイミングがよかったか、顧客戦略を作るプロジェクトに入ることになりました。

戦略を立てるのは今までやったことがなく、これまでのデザイナーとしての経験をかき集めて全集中してやっとできるか・・と思っていましたが、今までのデザイナーの経験でも足りず、プロジェクトマネージャーやビジネス観点も入れて自分をアップデートしないとやりきれないプロジェクトでした。この顧客戦略のプロジェクトを通して、結果的には「今までのデザイナーとしての枠組みからはみ出した」ことがスランプ脱出のもう一つの大きなカギになりました。

ここからは、スランプの始まりから脱出するまでの一部始終を、できるだけ赤裸々に書いていこうと思います。

スランプの始まりは突然に。長い暗黒時代到来!

2022年6月21日。
マネージャーとの1on1の議事録の書き出しは「体調がよくないので相談したい」。
その時相談したのはざっとこんな内容でした。

現状、仕事に集中できない状況が続いている…
周りからやってほしいという仕事が自分のやりたい仕事になっているかわからず、そこを誤魔化しながらやれなくなった。

プロダクトグロースやサービスデザインが自分のやりたいことなのは変わらない。ただ、今取り組んでいることが自分のレベルに合っているのか疑問に感じることもある。もっと仕事を作る側にまわらないといけないと思っているけど、それができていない。

そんな相談内容が1on1の議事録に書いてありました。
相談した内容からアクションを決め、現状打開を色々試みてはきましたが、2022年10月27日の1on1では再度こんな相談をしていました。

体調が良くなくて、自分でも困っている…
週末は大丈夫で、平日がダメなので仕事の可能性が高そう。現状、原因が明確に言語化できていない。

今の動きがマッチしてない/やりきれてない感があり、何かを投げてもボールがチームに投げっぱなしになってしまっている。自分のポジションをきちんと定義できてないから、遊軍ぽい立ち回りしかできてないのかもしれない。

プロダクトが大きく成長するためのアクションに取り組みたいが、今はそれが全然できていない。どうしたものか…。

さらに2022年11月16日の1on1では。

体調が非常にまずそう、今週のほうが大変。きちんと休んで調子を取り戻した方がいいのだろうか。。
調子を崩している根本は、仕事で自分自身がうまく立ち回れていない、バリューが発揮できていないことが原因そう。

ディスカバリーをして施策を作っていくところは現状PMが担うことが多く、方向性が決まった段階で私が入るのはスキル的にマッチしているのか疑問がある。

キャリア観点だと、次の目指すべきロールモデルがおらず、どう自分を次のステップに引き上げたらいいかわからなくなっている。次のレベルにいかなければ、プロダクトを大きく成長させるレベルの仕事はできないと思っている。

この後も2023年4月くらいまでは少し浮上しては落ちるを繰り返す日々を過ごしていました。今振り返ってもこの時期はだいぶ辛かった記憶。。
ここまでの1on1の議事録を振り返ると、基本的に悩みの元は「次のレベルへ突き抜けられない」という成長課題でした。

特に2022年夏に新しいデザイナーが3人ジョインし、リソースが足りなくてまずい!という状況を脱することができたタイミング。自分が今までと同じことをやっていると、新たなメンバーが活躍する場を作る事ができない。自分自身が次のレベルに進むことは、デザイン組織を強くするためにもマストだと考えていました。

この暗黒時代を抜け出すべく、スランプ脱出のためのアクションを色々取っていきました。脱出するために行なったアクションを順番に以下で詳しく書いていきたいと思います。

スランプ脱出大作戦①:まずは体調回復から〜プロと運動の力を借りる!

「体は資本」と言いますが、これは本当にそうだと思います。この暗黒時代を抜け出すには、まずは健やかな体を取り戻すことが必要不可欠です。対応策は大きく2点で、私の場合は「メンタルヘルスのプロに頼ること」「走ること」

まず最初にやったことはメンタルヘルスのプロに頼ること。会社の産業医さんに相談に乗ってもらったり、メンタルクリニックに行って薬を処方してもらったり。自己流で治そうとせず早めにプロの手を借りるようにしました。

これは私自身の過去の経験と考え方ですが、メンタルの不調は早いうちにプロに頼ることで、より早く回復に向かうことができると思っているので、まだ大丈夫と思わず、すぐに相談するようにしています。
今回も早めに動いたことで、メンタルのバランスが取りやすくなり、早めに仕事にも向き合えるようになっていきました。

また、メンタルバランスを取り戻すアクションとして、ジョギングを習慣化しました。ジョギング歴は10年以上なのですが、仕事が忙しかったり不調が続くとサボりがちに。。今年は久しぶりにハーフマラソンに出場し、そこに向けてトレーニングをすることで、ジョギング習慣を取り戻し、体調のリズムも取りやすくなりました。

ジョギングでなくても自分にあった運動を取り入れることはフィジカル・メンタル両面での健康に非常に効果のあるアクションです。運動は体調のリズムを整えてくれる万能の薬だと思っています。

今年出場した軽井沢ハーフマラソンは自己ベスト更新!完走記念タオルでパシャリ📸

スランプ脱出大作戦②:次のレベルを目指して〜ちょっとずつ今よりレベルの高い仕事をする

体調が少しずつ安定してきたら、課題の大元である「次のレベルへの成長」に向けて取り組んでいきました。行ったアクションは主に2つです。以下でそれぞれ説明していきます。

  1. 今より上位レイヤーの会議体に参加する

  2. 自分のレベルでは簡単に解けない課題に取り組む

今より上位レイヤーの会議体に参加する

まず最初に行ったのは、私のマネージャーが開催している部門内のチームリーダー会への参加です。このミーティングでは、四半期での目標に対する進捗確認や、チーム間の情報共有および連携の相談、課題があった場合の議論の場として開催されていました。この会議体に参加することにより、ユーザー体験とビジネスの両面の視点や、全体俯瞰した上で優先度の高い課題は何かなど、より広い視野でサービスを見ることができるようになったと感じています。

ただ、この会議体に参加した当初はただ参加しているだけに近く、ミーティングに対してあまりバリューが発揮できていなかったと思います。この時は初めての視点や、デザイナーの枠組みを超えた議論などがメインでそこに対して自分がどう関わっていけるかが見えていませんでした。しかし、この会議体に参加したことは、この後の「顧客戦略を作る」プロジェクトに参加した際にとても役立つものであったと感じています。

自分のレベルでは簡単に解けない課題に取り組む

7月から顧客戦略を作るプロジェクトに入ることになりました。冒頭でも書きましたが、今までのデザイナーの経験でも足りず、プロジェクトマネージャーやビジネス観点も入れて自分をアップデートしないとやりきれないプロジェクトでした。プロジェクトメンバーは私と、プロジェクトマネージャー、そして会社代表の武田さんです。

7月からの3ヶ月間はほぼ毎日ミーティングを行い、ゼロベースで顧客戦略を組み立てていきました。Rettyに入社して、一番と言っていいくらい濃厚な日々でしたが、このプロジェクトがスランプを抜け出すきっかけになりました。

今まで「ビジネス視点が弱い」というのがずっと自分自身の課題で、次のレベルにいくために必要なスキルだと感じていました。代表の武田さんと毎日ミーティングをすることで、ビジネスではこういう観点が必要なんだというのが徐々にインストールされ、気がつくと今まで見えなかった観点が見えるようになってきた気がします。

「自分のレベルでは簡単に解けない課題に取り組む」・・この数ヶ月間を振り返ると、今までの枠を飛び越えて視点を増やすこと(デザイナーとしての枠からはみだすこと)が次のレベルに突き抜けるために大事なことだったんだなと感じています。

スランプ脱出大作戦③:脱出まであと一歩!コミュニケーションを増やして信頼する仲間を増やす

ここまでくると、ほぼスランプを脱出!という感じですが、顧客戦略のプロジェクトと並行して、同僚たちとの飲み会も増やしていきました。冒頭でも書きましたが「リサーチ飲み」という飲み会を企画して、興味を持ってくれた人たちと一緒に気になったお店に実際に行ってみるというのをやっていました。

リサーチ飲みは、TikTokで話題のお店だったり、飲食店オーナー向けの業界誌で話題のお店だったり、インタビューしたユーザーさんが行ったお店などに実際に行ってみる企画です。パソコン上では知り得なかったお店の情報や体験そのものを実際に経験するのは面白く、自分自身とてもハマった飲み会でした。また、毎回行くメンバーも違い、いろんな人と交流できるのもよい刺激になりました。

リサーチ飲みは、改めて外食っていいなと思う機会になりました。そして、信頼できる仲間たちと一緒に、Rettyをより多くの人たちに使ってもらえるプロダクトにしたいと強く思いました。

仕事は一人でできません。よく「信頼貯金」という言葉を聞きますが、私は自分の信頼貯金を貯めるのではなく、相手の信頼貯金にどれだけチャリンと入れられるかが大事だと思っています。自分にとっては、この人になら背中を預けてもよいと思える人と仕事ができることが、喜びでありやりがいに繋がっていました。これは、このスランプによって見つかった気づきでした。このことに気づけたのならスランプも悪くないのかもしれません。笑

さいごに〜現在の私

現在はスランプを脱出し、仕事と飲み会に精を出す日々です。笑
今笑っていられるのは、この最大のスランプを乗り越え、次のレベルに踏み出せたことがとても大きいと感じています。
ある人が言っていました。大きくジャンプするには最大限に屈伸する必要があると。この最大のスランプも、前のレベルを突破するためには必要なことだったのかもしれません。

スランプを乗り越えて、新しいレベルへと進み始めた私ですが、デザイナーの枠組みから少しはみ出し、ユニットリーダーを担当したり、プロダクトマネージャー的な動きをすることが増えてきました。前の自分だったら今の動きを素直に受け入れられなかったと思います。しかし、今の自分はあえてデザイナーの枠組みからはみ出すことで、デザイナーの役割をアップデートできると思っています。

今目指しているものはとても明確です。
自分と自分以外の人の成長に貢献すること。チームとして成果を上げること。そしてその先には、ユーザーさんに価値を届けて、Rettyの成長に貢献すること。

2024年も
Rettyを利用してくださる多くの人たちに
Happyが届きますように
これからも頑張っていきます!
✨😆😂😄✨

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