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プロジェクトをリードするためのデザイナーの心得

Rettyでリードデザイナーをしてます、ヤマモトマユミ(@mayya)です。

日々、大小様々なプロジェクトでデザインを行っていますが、できるだけ早く確かな価値をユーザーさんに提供するために、プロジェクトをリードするスキルが求められています。

Retty社内でも「プロジェクトをリードする」というワードをよく耳にします。デザイナーとして求められているリード力は「ユーザーに最短で価値を届けるために、体験設計を牽引し、プロジェクトのフェーズに合ったアウトプットをつくり、プロジェクトのスピードを加速させること」というのが私の理解です。

今回は、プロジェクトをリードするために私が行っている「議論の叩き台を作る」「制作過程を見せる」について、自分の中で意識しているポイントを言語化してみました。

議論の叩き台を作る上で意識する3つのポイント

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何もないところから議論を始めるより、何か叩き台がある方が議論は進めやすいですよね。
ここで言う叩き台は「議論するための素案や原案」と定義しておきます。叩き台を率先してつくることで、議題に対して一度自分自身で思考している状態なので、議論にも参加しやすく、その後のデザインへの助走になると感じています。
私が叩き台を作る上で意識しているポイントとして「定義」「編集」「可視化」があります。

1. 「定義」は、コンセプトの叩き台を作る時

やることは決まっているけど、方向性が定まっていない時などに、一番伝えたいことや提供価値を、現在手元にある情報から仮で定義をします。また、端的に表現できそうなまったく違うカテゴリの要素をくっつけて定義をすることもあります。

定義をすることの良いポイントとしては、他者に見せた時に、「良い・悪い」の回答がはっきり出やすいと感じています。良い場合はそれをベースに話を進めていけますし、悪い場合はなぜ悪いかを議論することができ、次のアウトプットの材料を得ることができます。

2. 「編集」は、情報を整理して叩き台を作る時

情報を分類してラベル付けしたり、情報の関係性を整理したりなどで叩き台を作る時に意識しているのが「編集」です。

「編集」としているのは、受け手の視点を意識して情報を整理しているためです。前提として議論を前に進めるための叩き台をつくっているので、ただ情報を整理するのではなく、そのアウトプットが今求めらているものか、それを見る事で議論が進展するかを意識してつくること=「編集」が重要だと思っています。

3.「可視化」は、今までの議論をまとめて叩き台をつくる時

議論が進んで方針や決定事項が増えてきた時に、ひとつの図にまとめたり、フロー図にしたりして可視化をしていきます。プロトタイプもその1つですね。

可視化はデザイナーが一番価値を発揮できるところだと思います。言葉だけだと理解しにくいことであったり、プロダクトに反映されたときにどういう体験になるかイメージしにくいことを可視化し、見る・体験することで意思決定を加速させることができると感じています。

制作過程を見せる上で意識している3つのポイント

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つくっている過程を見せることがプロジェクトを加速させる要素の1つであることは以前から言われてきたことですが、私自身も特に意識をしてデザインをしています。

私がデザインの過程を見せていく上で意識しているポイントとして「意図」「状態」「タイミング」があります。

1. 「意図」も同時に作っていく

途中のアウトプットを共有する時は意図も合わせて共有しますが、共有する時に準備するのではなく、「意図」自体もアウトプットに含めながら作っています。自分自身の思考の整理にもなりますし、共有用に改めて仕立て直す必要もなくなるためスピーディに作成→共有まで持っていくことができます。

2. 「状態」を常に把握し、正確に伝える

途中のアウトプットは、途中であるが故のクオリティのため、見る人の解釈で認識のズレが起こりやすくなります。「何がどこまでできているのか」「何はできていないのか」を常に明確にしておき、途中成果物と合わせて共有することで、認識のズレが発生しにくくなります。

3. 見せる「タイミング」はこまめに

見せるタイミングは、私の場合は「半日」「1日」くらいの細かいスパンで共有できるようにスケジュールを組むことが多いです。これは、時間をかけて共有した場合に起こる、手戻りを発生しにくくするだけでなく、短いスパンで共有することで、受け手側が、思考プロセスや進捗を「一連の流れ」として確認しやすくなると感じています。一連の流れを共有することで、アウトプットの背景説明をある程度省略できたり、その後の議論が前進しやすくなると感じています。

最後に

今回は「議論の叩き台をつくる」「制作過程を見せる」について、自分の中で意識しているポイントを言語化してみました。

プロジェクトをリードするというのは、これをやっておけばOK!というものがあるわけじゃないので、プロジェクトによっていつも試行錯誤していますが、どんなプロジェクトでも一番意識しているのは「その時に求めらていることをデザイナーとしてきちんと応える」ということかもしれません。

その時に応えるには、ぶっつけ本番!じゃうまくいかないので、常日頃からの準備、鍛えることがとても重要ですね。

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